表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

190/202

第189話 真由VSザイロン

 ライムさんはフェルティングスさんの助っ人に行き、ミルネもミリちゃんの様子を見に行った。

 カリバーさんには、結菜ちゃんの救出と回復を頼んでいるが、隣にザイロンがいるのでまだ救出出来ていない。アルシアにはデス魔法を打つ準備をしてもらっている状況だ。


 まずは、あいつを結菜ちゃんから離さないと。


 ザイロンは黒魔パーティクルを纏っているが、結菜ちゃんと違って、ザイロン自身が大柄のせいか頭上を周回している。つまり、殆ど見た目が変わっていない。


 結菜ちゃんみたいに可愛い女の子だから、邪悪な魔王に変貌したらギャップが大きいが、元々邪悪なザイロンだから、そんなに変化がないだけかもしれない。


 しかし、ザイロンは見た目以上に変化を実感しているようだ。



「はっはっはー! これは凄い! 素晴らしい!! 何という力じゃ! 信じられん!! はっはっはー! やはりわしの予想通り、ちゃんと自我が残っておる! しかも、魔王フィルリアル様の思念が分かるぞ!!」


 

 うーん、やっぱりあの黒い煙、黒魔パーティクルを倒さないと、この戦いは終わらないだろうな。



「はっはっはー! いいか!? みんな聞くのじゃ!! わしは魔王フィルリアル様の意思に従い、この全世界を支配する! どうだ? わしに服従するなら、命は助けてやろう。特に真由! わしと一緒に来ないか? 幹部にしてやってもいいぞ」



 俺だけ特別発言は誤解を生むから、やめろ!



「誰がなるかー!! 俺はお前を倒しに来たんだぞ! 早くその力を俺で試してみろよ!」

「どうやら、誰もわしに服従しないようじゃな。ならば死んでもらうぞ」



 まずはここから離れてもらうわないと。



「よし、ここまで来い!」

「いきなり逃げるのか? わしからは逃げられんぞ!」



 俺はMPCのダッシュを使って、その場を離れた。もちろん、逃げたわけではない。

 しかし、ザイロンは一瞬で追い付いて来た。


 この一瞬で追い付いて来るスピードと瞬発力は、MPCのダッシュを上回っているかもしれない。

 でも、これで結菜ちゃんから離すことに成功した。

 カリバーもそれを見てすぐに救出したみたいだし、これで何も気にせずに戦える。



「あまりのわしのスピードに驚いて、逃げるのをやめたみたいじゃのう」

「いいや、初めから逃げるつもりはない」

「ん? あの小娘か? わしに服従しないなら命が無いということが分からないようじゃな」

「フフフ」

「何が可笑しい?」



 笑うつもりは無かったが、つい笑みがこぼれてしまったか。



「俺はこれまで、結菜ちゃんを傷つけず、どうやって魔王フィルリアルを倒そうかと悩んでいたけど、お前のおかげで解消した。胸のつかえが取れたみたいで気分がいいんだ」


「はっはっはー! 面白いやつじゃ。わしは魔王フィルリアル様の力が無くても、カリバーとライムの2人相手でも互角に戦えるんじゃぞ。そして、今わしは魔王フィルリアル様の力で最強になった! もうお主に勝てる要素は無い! さっきの魔力を感じない高速移動も遅く見えたぞ! はっはっはー!」


「じゃあ、俺も教えてやるよ。俺も魔法の修行して、魔法の習得と魔力のコントロールが出来るようになった。そのおかげで、さっき見せた魔力を使わない高速移動に魔力を上乗せすることが出来る。つまり、何倍にも上げることが出来る」



 そう、魔力をコントロール出来るようになったことで、MPCで魔力を瞬発的に大きな魔力を引き出すことが出来るようになった。


 これに、パワーと剛性を瞬発的に引き出すMPCの技と組み合わせると、従来の何倍のパワーを引き出すことが出来る。


 これがアグリケーションバージョン4にして完成した。



「はっはっはー! 確かにその妙な技は厄介だが、何倍にもなるのは言い過ぎじゃろ」

「じゃあ、試させてもらうぞ?」

「調子に乗り過ぎじゃ! その自信をすぐに砕いてやる。来い!」

「じゃあ、遠慮なく」



 バァーーン!!



「なにー!」



 俺は、MPCで一歩ダッシュして、拳にパワーと剛性を高めて殴った。これが今まで通りだが、今回はそれに魔力も一緒にコントロールして、同タイミングで瞬発的に大きな魔力を引き出した。


 そう、この同タイミングというのがポイントだ。

 そして、効果は絶大で、一瞬でザイロンを吹っ飛ばすことに成功した。



「真由、今何したの?」

「僕にも見えなかったよ」



 カリバーとアルシアも驚いているようだが、結構俺も驚いている。身体能力と魔力を瞬間的に爆発させるとここまで力とスピードが出せるのだからな。


 でも、ザイロンを吹っ飛ばすことは出来ても、そこまでのダメージにはなって無さそうだ。



「ぐはっ、ま、まさかこんな力あるとは見くびっていたわい。わしも本気で挑むとしよう」

お読み頂き、ありがとうございます。


気に入って頂ければ、ブックマークや↓の☆をクリックしてくれますと、モチベーションが上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ