32 ~酒宴~
戦い済んで・・・
「結局、決勝を待たずに全滅なのね。」
最年少のシャーナの言葉に、
「面目ない。」
「あぁ、まったくだ。」
自嘲を込めて、最年長のエンゲとニナが応えた。
武闘大会最終日まで三日を残し、全員が本戦敗退した鉄壁メンバとゴドー、クーナを含めた七名は、鉄壁パーティの常宿に集合している。
「わたしとエンゲさんだけなんですよねぇ。
本戦で一回も勝てなかったのは。」
ぶどう酒をちびちびと飲みながら管を巻いているのは、リーリアだ。
ちなみに、神職のリーリアではあるが、神官の飲酒は特に禁止されてはいないとのこと。
「そうは言ってもな。
知り合いだからと言って、あからさまに手を抜くわけにもいくまい?」
クーナの手にも酒盃はあるが、リーリア程には、酒に呑まれてはいないようだ。
「それに、せっかくの機会だ。
力の差を見せ付けておくのも、悪くはなかろう。」
「あれ?
特別ルールでは負けてたって、言ってませんでしたか?」
意地悪げな笑みを浮かべるリーリアに、
「い、いや、それはだな・・・」
あたふたと動揺するクーナに、ずいとリーリアは顔を近づけ、
「まぁ、赤くなっちゃって。
か~わ~い~い~。」
むちゅうと、音を立ててクーナの頬に吸い付くリーリア。
「ちょ、おま、やめ・・・」
リーリアに伸し掛かられ、止む無くゴドーにしなだれかかってしまう、クーナ。
不意のことで固まるゴドーに、
「ご、ご免なさい、ゴドーさん。」
「い、いや、俺は別に、このままでもいいんだが・・・ゴホン。」
「こんの、酔っ払い!」
ガツン!と、クーナは、リーリアに頭突きを食らわせる。
「ふにゃぁ~」
クーナの胸の中に倒れこむリーリアだが、なぜかその両腕はクーナの背中に廻され、クンカクンカを鼻を動かしている。
「クーナ姐さん、いい匂いがするです~」
「こいつ、防御魔法を展開してたのか?」
グリグリと頬を、クーナの胸の谷間に押し付けるリーリア。
「クーナ姐さんて、着やせするタイプなんですねぇ。
せっかくのおっぱいが、もったいないですよぉ。」
そのうっとりとした声音が、あまりに幸せそうで、もはや誰も、リーリアの乱行を止められず・・・
対照に、げっそりした顔で、リーリアを受け止めていたクーナが、
「・・・あれ?寝てる?」
すぴーと、平和な寝息を立てているリーリアを、苦虫を噛むような表情で見下ろすクーナ。
「こんなに酒癖が悪いとは聞いてなかったわ。」
「いつの間にか、随分と懐かれたもんだな。」
「懐く?
確かに、悪意は感じなかったけど・・・」
「甘えたかったのかも。」
ポツリと、つぶやくシャーナ。
シャーナとしても、リーリアの痴態は想定外だったが、リーリアの気持ちは理解できるような気がしていた。
「リーリアもわたしも、両親がいないから。」
「そうなの・・・って、わたしはそんなオバサンじゃない!」
クーナの悲壮な叫びが、リンゴールの夜空を突きぬけていった。
毒舌魔法使いのシャーナ:次回で終わりなのね。
天然神官のリーリア:なんか、あっと言う間でしたね。ところで、昨日の夜の記憶がないんだけど・・・
毒舌魔法使いのシャーナ:ずいぶんとお楽しみだったわ。ポッ
天然神官のリーリア:えっ?それって、どういう意味?ねぇ、お願いだから教えて~(泣)




