世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(ただの少女として)「私ね、みんなのことが、大好きだよ。」
この物語は、世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(絶望と再生の物語)「あなたが見ている世界。それは、本当に本当の世界ですか?」(R15)(完成版)(挿絵80枚以上)(本編)の女主人公、結衣のあなたが暮らす世界に存在する日本でのお話です。ある意味で、【If】(もし)の世界のお話かもしれません。
【紫色の髪の少女】
紫苑と犬
春の陽光が、近所の桜並木を淡いピンク色に染め上げていた。真新しいランドセルを背負った小さな少女が、一匹の大きなゴールデンレトリーバーと一緒に、その桜並木を歩いている。少女の名前は、紫苑。艶やかな紫色の髪と、吸い込まれそうな青い瞳を持つ、少しばかり大人びた雰囲気の小学一年生だ。隣を歩く犬の名前は、ルーク。賢そうな瞳で紫苑を見上げ、時折、嬉しそうに尻尾を振る。
紫苑が住むのは、どこにでもあるような二階建ての一軒家。庭には季節の花が咲き、洗濯物が風に揺れている。アストレア王国の女王、結衣が、その絶大な力を封印し、ただの少女として生きていくために選んだ場所が、この平凡な日本の住宅街だった。
小学校に入学してすぐ、紫苑は明るく活発な少女、朔茂と友達になった。運動神経抜群で誰にでも分け隔てなく接する紫苑は、朔茂にとって初めての親友だった。勉強もできた紫苑は、いつも首席。運動会のリレーでは、信じられないほどの速さで皆を追い抜き、周囲を驚かせた。もちろん、それは彼女が魔女であるが故の身体能力の賜物だったが、紫苑はそれを悟られないように、いつも少しだけ力をセーブしていた。
夏になると、近所の神社で夏祭り(靖国神社のみたままつり)が開かれた。ピンク色の浴衣に身を包んだ紫苑は、朔茂と一緒に金魚すくいや射的に夢中になった。そこで出会ったのが、同じクラスの優弥だった。優しく穏やかな優弥に、紫苑は初めて恋心を抱いた。祭りの帰り道、提灯の灯りが照らす中、二人は少しだけ手を繋いだ。
秋には、三人で近くの山へ紅葉狩りに出かけた。赤や黄色に染まった木々の中を歩きながら、お弁当を広げ、他愛ない話で笑い合った。ルークも楽しそうに落ち葉の上を駆け回っていた。
冬になると、紫苑は家でルークと一緒に過ごすことが多くなった。こたつに入り、温かいみかんを頬張りながら、テレビでアニメを見るのが日課だった。時折、朔茂や優弥が遊びに来て、みんなで鍋やおでんを囲んだ。
中学校、高校と進むにつれて、紫苑はますます学業で優秀な成績を修めた。運動能力も相変わらず抜群だったが、目立つことを避けるため、部活動にはあえて所属しなかった。それでも、体育の授業や球技大会では、その潜在能力の片鱗を見せることがあり、周囲を感嘆させた。
優弥との関係も、ゆっくりとだが着実に深まっていった。高校の帰り道、二人で寄り道をして焼きそばを食べるのが、紫苑にとって何よりも幸せな時間だった。神社の境内で二人で話したり、時には手を繋いで歩いたり。紫苑にとって、それはアストレア王国の女王としては決して味わうことのできない、かけがえのない時間だった。
高校卒業の日、紫苑は朔茂と優弥に囲まれ、少しだけ涙ぐんだ。アストレア王国に戻る日が近づいていることを、心のどこかで感じていたからだ。平凡でありふれた、しかし温かく優しい日本の生活。紫色の髪の少女として過ごしたこの日々は、10万年以上生きてきた女王の記憶の中で、いつまでも色褪せることなく輝き続けるだろう。そして、いつかまた、この桜並木の下を、ルークと一緒に歩きたいと、紫苑は心の中でそっと願った。
結衣とアストレア王国軍
本編で語られる、結衣の幻想魔法の力の想像力は、アニメでも培われています。
【結衣について】
・アニメ好き「杖と剣のウィストリア」が好き
・キツネ好き「9尾の狐」が好き
・ドラマも好き「やまとなでしこ」「花より男子」「The O.C.」「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」などが好き
・焼きそば・お好み焼き好き
・夏祭り好き・浴衣好き
・温泉が好き
・白とピンクが好き
この物語の後、結衣は、日本との防衛協定、相互基地設営案、非常時の日本への無償のエネルギー資源や物資(食料・衣類・医薬品など)を供給する案などを提案する。これは、また別のお話。
アストレア王国戦力:3億5000万人(職業軍人)