表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉄壁のギルガⅣ ~リンゴール戦記Ⅱ~  作者: 金剛マエストロ
27/34

26 ~剣技~

ゴドーの対戦の相手は・・・

 その所作(しょさ)は、古馴染(ふるなじ)みであると同時に、最近も良く目にした光景だった。

 略式ではあるが、正式な騎士の試合開始の儀式だ。

 アルフの長剣が、天を突いて自身の眼前に(かざ)される。

 知らず、ゴドーもそれに応えていた。

(あれから、二十年以上も経ってるのか・・・)

 ゴドーの脳裏に、壮年の騎士の顔が浮かんでくる。

 回想に沈みかけた意識を、切り裂く殺気。

「くッ!」

 仰け反(のけぞ)るゴドーの胸元を、アルフの長剣の刃が(きらめ)めき、通り過ぎた。

 遅れて叩きつけたゴドーの長剣を、アルフの長剣の(つば)が受け止める。

 間近で交錯する二人の視線が、静かな火花を散らした。

 ほぼ同時に、二人は後方に飛び退(すさ)る。

「やっぱり、剣も相当使えるんですね。」

「そう言う君こそ、かなりの鍛錬を積んだ剣筋に思えるが?」

「残念ながら、僕のは我流です。

 ゴドーさんの方は、クーナさんと同じ、王宮剣技の流れを汲んでいるように思えますが・・・」

「古い話さ。」

「せっかくの機会です。

 このまま、もう少しやり合いませんか?」

「そうだな。

 まぁ、いいだろう。」

 改めて、構えを取るゴドー。

「騎士としてのゴドーさんを想定して打ってみた剣ですが、どうですかね?」

「長さ、重さとも申し分ないが・・・」

 軽く剣を振ってみせ、

「重心が、手元寄りになってるんだな。」

打突力(だとつりょく)よりも、取り回し重視です。

 もっと軽くもできますが、扱い慣れた重さに近い方がいいかなと。」

「うん、悪くないな。」

 試合の直前、いきなりアルフから手渡された長剣だと言うのに、しっくりと手に馴染む。

 まるで、長らく使い込んできた相棒のようだ。

(なる程、クーナが肌身離さず手元に置きたがるわけだ。)

 今となっては、長剣は武具の一つでしかないゴドーとは対照に、生粋(きっすい)の騎士だったクーナであれば、尚更(なおさら)だ。

 たまさか騎士との(えにし)を得たゴドーとは違い、王国を守る(つるぎ)となることを目指し、短期間ながらもそれを実現させたクーナの、武具への思い入れは深い。

 自ら望むところではなかったものの、再び剣を手にすることになったクーナを、可能な限り助けていきたいと願うゴドーだった。

 それ故、今まで敢えて回避してきた特級冒険者への昇格を目指しているのだ。

 そのためには、武闘大会で実力を発揮しなければならない。

 優勝は無理としても、できれば本戦を勝ち上がり、四傑(よんけつ)に残ることができれば・・・

 ゴドーの目前に立つアルフは、特に目立った特長もない、どこにでもいるような普通の少年だ。

 だが、武闘大会本戦のこの場に立っていることが、そんな見かけの平凡を裏切っていた。

 もっとも、アルフの非凡なる才能の特異の部分は、卓越した剣技などではなく、鉄壁メンバに連日提供されている武具や防具に、より強く発揮されている。

 実際、目立たぬように装備されているゴドーの手甲(てこう)脚絆(きゃはん)帷子(かたびら)などは、武闘大会に先立って、アルフ手ずから渡されていたものだった。

 さらに、ゴドーが普段から愛用している蛮刀やダガーは、もっと前に(しつら)えてもらったものだ。

 アルフという少年を、信頼はしているが、依存はしたくないゴドーとしては、何もかも頼り切ることは避けたいところだった。

 しかし、気がつけば、主な装備や武具は、ほとんどアルフが用意したものに置き換わっていた。

 もっとも、アルフ曰く、『理想の防具、武具に到達する手段の一つ』なのだから、気にすることはないとのことだが、ゴドーが今まで稼いできた金貨のすべてをもってしても入手不可能と思われる業物(わざもの)を、こともなげに他人に預けるということの価値を、本人だけが分かっていないように思われる。

 我知らず浮かんだゴドーの笑みを、アルフはどう解釈したものか。

「気に入って貰えたなら、何よりです。」

 アルフの瞳に、静かな闘志がゆらめいている。

 誘われるようにゴドーの剣が(ひるがえ)り、アルフの剣に交錯した。

 数合の打ち合いの(うち)に、ゴドーの雑念は、武闘場の大気に霧散していった。

毒舌魔法使いのシャーナ:(アルフくん、すごい・・・)

天然神官のリーリア:(シャーナって、意外とオジン趣味だったり?)ウフフフ

男前ドワーフのニナ:(まさか、思わぬライバル出現か?)ワクワク

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ