表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉄壁のギルガⅣ ~リンゴール戦記Ⅱ~  作者: 金剛マエストロ
34/34

終 ~集結~

武闘大会が終わり、鉄壁メンバは・・・

 武闘大会は、最終日、焔龍(えんりゅう)エルドレットの乱入という想定外の事態が起こったものの、結果的には人的損害はほとんど皆無(かいむ)であり、大成功のうちに終了した。

 鉄壁メンバは、リーリアとエンゲは本戦で一勝し、それぞれ大金貨五枚を得、残りのメンバとゴドー、クーナは大金貨十枚を手にすることになった。

 ちなみに、大金貨五枚ともなれば、平均的な一家が半年は暮らしていける金額だ。

「さて、昇級も内定して、懐も暖かい。

 未来の上級冒険者パーティである鉄壁さんたちは、これからどういう予定でいるのかな?」

 出会った頃と比べれば、随分と言葉が増えたゴドーが尋ねる。

「そうですね。

 上級ともなれば、受けられる依頼も多くなります。

 だから、今後はもう少し難しい依頼を受けて、一つ一つ、着実にこなしていきたい・・・と、言うところですが・・・」

 応えるギルガが、隣にいるリーリアを見やる。

「なんだかんだ言って、わたし達って、まだまだ冒険者としての経験が足りないと思うんですよね。」

 ふぅと、ため息のリーリア。

「リンゴールを拠点に、近場の依頼をこなしていくのも一つの方法ですが、資金に余裕のある今だからこそ、リンゴールから離れてみたいと思ってるんです。」

 そう言うギルガは、リンゴールからはあまり遠くない、北方の村の出身であり、リーリアは生粋(きっすい)のリンゴールっ子だ。

 辺境域では比較的大きな街であるリンゴールだから、リンゴールと近隣の町や村が生活圏のすべてである住人の割合は、七割から八割というところだ。

 冒険者と言えば、旅から旅の根無し草と思われがちだが、実際のところ、土着の冒険者と旅暮らしの冒険者の比率は、わずかに前者が優勢だ。

 短期間で上級に昇格(確実な)鉄壁パーティが、さらに経験を積むために旅に出るということは、それなりにまっとうな成り行きではある。

「まだ見ぬ大地、まだ見ぬ冒険を求めて旅に出る・・・か。

 浪漫(ろまん)だな。」

 そう言って口元を歪めてみせるゴドーだが、それは嘲笑(ちょうしょう)と言うよりは、悪巧(わるだく)みを巡らせている少年のような笑みだった。

「浪漫!

 そんな言葉が、ゴドーさんの口から聞けるなんて!」

「おいおい、俺を枯れた老人みたいに扱うんじゃない。」

「いやいや。わたしは、そこまでは言ってませんよ~。」

 無邪気なリーリアの言いように、ゴドーは苦笑いするばかり。

「若いコって、それだけで徳よね。」

 思わずつぶやいたのは、クーナ。

 どうも、先日の打ち上げ会以来、リーリアを敵視しているようだ。

「・・・で、ものは相談なんですが、僕等と一緒に旅に出る気はありませんか?」

 リーリアとクーナの確執(かくしつ)に敢えて被せるように、ギルガが尋ねる。

「俺を、誘ってくれているのか?」

「僕等の力不足は承知の上で、旅のサポートをしていただければ、こんなに心強いことはありません。」

 ギルガの真摯な眼差しに、

「俺で良ければ。」

 ほとんど反射的に応えたゴドーだった。

 ゴドーの返事に満足げに頷いたギルガは、さらにクーナの顔を向けて、

「クーナさんも、一緒に来ませんか?」

「え?わたしも?」

「クーナさんも一緒なら、嬉しいです!」

 先ほどまでの険悪な雰囲気など吹き飛ばし、リーリアが裏表のない笑顔で叫ぶ。

「確かに。

 剣士としての技術は申し分ないが、今後、冒険者として独り立ちするためには、実地の経験は必要だろうな。」

「それは・・・確かに、思っていたところだ。」

「それって・・・賛成ってことですよね!」

「いや、まだ、参加するとは言ってないだろう!」

「え~っ?一緒に行くの、イヤなんですか?」

「イヤとは言ってないだろう、イヤとは。」

 そう言いつつ、チラリとゴドーを見やるクーナ。

「なぁんだ、それなら参加、決定ですね。」

 もはやクーナが拒絶するとは、毛ほども思っていないリーリアの満面の笑みに、クーナはガックリと肩を落とし、

「リーリアには、負けたよ。」

 あまり口惜しそうな顔をしてはいない、クーナだった。

かくしてゴドー、クーナを加え、ビステテューが脱落した形で、鉄壁パーティのメンバが揃いました。

そして、彼らの最初の修行の旅は・・・程なく語られることになるでしょう。

それではまた、いつか、どこかで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ