第0章 ~異世界~
第0章
~異世界~
異世界。
それは、人々が、自分たちが生活している中で生活を分類する際、自分たちが属する世界の外側の世界を指す。
現実とは異なった法則や常識で構成され、現実よりも優れた可能性や技術を持った世界。
現実では不可能というべき技術を持った世界とも言えるであろう。
しかし、それは人々のお伽話に過ぎなかった。
ある人は『非現実的』だと否定をし、ある人は現実性がないからこそ『神秘的』だと肯定した。
しかし、その存在を明らかにできる証拠など何処にもなかったのだ。
まだこの頃は。
現実には存在しない、人々の空想や妄想で練り上げられた世界、と呼ばれていたのは何時だったか。
月日が経つにつれて、化学技術も進化を遂げ、比較的便利な世の中となった頃、少しずつその存在は確かなものへと変わり始めていった。
そして現在。
異世界という存在が証明され、完全に明らかになった今でも、まだその存在を知らぬ者や、認めようとしない者も多くいる。
しかし世界は確実に異世界との共存が遂げられていたのだった。
そんな中、異世界から来た少年とそこから始まる物語が今、幕を開ける。