表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/202

第131話 平和的解決はもう無理!?

 平和的に解決するとは思っていなかったが、暗殺とは穏やかではないな。

 これもダンロッパの仕業だと思うが、殺人までするとはもうただでは済まされない。


 でも、どういう経緯で俺達が犯人になったのか分からないが、誤解を解かないと収拾がつかなくなるぞ。とりあえず、ゴレイアーさんに心当たりがあるか聞いてみるか。



「ゴレイアーさん、なんか大変な事になってますけど、何か知っていますか?」

「全く身に覚えがありません。あなた達が何かやらかしたのではないですか?」

「Sランクを暗殺なんて無理で――」

「そうでしたね」



 どうやら何も知らないようだ。ということは、ダンロッパはストレングスを捨て駒にしたわけだな。

 でも、なんでだろう?


 俺に復讐したいのなら、わざわざストレングスを巻き込む必要があるのか? 

 ストレングスがいなければ、俺達はもっと窮地に立たされるのに……。


 もしかして、これはもう単なる復讐とかでは無く、ダンロッパの別の思惑があって、それにストレングスが利用されたんじゃないのか?


 でも、そんなことをしてあいつに何かメリットがあるのか?

 今はまだ分からないが、とにかく誤解を解いて戦闘を阻止しないと。



「ちょっと聞いてくれー!! 誤解だ!! 暗殺をしたのは俺達ではない!! そんなことするメリットもないし!」


「いいや、メリットはあるさー! お前たちはベルリアを支配したいんだろ! こちらの戦力ダウンさせる為に、専属魔法団と結託してデス魔法で暗殺を実行した! その後、お前達が前衛でさらに戦力を削ぎ落とせば、ダンロッパをメインとした3部隊は、余裕で勝てるもんな!」



 なるほど、そういう事だったのか。


 俺達がダンロッパの粛正に、ベルリア学園に協力を求めて向かったのをいいことに、デス魔法が使えるガムイにベルリア学園のオリンさんを暗殺させた。

 そして、俺達を犯人に仕立てるでなく、グルで行動しているように見せたわけだ。


 そんな事をされたら、協力どころか戦いになるし、ダンロッパからすれば、この戦いは都合の悪い者同士の潰し合いで、一石二鳥というわけだ。


 うーん、でも、そんなことをすれば魔王軍も、チャンスだと思って攻めて来そうな気がするが……。

 

 しかし、見方を変えると、誤解さえ解ければベルリア学園は俺達の味方になってくれる可能性が高くなるという事でもあるな。



「いや、俺達もダンロッパにハメられたんだよ!! それにそんな事をしたら、魔王軍に攻められる隙を与えるだけじゃないかー!」


「お前が魔王軍と接近したのは知っている! 何か密約したんだろー!!」

「いやー、そ、それは成り行きで、密約なんか――」

「もういい! 黙れ!! 」



 うわー、話しすら聞いてくれない……。

 しかも、なんか凄い誤解されている!



「お前達は、どうやって誘い込んだのか知らんが、ミリまで戦力に加えて勝った気になるなっ――」


「違う、ミリじゃなくてミリちゃん」 

 


シィーーーーーーン



 これまで一触即発の状態だったが、ミリちゃんのどうでもいい指摘で、時が止まったように静かになった。そして、ミリちゃんは眠たそうな顔で俺の横に立ち、目を擦っていた。

 


「おい、そんな事で話の腰を折るな!!」



 この状況でよく馬鹿馬鹿しい指摘が出来るよなぁ。余計に気に障ったらどうするんだ!? って、全然興味無さそうだ。ミルネなんて俺の後ろに隠れておどおどしているのに。



「そうだったな、ミリちゃんだった」



 スゲー! 言い直した!! 向こうもミリちゃんの事をよく知っているようだ。



「お前たちが、暗殺後すぐに攻めて来なかったのかは知らんが、そのお蔭でこちらも色々と準備が整えられてねー、卑怯かもしれんが、楽に勝たせてもらうぞ。お前達が掟を破ったのだからな!」


「ちょっと待って!! せめてこちらの言い分だけでも聞いてくれよ!」

「もう遅い! 見ろ!! これが対魔王軍用に研究して完成した結界魔法! ベルテックバリア!!」



 すると、オーロラのような魔法結界が、俺達とベルリアの間に空高く現れた。

 バリアと呼んでいたから、この結界はどういうものかは想像が付く。



「お前達、覚悟するがいい。メルリ!!」

「殺されたオリンとは親友だったんだよねー。だから容赦しないよ!! 魔動連破!!」

 


 金髪美女のメルリが一歩前に出ると、魔動砲を連打で打ってきやがった。

 これは以前にアルシアが使っていた魔法と同じだ。



「本当容赦ないな! もう少し距離を取ろう!! ミルネ! ミリちゃん!! ここを離れるぞ!」

「マユリン、怖いよ」

「俺も怖いぞ。ミリちゃんは……って、立ったまま寝てるー!!」



 この尋常ではない状況でよく寝ていられるな!! ミリちゃんからすれば、興味の無いことなんだろう。


 でも、ミリちゃんが眠ってしまうと、もう無敵モードが使えなくなる。それどころか、ミリちゃんをおんぶして俺が守らないといけなくなった!


 最悪だー!!



「俺がミリちゃんをおんぶするから、もし、敵の攻撃が来たら、ガード出来るか?」

「保障は出来ないけど、剣で何とかしてみるよ」



 ストレングスの人達は、もう臨戦態勢を整えつつあるし、放っておいても問題無いだろう。



「行くぞゴッスン!! ゴッスン砲!!」



 太助さんは、魔力を纏わせた張り手のように魔動拳を打ったが、この技は接近戦のはずだが、衝撃波みたいに魔力を飛ばしていた。


 これはもしかして、魔力を飛ばす魔動砲に、威力を増す為に魔動拳を連動させているのか?

 しかし、その攻撃も結界に達すると、一瞬光って砕け散った。



「ゴッスン?」



 Sランクの攻撃も防ぐのかよ! それなのに向こうが打ってくる攻撃は難なくすり抜ける。

 これはチートバリアだな。


 太助さんの攻撃の後、メルリは無差別に魔動連破を打っていたのを、太助さんの方にターゲットを絞った。それに対して、Aランクの人達が太助さんを守るように攻撃を防いでいた。



「これならどうだゴッスン! ゴッスン連破!! ゴッスン! ゴッスン! ゴッスン!」



 おお!! さっきの強力な張り手を交互にして、連続で出している。しかも、Aランクがメルリの攻撃を防いでくれるから、安心して技を出せるいうことか。



 でも、それでも結界は破れない。


 これはもうジリ貧でいずれこちらの魔力が尽きれば即終了だ。そうなれば、ベルリアは無傷の勝利になる。これでもし、ダンロッパの討伐隊が攻めて来ても対応出来るというわけだ。


 でも、討伐隊マジックテックのように『降伏の魔力印』だけで済めばいいが、あの様子だと隊長の首を取られそうな雰囲気だから、絶対に負けたくない。


 なら、あの結界をなんとかしないと勝機は無いだろう。


 そこで、俺のMPCの出番じゃないか? 

 物理攻撃なら破れるかもしれない。

お読み頂き、ありがとうございます。


気に入って頂ければ、ブックマークや↓の☆をクリックしてくれますと、モチベーションが上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ