表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/28

スイッチ

「なあ、今日一日で理解したけど大分腫れ物扱いだな相棒」

「俺が今日一日で分かったのはお前の異常性だけだよ」


下校時刻、俺たちは何時もの河川敷を歩いていた。

夜とは違い沈んでゆく陽光を見据えながら徒歩でトボトボ歩くのはそれなりに趣深いと個人的に思っている。


今日分かったアリスの異常性。

それは先ず、そもそもこの時期の転校と言う点だ。

しかもピンポイントに俺のいる学校に。

これが異常ではないとするならば俺の異常の概念は崩壊するだろう。


「謎の多い女は嫌いか?」

「嫌いじゃねえよ。メンヘラはご遠慮だけどな」

「そっ、か。じゃあ、こんなのはどうだ?」


サァッと風が凪いだ。

何だか風に紛れてアリスが何処か知らない場所に連れ去られてしまいそうな気がして冷や汗をかいた。

知っている。

スイッチだ。

このアリス・アクィナスと言う少女は相棒と誰かさんの二人で構成されている。主体は何方かは分からないが。


「え、あ、あの…」


目の前にいるのは不敵な相棒じゃない。

アリスと言う純な女の子。


「あ、アスレイさん?あんまり見ないで下さい…」


頬を赤らめてモジモジとする。

やっぱり女の子なんだな。

……。


「アスレイさん、何か変な…ヒッ!?」


その時の俺の顔。

欲情した豚?

違う。

忿怒を抱えた修羅?

違う。


ただの能面。

冷たい表情しか映さない、虚ろなモニター。

俺は感じていた。

俺はやっぱり最低な人間らしい、と。

俺が欲しいのは女の子じゃない。

共犯者でありファントムだ。

俺を高める道具。

そう、道具だ。

その点相棒は良かった。相互に利用している…互いにペイバックを要求できる関係だった。

俺は高みを目指す為に相棒を利用して、相棒は俺に一切の情報を秘めながら俺に加担するその癖俺の性質を看破し尽くしている。清く正しい関係。


「スイッチだ」

「ぇ、あ?」

「聞こえなかったか?スイッチだ」

「ぃ…っ!」

「早くしろ、スイッチだ」


だから、この純な少女はとても腹立たしいし、苛つく。

どれほどの言葉を尽くせばこの嫌悪を示せるだろうか。

それに…ああ、そうだ。

狂ってない。

俺には頭のネジが外れたイカレポンチがお似合いだ。

そのくらいじゃなきゃ釣り合わない。


「いや…そうか。中々悪趣味だな。相棒」

「あ?バレたか?」


純な少女の顔は無い。

ニタニタと笑うその顔は間違いなく相棒のもの。


「今度やったら泣かす」

「テメェも大概メンヘラじゃねえかよ」

「煩え」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ