第183話 魔王軍討伐作戦!!
今、俺とアルシアは集合場所に向かっている。
アルシアは残党からデス魔法のことを聞き出し、習得した。俺が手伝ったのは残党を言う事を聞かせる為に締め上げたぐらいだ。
簡単な魔法らしいけど、それなりに取得に魔力と時間を掛けたので、ベルリア学園のサポータの方に魔法で送ってもらっている。
集合場所の魔物人間が住む『タカチカオ』を越えた魔王軍領域近くだが、恐らく少し遅れるとのことだった。
一応、こっちの状況はオリンさん達から伝わっているはずだけど、状況によっては魔王軍討伐はもう始まっているかもしれない。その時はミルネやミリちゃん、ポンタが俺らの分まで頑張っているかもしれないな。
でも、アルシアは大分魔力を消費したみたいだから、デス魔法を打てるのがあと1回か2回が限度みたいだから、アルシアはなるべく魔力を温存した方がいいだろう。
――そして、集合場所に到着すると、まだ戦いは始まってなく、みんなはまだ待機していた。
俺が到着すると、真っ先に声を掛けて来たのはベルリアのトップのライムさんだった。
「待っていたよ。間に合って良かった。魔王軍も体制を整え始めたから、そろそろ作戦を実行したいところだ」
「待ってもらってありがとうございます。ところで、ミルネ達はどこに?」
「まだ来てないが。この場所から一番近いから、一番に来ると思っていたんだが」
「なにー!?」
何やっているんだ!? アルルンに謝りにいくだけなら、その日のうちにに終わっているはずなのに。
まさか、アルルン達にやられてしまったのか!?
うーん、自分で言って何だが、一ミリも想像出来ない。ミリちゃんが負けるはずがないからな。
ミルネとミリちゃんがまた、アルルンに変なことをしてなければいいが。
「あいつらはちゃんと来るんだろうな?」
「うーん、多分来るかと……」
ポンタがいるから、大丈夫だと思うけど。
「もう少しだけ待って、来なければ作戦を実行するぞ。もう後戻りは出来ないからな」
「すみません」
「まぁ、それまで作戦を説明しておく」
「お願いします」
魔王軍領域だから、魔力で連絡を取ると傍受されるかもしれない。もし、ミリちゃんが居ないということがバレたら、積極的に攻めてきそうだ。
「いいか、魔王城の周りに魔王軍が何百かいるが、地面の下にも潜んでいるから注意しろ。それらを合わせると千はいるかもしれない。魔王軍の対応は、メルリ率いるアイテック討伐隊とオリン率いるエイルテック討伐隊に任せる」
「ああ、あたいに任せておけ! オリンと一緒なら敵なしだ!」
「もう調子に乗らないで。でも、指揮官の幹部もいるんでしょう?」
「ああ、恐らくエレクドリアだ。電撃には注意するんだ」
魔王城に入るまで、地面にも気を付けないといけないのかよ。
「城内には魔王フィルリアルとマリがいる。後は全員城外だ。聞いたが魔王フィルリアルを倒す秘策があると聞いたが、任せてもいいのか?」
「はい、試したいことがあるので。だから、城内は討伐隊ラビットちゃんに任せて下さい」
中の結菜ちゃんを無傷で助けたいし。
「よし分かった。城内までフェルティングスも同行させよう。ちなみにストレングスは街や学園に残る残党の討伐をさせているから、ここには来ないからな」
「分かりました」
「あとはマリと元魔王のザイロンだが、ザイロンは俺とカリバーで討伐する」
「もう玉切れだから、電動ガンは使えないね」
いや、最後ぐらいは大魔法使いらしい戦い方をして欲しいね。
「マリに関してはミリちゃんにお願い出来るか? マリの洗脳を解けるのはミリちゃんしかいないと思うんだ」
「本人がいいならいいけど、姉に勝てるのか?」
「マリは魔王フィルリアルによって、マリの魔力に干渉してコントロールしている。その時に恐らく高度なデザイン魔法で偽の記憶を植え付けられていると思うんだ。デザイン魔法を超越したミリちゃんなら上手く解除出来るはずだ」
確かに、俺を完全に女の子にする為に、記憶をデザインして男の記憶を消そうとしていたから、出来そうな気がする。
ただ、ミリちゃんは最強だけど、姉にはなんか弱そうな所があるような気がするんだよな。でも、マリさんを助けるにはミリちゃんしかいないし……。
ミルネとポンタに助っ人になってもらうか。
フェルティングスさんも同行してくれるみたいだし、何とかなるかなぁ。
「分かりました。それで行きましょう。ただ、本人が嫌がったらまた別の方法を考えましょう」
「よし、決まったな」
「ただ、あいつらがちゃんと集合場所にいつ来るかだよな」
「もうあまり時間が無いぞ。向こうも着々と体制を整えてきているからな。早く攻め落としたいところだ」
ポンタがいるから安心はしているけど、ミリちゃん達が言う事聞かなかったら、それまでだしな。
早く来いー!
そして、しばらくすると遠くの方から複数の人影がこちらに近づいて来るのが見えた。
「やっと、来たみたいだ」
「よし、時間が無いからみんな配置につけ! 討伐隊ラビットちゃんが城内に入れるようにバックアップするんだ!!」
ライムさんの掛け声で、カリバーとフェルティングスさん以外は、散らばるように各自の配置についた。
そして、ミルネ達が近くまで来ると……。
「げっ!! 俺が3人いる!?」
ミルネはそのままだが、その左右に真由そっくりな子が一緒に歩いていた。
「もしかして、アルルンとミリちゃん?」
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