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約束

今回はかなり短い…

「なぁ、なんで心中なんだ?心中って言えば曽根崎心中みたいな…高尚な愛の美学みたいなものがあると思ってた」

「…死に美学なんてあるかよ。心中は結局死だ。愛なんかじゃ断じてねえよF⚫︎ck」


俯き加減で答える黒スケはどことなく悲しげでもあった。

何だか急激に死ぬ気が失せてきてしまった。

簡単に言えば萎えたのだ。

その代わり一つの欲が現れた。

また話したい。

興味本位で無粋だが、どうにも放って良いものではない気がしたのだ。


「…死ぬ気が萎えた。どうしてくれる?」

「奇遇だな。俺もだよしけ面」

「責任取って明日も、明後日もこの時間に此処に来い」

「しけ面の癖に生意気だな。良いぜ?乗った」

「黒スケを見ると萎えるからな。明日も明後日も俺は生きたい。だから、その為に俺は黒スケと話がしたい」

「随分と自分本意だなShit」


黒スケは嘆息すると俺が奪ったナイフチョコを引ったくり真ん中からバキリと二つに折った。


「ん」

「寄越せって言ったからな。有り難く頂こうか」


いつもの河川敷。

いつもと違ってチョコを齧る俺。

いつもと違って隣に座る黒い女、と黒いチョコ。


暫く振りに甘味を感じた。

暗闇の中ですら色付いて見えた。


「駄菓子」

「あ?」

「黒スケに奢られたままは癪だ。明日は駄菓子を奢る」

「そりゃあ良いや!!」


気分は雛に餌を与える親鳥のよう。


…例え黒スケの皮膚に巻かれた包帯が痛々しくても。

いや、厨二病なだけか。

それでも、逃げる理由になればいい。


「黒スケ、そういやお前帰る家はあるのか?」

「んな上等なもんはねえよ馬鹿。あんのは精神病棟のベッド、そんだけだ」

「それ逃げる意味あるのか?」

「まぁ、逃げるってより深夜徘徊癖だな。しないと治らねえから見兼ねてって事だ」


どうやら黒スケは見た目通りヤバイやつらしい。

まあ、どうでもいいが。


「明日も会おうな」

「おうともよ」


握手の代わりに拳をぶつけ合う。



ここから何かが始まる予感がしたー。

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