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休日 夕食後

時は戻り、休日の夕食後。


プリシラから受け取った新入生名簿をノートに書き写してそのページをとっておく。

ノートとペンを使った実験だ。今までは分かりやすく自分の状態を巻き戻す、新しい空間を作る、といった時空魔法というイメージから想像される内容で魔法を使っていた。

今回の実験テーマは「有限のものを無限にできるか」である。まずはノートとペンそれぞれを、リリーが使う前の状態に戻す。爪先くらいの鉱石でこれは問題なく行えた。”整容”と同じ原理である。


「さてと」


リリーはこの新品の状態のノートとペンを、いくら使っても新品の状態に戻るようにしたいのだ。


(どういうイメージをするべきなのだろう、そもそも無限という考え方は魔法の中にあるのかな?)


右ポケットに関しては自分で作ったとはいえ、まだ謎が多い。自分の思考とリンクしているという事は、ここに入れた情報は覚えておけるという可能性もあるのだろうか。


先程破りとった、新入生名簿を書き写したノートのページを折り畳んで右ポケットに入れてみる。

(暗記パンみたいになるのかな?)


しばらく待ってみても、新入生の名前が頭の中に刻み込まれるような感覚はない。


(良かった、じゃないと頭の中に鉱石を詰め込んでる事になるもんね...やっぱりどちらというと必要の部屋の再現で、かつミニチュア版といったところなのかな)


脳の物質的拡張じゃないかとヒヤリとしたが、そうではなかったようだ。


(つまり私が”こういうのあるよな...”くらいの認識でも、時間と場所に関係するものは作り出す事ができる)


無限に使えるノートとペンがこの世に存在している、それはこれだ、確信を持って鉱石を弾く。


鈍く光って鉱石は砕け散った。


「成功した...のかな?」


(そうだといいな、せっかくプリシラに買ってもらった物だもの。ずっと使いたい。それに余り負担をかけたくないし...)


とりあえずレイモンドとの取引をどうするかメモしていく。


「明日の昼食時、かな。できる限り早く情報を引き出してゴードンに備えないと」


今から平民寮に行くか考えたが、昼食時の食堂の方がレイモンドに会える可能性があがる。


(何号室かも知らないし、そもそも平民寮に入った事ないし...)


平民寮に行くならばある程度の魔法研究が進んでからの方が安心だ。


(6歳児、しかも女児、日が落ちて保護者のいない環境で自分の身を守れるほどには私は強くない)


この世界に来てまだ1ヶ月だ。自分の知らない危険もたくさんあるはずだ。


体力はそこまで消費していなかったが、明日に備えて”整容”魔法をして寝ることにした。

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