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柊木麗子
十二月の半ば。
もう辺は銀河で覆われている。
柊木麗子はその白い大地を歩いていた。
もう冬である。
周りの人間はコートやら手袋やらマフラーをし、店はピカピカ光っている。
浮かれている。
一言言うならこうだろう。
人は楽しいことがあれば案外すぐに恐怖から逃れられるものだ。
だが、麗子はそうではない。
・・・ずっと、そのまま生きてきたのである。
歪んでいるまま、尚それでも自分を受け入れて。
他の人間は罪を忘れ、そして楽しく過ごそうとする。
絶対にそんなことをできる人間はいない。
なぜなら罪を負わない人間はいないからだ。
どんなに重い罪を背負っていても、楽しく過ごそうとする人間は、所詮世間知らずのおぼっちゃんだろう。
世間はそう甘くはできていないものだ。
そして麗子はとあるマンションについた。
七階建ての、少し広いマンションである。
「・・・私だ。」
[はーい、麗ちゃん♪今開けるわね♪]
とてもテンションが高い女の声と共に、麗子はマンションの自動ドアを通ると、エレベーターに乗り、五階まで行き、知り合いの部屋に入った。