表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

166/202

第166話 無垢郎からの衝撃の真実!?

 ミリちゃんは手錠の鍵をネックレスのように首にかけ、ちょうど胸の辺りにあった。そもそも、ミリちゃんが鍵の保管をこんな風にやるだろうか? 

 どうも無垢郎の入れ知恵のような気がしてならない。

 

 もしそうだったら、3発ぐらい殴っておくか。いや、真由の身体で殴っても喜ぶだけか。

 でも、今はそれより、この状況を打破しないと。


 俺はミリちゃんの胸に触れないように指先に神経を尖らせ、胸の谷間にある鍵だけを掴むことを試みた。


 電気が付いていたのは良かったが、後ろ向きだからよく見えないんだよなぁ。

 俺は一度、身体を動かして鍵の場所を確認してから、もう一度鍵を掴むようにした。


 よし、これだな。


 フニャ


 ん? これは鍵にしてはやわらか過ぎた。ミリちゃんは起きていないようだから、セーフにしておこう。


 フニャフニャ


 わざとではない。


 フニャフニャフニャフニャ




 ――数分後……。


 ようやく、俺はネックレスを手繰り寄せ、鍵を掴んで解除することに成功した。

 

 ふぅー、疲れた。



 これからは、ミリちゃんの持ち物にも気を付けた方がいいぞ。

 とりあえず今日はもう寝よう。





 ――翌日、ミリちゃんは組織からバイトに行った後、俺は無垢郎の研究室で、アルシアとの修行までの間居ることにした。

 あいつから色々と聞き出さないといけないしな。


 カリバーも今日は仕事みたいだから、ここにはいないし、ちょうどいい。



「じゃあ、僕は研究室に戻るね。昼までゆっくりするといいよ」

「ちょっと待て!」

「何だい?」



 ミリちゃんが居なくなると、無垢郎は研究室に戻ろうとしたから、俺は止めた。



「ミリちゃんに手錠をあげたのは、お前だろ」

「えっ!? はぁはぁ、という事は、はぁはぁ、使ったんだね? ど、ど、どうだった? 最高だったかい?」



 バコ!!



 俺はギャグにもならないくらい、強めに殴ってやった。流石の無垢郎も喜べないだろう。



「い、いいね、もっとやってくれてもいいんだよ!」

「どんな身体してんだよ!!」



 全く利いていなかった。実はこいつ強かったりするのか? 

 それにしても、やっぱりこいつだったか。思った通りだ。でも、ここからが本題だ。



「他に何をあげた? 何を買ってやった?」

「もうないよ。手錠だって、ミリたんが『真由ちゃんを捕まえる物が欲しい』って言ったから、用意しだけなんだ」


「その割には、玩具に見せかけて本物だったりする小細工何だ!」

「その方が成功するだろう?」



 バコーン



 殴っても喜ぶだけと分かっていても、ムカつくから殴ってしまう。



「それで、以前に買い物に行った時は、どんなものを買った?」

「ミリたんの服とか小物だよ」

「いくら使った?」

「10万ぐらいかな。人生で一番、有意義なお金の使い方だったよ」

「どんな人生送って来たんやー!」



 無垢郎はミリちゃんの言いなりなんだろう。しかも、それに幸せを感じている。



「あと、俺に関して何か言ってなかったか?」

「うーん、大した事じゃないけど『真由ちゃんの心も女の子に戻す方法を教えて』って言ってたよ」


「どこが大した事ないだよ!! 大有りだよ!!」



 得体の知れない能力をミリちゃんは持っているんだから、そういう考えを持っているのは怖いぞ。しかも『女の子に戻す方法』って、ミリちゃんは俺を本当の女の子だと思っているのか?



「それで、何て答えたんだよ」

「うーん、浩二君だった記憶を消せばいいって助言したよ」

「馬鹿かお前は!!」

「ミリたんは、そんな事しないと思うよ」

「いや、するんだよ!」



 これは不味いなぁ。もし、そんな魔法があるなら、躊躇なく掛けてきそうだからな。まだ大丈夫なのは、そういう魔法が無いからだろう。

 でも、ミリちゃんの事だから、侮れない。


 

「ところで、俺の姿を元に戻す方法は、どうなっている?」

「ああ、その件に関して、いいニュースと悪いニュースがあるんだけど、聞くかい?」

「おお、意外な返答。もちろん、聞くさ。いいニュースから教えてくれ」

「いいニュースからだね。仮説だけど、戻す方法が分かったんだよ」

「ええーー!!」



 無垢郎の事だから、戻す方法なんて考えてないと思っていたから意外だぞ。俺は少し肩の荷が下りた。

 何だ、意外に簡単に戻れるんだな。もっと時間と手間がかかると思っていたぞ。でも、悪いニュースがあるっていう事は、何か問題があるのかな?



「じゃあ、悪いニュースって何だよ」

「うーん、大変言いにくいんだけど、ちゃんと言うね。君は僕とカリバー君の魔法で作った薬で、可愛い女の子になっただろう?」


「不本意だがな」

「その後、カリバー君の魔法で全ての魔法効果を消したけど、失敗したんだよね?」

「それがどうした?」



 無垢郎は気持ち悪いぐらいの真顔になった。



「実は成功していたんだよ」

「はぁ? 見ての通り全然成功していないだろ!」

「つまりだね、今の姿が本来の君の姿なんだよ」

「はっはっはー、流石にそれはないだろ」



 何を言い出すかと思えば、これが本来の俺の姿だと? という事は、俺は元々女の子だったと言いたいのか? 冗談じゃないぜ。



「おいおい、そんな冗談は要らない。まさか、元に戻れるの話も冗談なのか?」

「僕は本気だよ。君は女の子なんだよ」

「待て、待て、待て、そんなのおかしいだろう。俺には21年間の浩二としての記憶しかないし、女の子だった記憶なんて微塵も無い」


「その記憶は捏造だよ。魔法で記憶がデザインされているんだ」

「なっ」



 この21年間の記憶がデザインされた? そんな事が出来るのか? それに何故? 誰がそんな事するんだよ! 俺は信じないぞ。


お読み頂き、ありがとうございます。


気に入って頂ければ、ブックマークや↓の☆をクリックしてくれますと、モチベーションが上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ