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第132話 激突!! ネスタリア学園 VS ベルリア学園

 太助さんが打つゴッスン砲でも結界は破れないから、俺が魔法で頑張っても無駄だろう。

 だから、ここは物理攻撃で攻めてみようと思う。


 もし、物理攻撃も破れなかったら、一度撤退して対策を考えた方がいい。

 意外に穴を掘って進むとか、結界がなくなる所まで高速移動して中へ侵入するとか、馬鹿みたいな方法が有効かもしれない。


 とりあえず、魔力を纏わず普通にMPCで攻撃してみよう。でも、せっかく魔力とMPCの融合技を開発してきたのに、全然実戦で使えてないよな。


 それにしても、メルリの攻撃はストレングスの方ばかりで、こっちにはあまり来ない。やっぱり、ミリちゃんを刺激しないようにしているのかな?


 でも、これは俺が攻撃するチャンスだ。

 俺は立ち止まって、ミリちゃんを降ろした。



「マユリン、どうしたの?」

「ちょっと試したい事があって、ミリちゃんを頼めるか?」



 俺はミリちゃんをミルネに預けて、その辺に転がっている適当な石を拾った。



「マユリン、石なんか拾って何するの?」

「ちょっと、こいつを結界に投げて、物理的攻撃が効くか試してみる」

「距離結構あるよ」

「大丈夫、問題無い!」



 まぁ、野球選手でもこの距離は厳しいかもしれないが、MPCなら余裕だ。


 俺は右肩に力を集中させ、そして、思い切り投げた。

 すると、高速で飛んだ石は、一瞬で結界まで行ったが魔法と同じく、光を放ち粉々に散っていった。


 うーん、駄目か……てかこれ、もし生身で突っ込んでたら粉微塵になっていたんじゃないか?

 という事で、ここは一旦逃げた方が良さそうだ。



「逃げるぞ! Sランクの魔法攻撃も効かない、物理攻撃も効かないんじゃあ、話にならない」

「マユリン、ストレングスの人達はどうするの?」

「俺達で助けに行こう! 敵の攻撃はランダムで打っているように見えるけど、確実にミリちゃんを避けているみたいだから、俺達がストレングスの前に立てば攻撃出来ないと思う」


「マユリン、せこーい」

「うるさいっ」



 なんかミリちゃんを利用しているみたいで、後ろめたさを感じるがしょうがない。

 いや、その前にこんな状況で寝る方がどうかしている。おんぶしてやっているのだから、少しは役に立ってもらおうか。


 俺達は太助さん達がいる所まで移動することにした。


 相変わらず、メルリの魔動砲の嵐は続いており、ストレングス中心に狙っているようだった。それにしても、ベルリア側は攻撃し放題なのに、メルリ以外は誰も攻撃してないのが気になるな。


 他のAランク達は結界に魔力を注ぎ込んでいる感じだけど、残り2人のSランクトップのライムさんと剣士のフェルティングスは何もしていない。


 この2人も攻撃すれば、恐らくストレングスはあっという間に壊滅出来そうなのに。


 まだ何か作戦でもあるのか?



「ゴッスン!! ゴッスン! ゴッスン、ごっすん……」


  

 ずっとゴッスン砲を打ち続けているみたいだけど、結界は破れそうにない。それどころか、太助さんの魔力が落ちているような気がするぞ。早くした方がいいな。



「じゃあ、あそこに突っ込んで行くぞ!! もし、流れ弾が飛んで来たら、ミルネ頼むぞ!!」

「マユリン、任せて!!」



 俺達は、太助さん達がいる所に突っ込んでいくと、予想通りメルリの魔動砲は避けていた。

 よし、行けるぞ!!



「太助さん!! ゴレイアーさん!! 一旦、退却しましょう!! ここにミリちゃんがいる限り、向こうも下手に手を出せないから!!」


「分かりました! そうしましょう! よろしいですか!?」

「ゴッス~ン」

「よし、じゃあこのまま後退するぞ! って、あれ?」



 俺達が後退しようとした瞬間、メルリの魔動砲が止んだ。

 何だ? 諦めてくれたのか?

 

 俺はそっちの方に振り返ると、メルリは一歩下がり、まるで自分の役目が終わったみたいな素振りだった。

 うーん、なんか嫌な予感……。


 すると、ライムさんが前に出てきた。



「準備は完全に整った。これからが本番だ!」

「えっ!?」



 この俺の行動も計算通りって言いたいのか!? 



「お前達は、ミリちゃんを盾にして逃げるつもりだろう?」



 げっ! 思いっきりバレている!  



「残念だがそれはもう無理だ! 結界が全周覆ったから逃げる事は出来ない。さらに結界はどんどん範囲を狭めているから、逃げるどころか逃げ場もなくなる。だから今のように一カ所に集まってくれて助かったよ」



 という事は、あのまま俺とミルネで逃げていれば、少なくとも外に出られたかもしれないという事か……。やっぱり、穴掘って逃げるか? いやいや、別に逃げなくても、こっちにはミリちゃんという切り札がある。


 流石にミリちゃんに攻撃する事は出来ないはず……。



「確かに、このままだと結界に阻まれて俺達は敗北するだろう。しかし!! 俺の背中におられる方はどうする? 攻撃すればただでは済まないぞ!」


「ふっふっふー、心配しなくても大丈夫だ。お前達からミリちゃんを助けるつもりだ。今回の件はミリちゃんは関係ないからね」


「いやー、俺も関係なっ――」

「そんな純粋で、無垢なミリちゃんを利用したお前たちは絶対に許さない!!」



 えーーー!! そういう風に捉えていたのか!?

 確かに、さっきは盾にしようとしていたのは事実だが、だからと言って……いや、違う。


 以前、バーで魔王軍に襲われた後、ポンタからミリちゃんの過去の話を聞いた時に、カリバーとミリちゃんの姉のマリさん、そして、ベルリア学園と共闘したと言っていたから、ミリちゃんと仲良くしていた可能性は十分にある。


 だから、ダンロッパの作戦で、俺がミリちゃんを上手く利用して今回の悲劇になったと考えているんじゃないのか!?

  

 冗談じゃないぜ! こっちもアルシアを失うところだったのに!


 

「それは完全に誤解だ!! 俺達は関係なっ――」

「我々、ストレングスも関係ありません。ただ合同訓練に参加しようとしただけです」

「信用出来ない!! それに真由!! お前は魔王軍と接触していたと報告がある以上、信用出来ない! ダンロッパの命令かもしれないが」



 うっ、それは否定できない……確かに本当の事だけど、接触したくてじゃなく、成り行きでそうなっただけなのに……。



「あれは成り行きでそうなっただけで、こっちも必至だったし……だから、えーと」

「もういい、言い訳など聞きたくない!! すぐに終わりにしてやる! 結界を縮小しろ!!」



 すると、周囲の結界がどんどん俺達の方にゆっくりと動き始めた。その動きに合わせて、ライムさん達も歩いて接近した。



「フェルティングス! メルリ! 用意はいいな!? 行くぞ!!」



 フェルティングスは魔力を剣に込めて、魔法剣を振り上げた。メルリとライムは魔動砲打つ構えを見せた。


 今度こそ終わったな……。一か八かミリちゃんを起こした方がいいか?

お読み頂き、ありがとうございます。


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