表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

197/202

第196話 カリバーのサプライズ!?

 アルシアは手を挙げた。



「私のデス魔法で、二度と魔法を使えなくするのはどうかしら?」

「それはいいね。それでいこう」


「おいおいおいおい、みんなに聞くんじゃなかったのか?」

「そうだったね。みんなこれでいいかい? 反対の者はいるかい?」



 誰も手を挙げないな。でも、俺も賛成だ。

 あのダンロッパならまた悪いことしそうだし、それに魔力がゼロにされるのは、この世界では死刑みたいなものだしね。



「じゃあ、決まりだね。これで解散! 僕はこれから大事な用があるから失礼するよ」

「おい!」



 カリバーは、慌て気味で外に出て行った。ここ数日は戻れなかったから、ゲームが出来なくてもう限界だったんだろう。


 そして、マリさんに抱き着いたミリちゃんがセットで、部屋を出て行った。最近、ミリちゃんはお姉ちゃんにべったりだ。今まで甘えられなかった分、めいいっぱい甘えているという感じだ。


 まぁ、少し寂しい気もするが、おかげで、ここ数日は理不尽な目に遭わなくて済んだ。


 

 そして、みんなが退出し始めた時、俺はアルシアに駆け寄った。



「アルシア、代表を断ったけど良かったのか?」

「うん、いいの。他にやりたいことが見つかったから」

「それは?」

「えーと、今は内緒」



 答えてくれなさそうだけど、いつかは教えてくれるということか。まぁ、そのうち向こうから教えてくれるだろう。




 ――こうして会議も終わり、この後は建物の修復に駆り出され、一日が終わった。



  今はもう夜で、俺とミルネは寮に戻って寝る準備をしているところだ。



「ようやく明日からゆっくり出来るな。今日までバタバタだったもんな」

「あたしはもう疲れたよ。もう寝よう」

「そうだな」



 俺とミルネはベッドで横になった。



「それにしても、こうやって一緒に寝ると学園を出る前の頃を思い出すな。あの時はダンロッパの闇を粛正するだけだったのに、それが魔王軍まで倒してしまって、さらに、ミルネは代表になってしまったからな」


「えへへ、あたしも偉くなってしまったよ。でも、あたしは、マユリンがここに来る前は男になっていた事の方が驚いたよ」


「それは確かに……って、ちょっとニュアンスが違うぞ。男になっていたんじゃんくて、元々、男だからね」


「別にどっちでもいいよ」

「良くなーい!」



 ミリちゃんもそういうニュアンスなんだよな。俺、そんな誤解するような説明したかな?



「そう言えば、ミリちゃん全然来ないね。あいつのことだから、ドアを蹴破って拉致に来ると思っていたんだけど」


「今はマリ姉と一緒だもんね。マユリン、ミリちゃんが恋しいんでしょう?」

「違うわ! 逆に何も無いと、それはそれで不気味で怖いんだよ」



 そう、例えばマリさんと何か悪巧みしていそうで怖い。



「でも、大丈夫だよ。マリ姉がマユリンを妹にしたいって言ってたから」

「どこが、大丈夫なんだよ!」



 あの姉妹、本気でやりそうだから怖いわ。



「あたしはアル姉の妹になりたいな」

「そんなことしたら、ややこしくなるわ!」

「アル姉も一緒に寝てくれたらいいのにね」

「狭いわ!」



 狭いのもあるけど、ちょっと今は照れるな。

 アルシアに告白されて、まだ返事はしていないから、気まずさはあるかもしれない。


 俺もちゃんと返事をしようと思っているが、真由じゃなくて浩二としてしたいからな。

 うーん、戻る方法はもう一回無垢郎から貰ったドリンクを飲めば、魔法解除効果で戻るらしいが、ハードルは高い。


 そんなことをすると、ミリちゃんが怒り狂うだろう。


 何とかしてミリちゃんから許可を貰わないとな。はぁー。




 ――こうして、数日が経過して、祝賀会の日がやって来た。



 魔王軍討伐の祝賀会は、あの女将がやっているボルボン魔水浴場がある旅館だ。

 今回の参加者はSランクとアルルン、あとはAランク数人で、Bランクは裏方で働いてくれるみたいだ。

 

 ただ、学園を留守にするわけにはいかないので、ネスタリア学園にケイトさん、ベルリア学園に剣士のフェルティングスさんが残っている。


 祝賀会と言っても、みんなで夕食を取るみたいで、バイキング形式らしい。

 どんな料理が出てくるのか楽しみだ!


 というのは嘘で、どうせゼリーみたいなジュレばっかりだろう……。 

 せめて、カリバーが土産でもあればいいんだが……。

 

 しかし、会場にはカリバーのテレポートで行く予定で、もうみんな集まっているのにカリバーがまだ東京から帰って来ない。


 まさか、ゲームが止めらなくなったんじゃあ、ないだろうな?



「カリバーさん、大丈夫かしら?」

「どうだろう? ゲームで遅れているなら、怪しいな」



 もしもの時は、ミリちゃんか、マリさんに頼みたいところだが、魔力を使い果たしてしまうのは避けたい。だから、2回出来るカリバーがちょうど良かったんだが。



 暫く沈黙が続いたが、これを破ったのはアルシアだった。



「今、ベルリア学園から連絡あったわ。向こうは全員揃ったみたい」

「マユリン、どうするの?」

「ここは、ミリちゃんか、マリさんにお願いするしか……」

「いいわよ。私がテレポートしてあげる。でも、魔力を使い果たすから、真由ちゃんが介抱してね」


「ミリもして欲しい」

「なっ」



 なんか俺が変な苦労しそうなパターンになりそうだ。くそー! カリバーめ!


 俺が諦めようとした時、突然周りが白い光に包まれた。



「こ、これはやっと来たか!?」



 そして、光が消えると目の前にカリバーが大きな箱を持って現れた。 



「遅くなってごめんね。大事な用があって遅くなってしまったよ」

「ふーん、大事な用ね……それで、その箱は? もしかして……」

「流石、真由君は察しがいいね」



 ということは、お土産を一杯持って来てくれたのか?



「みんなも驚くよ」

「じらすなよ。何を買って来てくれたんだ?」

「じゃあ、ミリちゃんに開けてもらおうかな?」

「分かった。ふっ」


「やっぱり、真由君が開けた方がいいね」

「俺もそう思った」



 ミリちゃんに開けさせたら、中身まで破壊しそうだからな。それにしても、わざわざミリちゃんに渡さなくとも、自分で開ければいいのに、何かあるのか?


 それにしても、この箱なんか見たことがあるような気がするぞ。


 何だっけ? 


 軽くて大きな箱……。


 ま、まさか!?


 俺は、はやる気持ちを押さえて箱を開けた。


 すると、中に入っていたのは……。


 中にはなんと! 可愛い兎のヌイグルミが入っているではありませんか!



「も、もしかして、ポンタ!?」

お読み頂き、ありがとうございます。

完結まであと5話(201話)になります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ