表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉄壁のギルガⅣ ~リンゴール戦記Ⅱ~  作者: 金剛マエストロ
25/34

24 ~石礫~

武闘大会五日目本戦の七戦目、戦うのは・・・

「そう言えば、ボクらが対峙するのは初めてだね。」

「ああ。」

 普段通り、柔らかなエンゲの言葉に、ゴドーは短く応えた。

 武闘大会五日目、剣術の部本戦の七戦目。

 武闘台の上に対峙(たいじ)するのは、エンゲとゴドーだった。

「さて、ボクらも何か、勝利条件を設定しようか?」

「そうだな・・・そちらの希望はあるか?」

「う~ん。

 遠距離攻撃のみとか?」

「ああ、それで構わない。」

「それじゃ、始めるよ!」

 言いざま、エンゲは素早く矢を(つが)え、

(いないッ?)

 エンゲの首の後ろに、チリチリと刺激が(はし)る。

「くッ!」

 横に転がるエンゲの視界の端に、武闘台の表面で()ぜる石礫(いしつぶて)が捉えられる。

 ほとんど勘に任せて、エンゲは愛用の長弓から矢を放った。

 幻影のように揺らめき、地を滑るゴドーの気配。

 実はこの時、観客からは、最初の場所から一歩も動かないゴドーと、明後日の方向に射掛けるエンゲの姿が見て取れる。

 つまり、エンゲの独り相撲の様相だ。

 とはいえ、ここまで五日間、様々な戦闘を見守り続けてきた観客たちは、武闘台の上に見えている景色がすべてとは思っていない。

『あれは実像なのか?』

『エルフには、何が見えているんだ?』

 走り回りつつ、エンゲは気がつくと、舞台の縁近くに追い込められていた。

(逃げ道を断った?

 いや、向こうも動きが限定される筈だが・・・)

 そう思ったのもつかの間、エンゲを押し包むように、三方から放たれる礫。

(逃げ道は上だけか!?

 いやッ!)

 武闘台を蹴るエンゲ。

 その身体は、武闘台の外に飛び出したが、

(見えたッ!)

 やはり、ゴドーの術は効果範囲があるようだ。

 武闘台の反対側の縁に(ひざまず)いているゴドーの姿が一瞬見えて、すぐに消えた。

(人型に魔力を放って、感覚を惑わせているのか。)

 魔力に敏感なエルフ故に、どうしても魔力の流れに過敏に反応してしまう。

 その一方で、実体の方の気配を消しつつ移動すれば、エンゲには、ゴドーの姿を捉えることができない。

(一旦捉えたなら、もう、逃しはしない!)

 魔力の流れを注視するのではなく、魔力も実体も同時に感知しつつ、すべて対応する。

(ボクにできるか?

 いや、できなくてもやるッ!)

 ゴドーの動きとは対称に、エンゲは走る。

(来る!?)

 先刻の倍の数、そして速さを増した石礫が迫り来る。

(瞬間加速!)

 エンゲが身につけている、無音詠唱可能な魔法の一つが、エンゲの足を加速する。

(回避したッ!)

 反撃の矢を放とうとする、エンゲ。

 しかし・・・

(何ッ!?)

 空中で弾ける、石礫。

 それを砕いたのは、後を追うように放たれたダガーだった。

「うわっ!」

 何とかすべてをかわしきったエンゲの目前に、魔力を帯びたダガーの先端が(きらめ)く。

「もう少し早く、決着がつくと思っていたんだがな。」

 動けないエンゲに、もはや戦意が皆無であることを見て取って、ゴドーはダガーを引いた。

「ま、参った!」

 遅れて尻餅(しりもち)をつく、エンゲ。

 戦意とともに、足腰の力が抜けてしまっている。

「ふむ。

 負傷はしていないようだな。」

「そう言う君こそ、無傷って言うのは、ちょっと(しゃく)だな。」

「一応、冒険者としては先輩の俺が、そうそう無様(ぶざま)な醜態を(さら)すわけにはいかないだろう?」

 そう言って差し出すゴドーの手を取り、エンゲが立ち上がる。

「これでも、少しは腕を上げていると、自負してたんだけどね。」

 表情も口調も、いつものエンゲに戻っている。

 どんなにへこたれていても、立ち直りだけは異常に早いエンゲだった。

残念エルフのエンゲ:うん。悪くないじゃないですか。

恋する中年のゴドー:素材はいいんだから、工夫は大事だよな。

毒舌魔法使いのシャーナ:~♪

男前ドワーフのニナ:なんだよ、気に入ったんなら、怒ることないのにな。

天然神官のリーリア:いろいろ微妙な年頃なんですよ。シミジミ

エンゲ・ゴドー・ニナ:(そう言うお前もな。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ