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第185話 姉妹対決!?ミリちゃんVSマリ

 ゆっくりと魔王城の扉が開くと、そこに待ち受けていたのは、以前にバーで出会った色気のある感じで、綺麗なロングの銀髪の美少女だった。


 この美少女の名前はマリさんで、ミリちゃんの姉になる。今は魔王フィルリアルに洗脳されている。

 でも、向こうから出迎えてくれるとは思っていなかったぞ。



「真由ちゃん、久しぶりね。まさか、ここまでやって来るとは思ってなかったよ。後ろに隠れているのはミリちゃんね」


「やっぱり、戦わないといけないのか? お前はミリちゃんの姉なんだろう?」


「魔王フィルリアル様の命令は絶対よ。でも、私が用があるのはミリちゃんだけよ。真由ちゃんは魔王フィルリアル様の所に行くといいわ」


「それはどういう事だ?」



 もしかして、結菜ちゃんが自我がある内に命令したのかな? それならいいが、もし魔王フィルリアルとしてならヤバいぞ。



「私には分からないけど、命令よ。そこの女の子は初めて会うわね。あなたは私と遊んで行きなさい」

「いいえ、私は真由と一緒に行くわ」

「行っていいのは真由ちゃんだけよ。あなたは行かせないわ。私のゴーちゃんが相手になるわ」



 アルシアにデス魔法を掛けて貰わないといけないから、ここで足止めされるわけにはいかない。

 しかし、そんな俺の考えが通じたのか、後ろに隠れていたミリちゃんが力強く踏み出し前に出た。



「アルシアちゃんも真由ちゃんも行って。ここはミリに任せて」

「ならば、吾輩はあのゴーレムを相手しよう」


「ミリちゃん、ポンタ、分かった。ここは任せたぞ!」

「流石、ミリちゃんの『アニマ』は凄いわね。手強そうね」



 マリさんから見ても、やっぱりミリちゃんは凄いんだ。


 そして、俺はアルシアに合図を送り、ミリちゃん達の戦闘が始まったら一緒にここから脱出することにした。



「真由ちゃん、行って。ふんっ」



 ミリちゃんがそう言うと四方八方に衝撃波が飛び、城内の壁等を破壊し始めた。すると、ミリちゃんはその瓦礫を次々とアニマの魔法で、ミニゴーレムを作り出し、マリさんの方に向かわせた。


 しかし、マリさんも同じようにアニマでゴーレムを作り出し対抗した。



「何だーこの戦いはー!?」

「真由、今の内よ!」

「ああ」



 ミリちゃんとマリさんの間に、ゴーレム同士がぶつかって粉砕して、ミリちゃんもマリさん自身も魔動砲を連発している。何とも忙しい戦いだ。

 こんな戦いは初めて見る。でも、そのおかげでマリさんはこっちまで見る余裕は無さそうだ。


 俺とアルシアは難なく、ここから出ることが出来た。そして、そのまま廊下を走り、階段がある所に向かった。以前にここに来たことがあるから、迷わず行けそうだ。


 

 そして、階段を見つけ、最上階まで駆け上がった。



「俺はこの最上階で、魔王フィルリアルが現れたんだ」

「ここで待っていればいいのかしら? 真由を呼んでいるみたいだし」



 最上階はそんなに部屋の数も無いし、今は魔王の魔力を感じ取れるから、大体の見当は付く。



「いや、魔王のいる部屋と言うか、結菜ちゃんがいる部屋に行こう! 場所は魔力で分かると思う」

「そうね。凄い魔力だわ」



 そう結菜ちゃんが部屋から出ると、黒魔パーティクルが纏って魔王フィルリアルになってしまうから、こっちから行く方がいいだろう。



 そして、強い魔力を感じる方へ走っていると、一つの部屋の前に辿り着いた。



「真由、ここみたいね」

「うん、ここだな」



 もう結菜ちゃんも俺達がここにいる事ぐらいはお見通しだろう。だから、中に入っても大丈夫なはずだ。



「アルシア、中に入るぞ」

「うん」



 俺がドアを開けると、やはりここは前に来た結菜ちゃんに居る部屋だった。前と同じように天井を黒魔パーティクルが旋回している。


 相変わらず邪悪な感じがして気味が悪い。



「真由、あれが例の……」

「そう、あれが黒魔パーティクル。あいつだけを倒せば結菜ちゃんは助けれるはずだ」

「あれにデス魔法を打つのね」

「ああ、でもまず結菜ちゃんを……」



 俺は部屋の奥に入り、ベッドで倒れている結菜ちゃんを見つけた。



「もしかして、寝ているのかな?」

「真由! あれ!」



 俺とアルシアがベッドに近づくと、ベッドは血まみれになっていて、うつぶせになっていた結菜ちゃんは呼吸が荒く、ぐったりしていた。



「結菜ちゃん!? 大丈夫か!?」



 俺は結菜ちゃんを正面に起こすと、口から血を吐いて、とても会話出来るような状態ではなかった。



「真由、もう結菜ちゃんの身体では魔王フィルリアルに耐えられなくなったんじゃない!」

「くそー、ここまで酷くなっていたとは……。アルシア! 時間が無い! 天井にいる黒魔パーティクルだけにデス魔法を打てば何とかなるんじゃないか!?」


「そうね、やってみるわ!」



 俺は結菜ちゃんをゆっくりと抱き抱えた。そして、アルシアはデス魔法を打つために魔力を高め始めた。しかし!



「アルシア!! ストップだ!」

「え?」



 アルシアが魔力を高めた瞬間、黒魔パーティクルは旋回を止め、一気に結菜ちゃんの方に流れ込んだ。



「ヤバい!!」



 俺は咄嗟に結菜ちゃんを抱えたまま、窓を突き破って外に飛び出した。その状況にアルシアも追いかけるように窓から外に出た。


 ここは4階だから、高さはあるがMPCで剛性高めて着地した。結菜ちゃんにとってその衝撃は辛そうであったが、目を覚ました。



「真由お姉ちゃん……」

「もう大丈夫だ! 助けに来たからもう心配するな」

「真由お姉ちゃん……に、逃げて……」

「お、おい! しっかりしろ!」



 再び、気を失ったかと思った瞬間!



「真由!! そこを離れて!! 追って来てるわ!」

「し、しまった!!」

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