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第141話 俺の世界に行く為のルール

 ベルリアとの話し合いは終了した。結構長々と話し合っていたから、もう日は高くなっていた。

 これからアルシアと戻るところだが、果たしてミルネ達は大人しく待っていてくれているだろうか……。それに日本に行けると知らせたら、どんな反応するだろうか?



「なんか日本に行くような話になったけど、これで良かったんだよな? 昨日アルシアが言っていた事は、この事だよな?」


「詳しくは聞いていないわ。でも、この事だったと思う」



 それにしても、異世界人を警戒していた和田さんなのに、よく許可を出したな。それだけアルシアを信用していたということなのか?


 でも、ミリちゃんの行動は予想を超えるから、何か対策をしといた方がいいかもしれない。東京のど真ん中で、下らない理由で空間魔法なんて使われたら、大惨事になるからな。



 そして、俺達は2人の元に着いた。すると……。



「何しとるねーん!」



 っと思わずツッコミを入れてしまったが、ミルネとミリちゃんは、恐らくアルシアが持って来たと思われる棒付きの飴玉を、互いの口の中に入れて寝ていた。


 俺のツッコミを聞いてか、見張りをしていたポンタが慌ててこっちにやって来た。



「元主よ、これは吾輩のお土産です。我主が何処かに行きそうだったので、引き留めていました」

「なるほど、そういう事か。良くやったぞ」



もし、ポンタが居なかったら「あれ? ミリちゃんがいない」という事になっていたかもしれん。

 やっぱり、ポンタが居てくれて良かった。


 それにしても、飴玉で釣れるとは子どもだな。なんで互いの飴玉を舐めているのかは謎だが。とりあえず、2人を起こして話し合いの事を教えて、ベルリアに行く準備をしないと。



「おい、2人とも起きろ!」

「「……」」



予想はしていたが、そう簡単に起きてくれない。ならば、この飴玉を取ったら起きるんじゃないのか?



「起きないなら、この飴玉は没収します」

「「カブり」」

「痛たー! なんで2人揃って俺の指を噛む!? そして、また寝るのかよ!」



一体、どうやって起こせばいいんだよ!?

 

 その様子を見兼ねたのかアルシアが2人の元まで来て、揺すりながら起こした。



「2人とも、いい加減に起きなさい」



 すると、2人は目を擦りながら、普通に起きた。

 何だよ、この違いは!?


 アルシアだと、ミルネは不思議と目を覚ますし、みりちゃんも素直にいう事を聞くんだよなぁ。

 俺にはそういうオーラが無いのかな? とりあえず起きてくれたから、いいけど。



「2人にベルリアとの話し合いで、決まった事を話すから良く聞いてくれよ。まず、これからべるぅらりあに向かん……おい、にゃにをする!?」



俺が話を始めたら、突然ミリちゃんが自分が舐めていた飴玉を俺の口の中に押し込んだ。



「真由ちゃんにもあげる」

「人が喋っている時に、飴玉をぶち込んではいけません!」


 

 いつもの事だが、ミリちゃんには、こういう真面目な話は全く興味が無くて聞いてくれない。しょうがない、端的に話しておくか。



「とてもいい話があるから、聞いてくれ。これからベルリア学園に行きます。そして、明日はいよいよ俺がいた世界にみんなで行きます!」


「本当!? マユリン!?」

「おー」



 ミルネもミリちゃんも喜んでいるな。でも、トラブルを起こさない為にも、ちゃんとしとかないと。



「但し、ルールがあります。これ重要ね。緊急的な事は除いて、魔法の使用は禁止です。それから、美少女を見つけても、持って帰ったり、手を出してはいけません」


「はーい!」

「……」



 ミルネは問題無さそうだが、ミリちゃんがとても不満そうな表情をしている。



「真由ちゃんを捕まえる時は?」

「駄目です!! 約束が守れないならお留守番になります」

「……分かった」



 なんか、小さなお子様に注意しているような感じだか、渋々受け入れてくれた様だ。でも、斜め上を行く行動をするかもしれないから、注意はいるだろう。




 そして1時間後、いよいよベルリアに行く事になり、魔力は向こう持ちと言うべきか、ライムさんのテレポートによって、俺達はベルリアの地に踏み入る事になった。


 テレポート先はベルリア学園の敷地で、ここで一旦解散して、夕食時まで自由行動となった。せっかくなんで、俺とアルシア、ミルネ、ミリちゃんでベルリア街を散策することにした。


 ベルリア街の中心部にベルリア学園がある為、門をくぐればすぐに街に出るみたいだ。ネスタリア学園もあんな山道を挟まず、街の中に建てれば利便性が良かったのに。


 ベルリア学園の建物の大きさや広さは、ネスタリア学園とあまり変わりないが、全体的に綺麗にまとまっていて、ネスタリアみたいな格差はあまり見られない。学生の雰囲気も和気あいあいとしている。


 うーん、やっぱりネスタリア学園はブラックなんだろうなぁ。これもダンロッパのせいだろう。もし、カリバーがずっとトップに君臨していたら、ここと同じような雰囲気になっていたと思う。


 それにしても、この世界には王様みたいな政治的な機構が存在しないのかな? やっぱり、その役割を学園が行っているんだろうか?


 

「マユリン、何ボーとしているの? 早く街に行こうよ」

「そうだな、学園がこれなら街も期待出来そうだ」

「ネスタリア街より栄えているらしいわよ」

「真由ちゃんは渡さない」



 ポンタはミリちゃんが抱いて、みんなで街に向かった。というか、普通に学園の敷地を出れば街だから、すぐに着く。



「これは凄いわ」

「広いね」



 ネスタリア街よりも断然大きく、建物もしっかりとして王都みたいだ。王様がいるかどうかは知らないが。

 でも、経済の規模なら間違いなくベルリアが圧倒しているだろう。



「みんなはどこか行きたい所ある?」

「あたしは初めてで分からないし、どこでもいいよ」

「私も分からないから」

「ミリが案内する」



 ミルネもアルシアも、あまり知らないようだが、ミリちゃんだけが知っているみたいだ。しかし、ミリちゃんが行きたい所ってなんだろう?



「ミリが先に行く。ついて来て」

「ああ」



 ミリちゃんは俺の手を引っ張り、目的地に向かって歩いた。


 そして、暫く歩くと何を売っているのか分からないが、お店のような建物の前で止まった。



「ここ」

「うーん、ドアも閉まっているし中が見えない。何のお店なの?」

「ここで、真由ちゃんを買う」

「は?」

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