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羽化

私は乖離してる。

俺は浅ましい。

ああ、どうか。

どうか今日も人間に見えますように。

空腹を誤魔化せますように。

あア欲しい。

食べたい。

食べたい、食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい。


「さぁ、ナイツ・ゲームにようこそ」


セルファ、寵愛者、私たちの対極。

関係ない。

私はアスレイを食べたい。

アスレイの血を啜りながら絶望し切った顔に甘言を囁きながら食べ尽くしてしまいたい。


「ったく、どうすれば良いんだよコレ」


形式上の台詞。

セルファが暴走したところで俺は死なない。

がーアスレイは死ぬ。

それは最低だ。f⚫︎ck

生き餌が、欲しい。

羽化したい。


魔獣としての本能のままにアスレイを貪り尽くしたいのだ。


◆◆◆


今、取り留めの無い記憶を思い出した。

俺の最初の友人の事だ。

その少年は、俺を前にして酷く怯えた目をしていた。

あの時、何と言ったのだか…そう、確か俺は化け物だから近付くなだったか。

俺は他人が欲しかったからそいつに対して無警戒に擦り寄って犬みたいに媚びた。

それで、あの日ー。


◆◆◆


「なあ、アスレイ」

「何だよ」

「ひとつこくはくしたいことがある」


そいつは唐突にそう切り出した。


「おれたちって親友だよな」

「とうぜんだろ?」


「じゃあ、おれの『いきえ』になってくれよ」


「『いきえ』?」

「おれ、まじゅうなんだ。まじゅうは人を食べないと生きれない。ただ、れいがいはある。だれかを『いきえ』にすればその人はそのまじゅうにたいして食われても死なないし、きずは治る。そのかわりにつねにアスレイの場所やけいけんはおれにつつぬけになる」

「おれを食べるのか?」

「食べたい」

「食えば良いだろ?親友なんだし。良いよ、おれを『いきえ』にしろよ」




「アリスタ」



◆◆◆


グラウンドに暴虐が吹き荒れる。

もう分かっている、セルファの暴走は止められない。

最早、これはナイツ・ゲームでは無かった。

俺は吹き飛ばされながら過去を思い出していた。


「ころす!ころすころすころすッ!!」


それが正解かは分からない。

けど、こう叫べば良いと直感が伝えていた。


「アリス!!俺を喰え!!!」

「!?…ああ。喰わせて貰うぜ」


アリスタは…アリスは恐ろしいスピードで俺に近付き、


俺の喉元に食らいついた。

包帯が取れ蠢く皮膚を視認する。

蠢く皮膚はやがて裂けー蛹が羽化するようにその魔獣は姿を現した。


「ありがとうな。アスレイ」

「あと、で、説明しろ、よ」

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