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第173話 再び異世界へ 

 俺は午前中にベルリア側と、明日異世界に向けての話し合いを終えたところだ。


 オリンさんも移植手術を受け、もう魔力も完全に復活したみたいだから、もう出発しても大丈夫みたい。

 話し合いの内容は、明日の朝にはメルリさんにテレポートでベルリア学園に戻る。  

 なんと今回は、カリバーも一緒に来てくれるそうだ。


 カリバーが言うには、これまでゲームをやってきた成果を見せてくれるらしい。大丈夫か? そして、ベルリア学園トップのライムさん達と合流して、今後の作戦を立てるみたいだ。


 とりあえず、本格的な作戦はライムさん達の調査報告を聞いてからになるだろう。


 今日はミルネが帰ってくるし、また騒がしくなりそうだな。

 

 おっと、和田さんに呼ばれていたのを忘れるところだった。多分、俺が依頼した結菜ちゃんの件だろう。


 早く魔王フィルリアルから解放してあげないと、衰弱して死んでしまうかもしれない。だから、少しでも情報が欲しい。

  

 俺は和田さんの指令室に向かった。



「お待たせしました」

「ああ、えーと真由君だね。結菜ちゃんの件の調査結果が出たぞ」

「はい、ありがとうございます」



 どうでもいいが、普通に杉田でもいいよな気がするが。



「報告によるとだな、児玉結菜という女の子は東京の裕福な家庭に育てられていたのは間違いなさそうなんだが、問題がある」


「それは?」


「両親はもちろん、周囲の関係者の誰一人、結菜ちゃんの存在すら知らないという事だ」

「えっ!?」



 もしかして、あの黒い煙『黒魔パーティクル』に記憶操作でもされたのかな?



「これに関しては、組織をもっても分からないという事だ。もしかして、これも魔法なのか?」

「はい、多分魔法で記憶操作されているかもしれません」

「どうする? まだ調査をした方がいいか?」


「いいえ、両親がちゃんといると分かっただけでも、十分です。あとは何とかします。ありがとうございました」



 帰る所がちゃんとあれば、何とかなるだろう。

 あとは、記憶操作の解除だな。


 確かミリちゃんの姉、マリさんも記憶操作されて魔王軍幹部になってしまっているから、それも一緒に何とかしないと。


 魔法だから魔法解除で出来るかな? いや、そんな単純なものではないだろうね。

 

 ていうか本当に俺は結菜ちゃんを助けられるのだろうか?

 もうすぐ魔王軍と戦うことになるのに、解決の糸口がつかめない……。

 うーん、どうすればいいものか……。


 考えるのは後にしよう。今日はミルネが帰って来るから駅まで迎えに行かないと。

 13時の新幹線に乗っているはずだから、こっちに着くのは15時半ぐらいかな。


 一応、和田さんの許可も取れたが、寄り道せずに組織の車で帰らないといけないみたいだが。


 それまで魔法のデモして復習でもしておくか。



 ――そして、時間になるとアルシアとミリちゃんも一緒に駅まで、ミルネを迎えに行った。 



 ミルネがポンタを抱いて電車から降りてきた。



「マユリン!! モフモフしたいよー!!」

「いきなりかよ!!」

「ミリも」

「お前はいつもしているだろー!」

「ふふふ」



 久しぶりに会うのに第一声がこれかよ! まぁ、ミルネらしいけど。

 でも、抱かれた時、前より身体がたくましくなっていたような気がするぞ。



「何かたくましくなったんじゃないのか?」

「えへへ、腕立て伏せ二桁いったよ」

「おー、それは凄い」



 多分、過酷な修行をしたんだろうな。でも、寝る時気を付けないと寝ぼけたミルネに絞められそうだ。



「真由、もうこのまま帰るのかしら」

「そういう条件だからね」

「えー、あたしはもっと遊びたいよ」

「真由ちゃんのせい」



 いや、俺のせいだったか? うーん、俺かもしれないが、ただ巻き込まれただけだから。



「よし、ここじゃあ、ポンタも喋れないし、組織に戻ってゆっくり話しよう」

「話したいこと一杯あるよ。アル姉もミリちゃんも一緒だから、なんか凄く嬉しいよ」

「そうね、私もミルネの話に興味あるわ」

「ミリも」



 こうして、みんなで組織に戻り、無垢郎やカリバー、あいみと談笑したあと部屋に戻った。

 今日は久しぶりに揃ったせいか、みんなテンションが高い。


 俺もそうだ。


 明日、再び異世界に行けば、魔王軍討伐、ダンロッパの闇粛正が待ち受けている。

 恐らく、激しい戦いになるかもしれない。そうなると覚悟が必要だ。


 だから、今日ぐらいは弾けてもいいだろう。


 

「マユリン! 今晩マユリン抱いてモフモフして寝るよ!」

「ミリもモフモフ」

「じゃ、私も」



 うーん、今から覚悟が必要だな。




 ――そして、いよいよ異世界に旅立つ時がやって来た。



 今回は人数が多いので、アルシアと修行をした場所からメルリさんのテレポートで出発する予定だ。


 ベルリア陣営は、みんな学園の青のラインが入ったブレザータイプの制服を、バシッと決まっていて、なんか恰好良かった。しかも、ネスタリアよりもクオリティが高い。


 一方、ネスタリア陣営は、アルシアとミルネは制服で、俺とミリちゃんはバイトのメイド服、カリバーは……特殊部隊?


 俺が驚いたのはミルネだ。


 ミルネならメイド服を着たがりそうなのに、全く興味を示さなかった。もちろん、メイド服を着た俺とミリちゃんには興味深々だったが。


 それに今朝も自分から起きていたし、京都に行ってからなんか急に大人になったような気がする。


 アルシアは本当は着たそうだったけど、それで異世界に戻るのは恥ずかしいから断念した感じかな。 

 まぁ、アルシアの場合は魔法少女に変身出来るからいいと思うけど。

 あとはあいみと無垢郎が見送りに来ている。



「みんな頑張ってね」

「ああ、ミリタンとのお別れが辛い……」



 前回は一人だったけど、今回はこんなに人がい多いと組織にいる方が寂しくなるんじゃないか?



「そろそろテレポートするぞ」

「皆さん、お世話になりました」



 メルリさんとオリンさん達が挨拶をして、もう出発しそうだな。

 すると、和田さんが慌てた様子で部屋に入って来た。



「遅れてすまなかった。ちょっとミルネ君に渡したい物があって」

「あたしに?」



 和田さんは、刀をミルネに差し出した。あれはもしかすると……。



「いいの!? これ笠田さんの名刀、邪威帝龍じゃいていりゅうだよ」

「笠田さんからミルネに渡してくれと頼まれたからね」

「良かったな、ミルネ。笠田さんに気に入られたんだね」

「えへへ」



 ミルネは誰が見ても分かるぐらい喜んでいる。



「ミリも欲しい」

「お前はいらんだろ」

「真由ちゃんが」

「何故、今言う」



 ミルネへのサプライズで場が和んでしまったが、出発する時がやって来た。


 メルリさんがテレポートの魔法を発動させると、以前にカリバーやった時と同じで白い光が全体を包んだ。


 この人数でも大丈夫かな?



 そして、白い光が収まり少しずつ視界が見えてくると、もうそこは組織ではなくベルリア学園内だ。


 しかし!



 そこはベルリア学園内でも、以前のような風景ではなかった!


 半壊した建物、あちらこちらで煙が上がっていて、何者かに襲撃されたような跡だった!



お読み頂き、ありがとうございます。


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