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紫苑穢国のエトランジェ  作者: 葛葉狐
第三章    天帝の御世    《紫緋紋綾》

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第四一六話    〈傭兵師団〉と〈第一二航空艦隊〉 後篇




「第一から第三の航空艦隊を動かさない理由は最大の脅威である帝国に対する備えと公表されていたと思うが?」


 フルンツベルクは眉を顰めるものの、心当たりはあった。


「そう、実に立派な建前だ。しかも、協商国にも共和国にも錬成途上の航空艦隊を派遣する。傍目に見れば、それで十分と判断した。そう取れるだろう。勿論、実情は他国の財布で錬成をしたいという下世話な理由だがね」


 合理的とはいえ、とフルンツベルクとしては思わないでもないが、連合王国と共和国、 協商国……他国への練成途上の航空艦隊派遣の中で連合王国への〈第一二航空艦隊〉 だけ毛色が異なる。予算も自国からであり積極的な攻勢が求められる。


 本来、その任務は錬成完了した航空艦隊に任せてしかるべきものである。


 他国への航空艦隊派遣の決定が頻発した為、フルンツベルクとしてはその流れの一環であると考えていた。


 しかし、バルトシュタインの見解は異なる。


「錬成済みの航空艦隊を手元に残す点を、中央貴族は改めて天帝陛下が今一度、国内で内戦を起こす事を躊躇わないと認識しただろう。肝が冷えるのは勿論、警戒心と反発も招いているだろうねぇ」


 いやいや、内憂極まりない事だ、とバルトシュタインが嘯くが、フルンツベルクは果たしてそうだろうか?という感想を抱く。


「ああ……その辺りへの警戒もあるだろうな。いや、激発を期待しての事やも知れん。胡乱な貴族など御取り潰しとしてしまいたいだろうからな」


 中央貴族も含めた各貴族は領邦軍の削減が為され、兵力の大部分が陸軍へと吸収された事により軍事力の大部分を喪った。これにより現状を打開するには貴族としての権力、血縁、財力といったものを利用してのものとならざるを得ない。それはトウカが弱い部分であるものの、トウカが敢えてその舞台に立つ冒険をしないだろう。


 とは言え、フルンツベルクに読めるのはそこまでである。


 敵に、その辺りに詳しい白兎に視線を向ける。


「ミラン中佐、その辺りの政治の動き……何か掴んでいるか?」


「……些か話が逸れている気も致しますが……銃後の不安定は飛び地に派遣された我々の輜重線にも関わる話ですか……そうですね」


 ミランは右の耳を折り曲げ、致し方ない、と思案する。


 バルトシュタインが意味有り気な視線を向けてくるが、フルンツベルクは鼻を鳴らして一蹴する。随分と可愛い御目付け役が来たものだ、辺りの言葉を言いたいのだろうが、フルンツベクとしては迷惑な話であった。力量があれば容姿など取るに足らない話であると彼は考えているが、余りにも小さい身形のミランは大柄のフルンツベルクとしては気を遣う部分もある。伴って歩くにも歩幅が異なるのだ。 小脇に抱えてしまいたい衝動は常にあった。


 ミランは、うむむ、と唸っている。


 フルンツベルクは腕を組み、隣のミランを見守る。バルトシュタインは何処か愉し気である。


「……恐らくですが、大きな問題とはなっても、我々には影響はないかと思います」自信があるのか、ミランの耳が揺れ動く。


 軍人が政治を勘案する事が常態化している様で、フルンツベルクには健全ではない様に思えるが、最早、皇国の現状は軍隊が国家を形成しているに等しい。良し悪しを語る段階は疾うに過ぎていた。


「現在の中央貴族が兵力を合しても精々が五個師団が関の山でしょう。しかも、指揮権も練度も装備も大きく異なるのです。それは彼らも理解している事でしょう。そして、天帝陛下も理解しておられる」


 軍事衝突を行うには彼の戦力差が在り過ぎる。


「中央貴族は政治面で打開を図ろうとするけど、陛下は軍事力を持ち出そうとする、という事かな?」


「はい、ですが、天帝陛下が軍事力を国内勢力に振るうには相当の大義名分が必要となるかと。それを中央貴族が理解せぬ筈がありません。少なくとも中央貴族全体としての激発はないかと思います」


 道理である。理由なく国内勢力に軍事力を行使するなど最早、暴君の所業である。 既に片足を暴君に突っ込んで久しい様にも見えるが、フルンツベルクの見たところ、トウカは即位以降は体裁を気に掛けている。少なくとも取り縫う力量があり、その必要性は理解しているのだ。


「とは言え、進退窮まれば、或いは採算が合うと見れば、大義名分なくとも再度の内戦を決断なさるでしょう」


 ミランの内戦という言葉に、フルンツベルクは天を仰ぐ。


 次は圧倒的優勢の側に立つ事になるという奇妙な状況だが、現在の任務を踏まえればその渦中に身を投じる機会は恐らくない。


「……内戦再び、かい?」


 司令部要員の周囲の騒めきを無視し、バルトシュタインは胡乱な目をしている。


「中央貴族が政略にて老獪なる事を、陛下は理解しておられるだろう。やはり戦に持ち込むのではないか? 有利な状況で決戦をする。軍人ならばそうするだろう。何も相手の得意な舞台で争う必要はない」フルンツベクとしては有り得る事であると見た。


 相手の優位性を潰すのは軍事の基本である。そして、トウカはその点に於いて情け容赦がない。


「しかし、大義名分なくば荒れるだろう。他地域の貴族も当代陛下に対して慣れ始めたところであるというのにね」バルトシュタインが嘆息する。


 内戦以前より陰でマリアベルと連携していたと言われかねない過去がある西部貴族の立場としては厳しいものがある。トウカを危険視したところで、他地域の貴族から猜疑の眼の数が減じる訳ではない。


 隠蔽に偽装、政略上の偽りは誇りを受けるものではない。とは言え、西部貴族が今更、中央貴族に与しても勝算はない。覚悟を決めてトウカを積極的に支持するならば良いが、再度の内戦を目にしてはその気概を持つ事は困難だろう。無論、表面上は支持するであろうが、胸中では不安が渦巻く事は間違いない。


 しかし、ミランはそうはならないと見ていた。


「大義名分なら御座いますよ」


 その言葉に、室内の全ての者の視線がミランに集中する。


 ミランは呆れていた。


「ヴァレンシュタイン上級大将暗殺未遂事件」


 無数の呻き声。道理である。


 フルンツベルクは〈傭兵師団〉の師団長であり、今は陸軍所属であるが陸軍軍人としては日が浅く北部の者であるという意識が強い。バルトシュタインに関しても陸軍軍人という立場となったのは最近であり、当人は西部貴族としての意識が先行していた。 対するミランは平民出身の陸軍将校であり、その軍歴は陸軍にしかない。陸軍大学入学から数えて一五年を超える。転籍せず相応の経歴があり陸軍への帰属意識がある軍人からすると、ヴァレンシュタイン上級大将暗殺未遂事件と中央貴族の排斥が繋がるのは然して珍しい考えではなかった。


「中央貴族を勧めて御取り潰しとする大義名分となりましょう。真実はどうあれ、大義名分として利用する事は容易く、此れには陸軍も賛同せざるを得ない」


 陸軍は暗殺未遂に激怒したのだ。身内が攻撃を受けた事もあるが、それ以上に国防に関わる問題であるという意識が強い。国防への妨害という認識。


 もし、その状況で他国からの侵攻があれば、ヴァレンシュタイン上級大将隷下の〈装甲軍集団〉は人事不省に陥り即応できない可能性もあった。幾ら軍隊が階級によって次席が厳密に決められていると言えど、突然の人事不省を完全に補える訳ではない。


 陸軍は国への攻撃だと看做した。この際、暗殺未遂の相手が下半身の緩い北部出身の困った若造である事は問題ではなく、陸軍の有力な戦闘単位(ユニット)を預かる者である事が問題なのだ。面子に関わるなどという単純な話に留まらない。


 陸軍は高官を暗殺され掛けたのだ。そして、実行犯の背後で糸を引いているのは中央貴族と見ている。消去法で考えた場合、一番怪しいのは中央貴族であり、暗殺未遂事件の規模と装備を踏まえると完全に無関係とは考え難い。


「犯人を断定できるだけの情報はないと聞くが……」


「状況証拠だけで良いでしょう。それに真実など、どうでも良いのです」断言する白兎。


 トウカの如き物言いであるが、陸軍軍人一筋のミランもまた国防の役目を背後から襲うが如き振る舞いに怒れる一人である。


「どうでも良いとは……」この句が継げないバルトシュタイン。


「御取り潰しにした上で、族滅にしてしまえば要らぬ事を垂れ流す口はなくなるかと。後から真犯人が明らかとなっても、その協力者だったと言い募ればよいのです」


 筋者(やくざ)の如き遣り様である。余り健全な姿勢ではなく、フルンツベルクは御目付け役の方が過激なのは中々に聞かぬ話だと思わざるを得ない。


「それに、陛下は統合情報部の成立後の運用が思わしくない事に心を痛めているという噂が御座います。早々に成果を以て正当化を図りたいと御考えでしょう」


 ミランの指摘に、フルンツベルクは眉を止める。


 統合情報部はトウカの提言によって設立されたが、その割には成果に乏しいと見られており、統合情報部部長のカナリス中将は苦しい立場に置かれていた。政戦両略の天帝陛下の組織編制の汚点と見る向きもある。成果を渇望しているのは間違いなかった。


 フルンツベクとしては、そうした非難をする莫迦など放置すれば良いと考えており、トウカも恐らくはそう考えているだろうと見ていた。


 そもそも、情報機関が成果を誇る様な場面など不要である。水面下で情報収集や暗闘を行う組織に対外的に注目を受ける成果などあっても要らぬ警戒を招くだけであるが、それが分からぬ者が多い。無論、理解した上で騒ぐ手合いも存在する事は疑いないが。


 しかし、同時にトウカが隷下将兵に対しては情に厚い事も理解していた。少々、花を添えるくらいは、と気を利かせてカナリスに成果を用意する可能性も十分に在り得た。


「法も道理もあったものではない」


「法も道理も国家の負担を軽減できず、帝国を跳ね除ける事も叶わなかった。冷酷なまでの実力主義者を望んだのは軍であり臣民でもあります」


 バルトシュタインの嘆きに、ミランが容赦なく応じる。


 国営上の負担の排除は法や道理に優先する。


 そして、トウカは明確に順序を付けているからこそ苛烈である。


 ――ふむ……クローベル辺境伯領の順序はどの辺りにあるのか。


 フルンツベルクとしては、ある日、突然、クローベル辺境伯領からの撤退があっても不思議ではないと覚悟している。


「中央貴族の老獪なる政治権力の扱いに期待する他ありませんね」


 公爵達が中央貴族に与する動きを取らない中で、それを期待できない事は明白であるが、ミランはそう口にして見せる。中々に好戦的な兎である。


 中心となる者が不在の中、中央貴族が足並みを揃えて対抗する事は叶わず、恐らくは各所撃破されるだろう事は疑いない。


「とは言え、全てを滅ぼすとはいくまい。余りにも数が多い」


「そうですね。恐らく反抗的な貴族の排除に留まるかと。見せしめで動けなくすると言う辺りが妥当なところですが……若しかすると鉄道路線を要する貴族領を天領にすべく、その辺りも御取り潰しとするやも知れません」


 ミランの指摘に、恐ろしいまでの軍事都合だとフルンツベルクは唸る。


 トウカは鉄道路線を抑えられる事を極端に嫌う。それは軍事学上の兵站の重要性を鑑みれば理解できる話であるが、トウカの場合、短期間で火力優勢を確保するに当たって輸送力が必要であると見ていた為である。長々と弾火薬を事前集積している様では奇襲の成功率は下がる上、攻撃の持続性も確保し難い。工場から戦場への輸送時間の短縮と、その効率化。それを為す上で鉄道路線の存在する地域が各貴族領に跨っているのは都合が悪い。権限や利権が複雑化し、速やかな変更や拡充に支障が出る。有事の際の面倒事を減らすべく排除するというのは有り得る話であった。


「貴族は家格を誇るものであるが、武家は武威を誇ってこそ。そこを読み違えれば武力で排除される事になる、か。怖いね。武士という生き物は」


 神州国の戦士階級である武士。トウカは軍刀を佩いている事から時折、そう評される。貴族と対を為す姿勢をトウカに見る者が多いという事もあった。


「話を戻しますが、激発するにせよ、不満が在れども勝算なしと沈黙するにせよ、中央貴族の少なくない数が分断され、殺される事になります。残る中央貴族も多くは力を失い逼塞を余儀なくされるでしょう。それは一方的なものであり、国外への戦力投射には影響を及ぼさないかと思います」


 圧倒的に過ぎる戦力差なので影響は僅少だとミランは告げる。


 とは言え、バルトシュタインはそれに納得しない。


「しかし、中央地域が荒れるならば輜重に関しての輸送や集積に影響が出るのではないかな?」


 一理ある、とフルンツベルクも頷く。


 兵器や武器弾火薬の生産数で言えば、未だ中央地域が最大である。無論、徐々に北部へと移り変わってゆくだろうが、少なくとも現在はそうではない。


「その可能性は低いかと。中央貴族の激発に関しては旗頭が存在しない事で鎮圧が長期化する可能性もありますが、それは裏を返せば分散を招いているという事です。よって軍事的に見て個々の脅威度は減ずるかと。中央貴族が己の領地で焦土作戦を展開する覚悟があるならば影響も生じるでしょうが……しかし、どちらにせよ、我々への補給は南部からの拠出で間に合う規模で〈傭兵師団〉も〈第一二航空艦隊〉も策源地は中央地域ではありません。補給も人員の面でも中央に紐付いているとは言い難い為です」


 国外への戦力投射と言えども、その数は一個増強師団。そこに航空艦隊が加わっても兵力は二〇〇〇〇を超えない。その規模を支える輜重に中央の生産力と備蓄が必ずしも必要という訳ではない。


「……道理であるな。そうか、南部にも相応の部隊は展開している。そこから武器弾火薬は転用可能か」納得のフルンツベルク。


「勿論、中央貴族が有力な軍勢を持ち、南部へと攻め入るならば輜重面での不安を抱える事になるでしょうが、どう見ても兵力はなく、統一した指揮系統もありません。 何より、それらを有しても攻め入るのは北部側でしょう……三つの航空艦隊と多数の装甲師団の展開する北部に攻め入って勝てるとも思えませんが」


 ミランの指摘は全てが納得できるものであった。


 トウカと中央貴族の争いは、中央貴族と北部貴族の争いなのだ。南部に攻め入る理由はなく、そもそもそうした兵力もなければ指揮系統もない。他地域への攻め入るだけの兵站能力の面でも怪しいものがある。


「問題は輸送航空団頼りの輜重線でしょう。これは中央貴族の問題以前の話です。多数の輸送騎を張り付け続けねばならない海外派兵は前代未聞かと。経空脅威を長期的に排除し続けなければない点に関しては周辺諸国が近傍地域に航空戦力をほぼ展開していない事から何とかなるでしょうが……」


「他で多数の輸送が必要となった場合かい? それは我々も懸念する処だ。戦略爆撃騎や戦術爆撃騎に転用された竜を戻せばよいのは確かとは言え、各航空艦隊も錬成に支障の出る話は渋るだろう」


 バルトシュタインの渋面にミランも頷く。


 輸送騎の数は限られるが、元より航空騎という兵器は竜に武装や鉄籠を装備して運用する都合上、装備を変更して機種転換が可能である。無論、竜の体躯の規模によりある程度の適正は決まるが、輸送騎ならば戦術爆撃騎や戦略爆撃騎と互換性がある。 転用可能な航空騎は多い。無論、錬成中の航空艦隊の錬成が遅延し、錬成を終えた航空艦隊も攻撃能力の低下を望まない事は明白であった。無論、数だけで言えば皇国内の輸送航空団の半数で事足りる。


 しかし、ミランは不足すると見ていた。表情を見ればフルンツベルクでも察する事が明白である。


「〈傭兵師団〉と〈第一二航空艦隊〉の一日辺りの物資消費量によりますが、継続的な戦闘を踏まえると一日辺り一二〇騎は必要と見ています。勿論、現地調達可能な食糧や生活用品に関しては、順次現地からの調達に切り替える事で押さえる事は可能ですが、それでも九〇騎は必要でしょう」


 当然、それは持続的な数ではない。


輪番制(ローテーション)を踏まえれば、三倍の二七〇騎か。しかも、護衛まで必要だ。数だけで言えば完全充足の一個航空艦隊迫るだろう」バルトシュタインが眉を顰める。


「道路敷設は部族連邦側も協力するとはいえ、半年は必要と聞く。それまで耐える他ないが……」


 フルンツベルクも前例を見ない輜重線の扱いに対して眉を顰めるしかない。


 師団と航空艦隊の輜重を全て空路を代替するというのは前例がないが、輸送量から不可能ではないと参謀本部では判断されていた。南西方面の国家が有力な航空戦力を保有しておらず妨害も乏しいとの判断がそれを後押しした。


 しかし、不測の事態とは起きるものである。ましてや軍事行動ともなれば尚更である。


「輸送能力の不足は空挺作戦能力の低下を意味します。天帝陛下は度々、空挺作戦を実施為されます。今回の様に。その場合、其方に輸送騎を持って行かれる可能性があると思うのです。その場合、我々は飢えるとは申しませんが、行動に多大なる制限が付くかと」


 輸送騎の転用を恐れるミランに、フルンツベルクは確かに今作戦に加え、部族連邦首都襲撃でも空挺作戦は為されていると納得する。加えて、南エスタンジアでの叛乱に際しても空挺戦力の投入が検討されていた。


 突発的問題に対して短兵急に軍事行動を為すならば、空挺作戦はその性質上、一番に検討される。そして皇国を取り巻く状況は依然として厳しいものがあった。


「半年は地に足の付いた動きで占領地を広げるべきかな」


 輜重線の保全が困難になる程の急速な占領地拡大を避け、徐々に占領地を広げるべきだろうとバルトシュタインは提言する。フルンツベルクも同意するところである。 戦域を広げ、浸透を許すのでは意味がない。元より敵地に孤立しているに等しい状況で浸透を許しかねない規模の占領地を保持する事は避けるべきである。一個師団による治安維持が為せる範囲は戦域に対して余りにも狭い。


 しかし、ミランは異なる見解を持っていた。


「いえ、周辺貴族の領都に向け積極的に斬首作戦を展開すべきかと思います」


 寧ろ、積極的に攻勢に打って出るべし。


 天帝陛下の如き積極性である、とフルンツベルクは瞠目するが、乏しい戦力で積極性を謳うならば、相応の理由があるのだろうとも見た。ミランは優等生である。


「連合王国は封建主義国家なのです。地方領主の権限が強く、領民は貴族領という閉鎖環境が世界の全てである事も珍しくない。ならば、領邦軍が領主貴族に従えない……逃亡兵が相次ぐ状況に追い込めば軍事行動を起こせなくなるでしょう」


 小さな世界の中心……根幹にある領主貴族を押さえるべしとの判断。


「占領せずとも良いのです。領都を襲撃し、貴族の館を打ち砕き、貴族やその親族の身柄を押さえるのです。権威を打ち砕かれ、身柄を押さえられた貴族。それに従う必要性と意思を領民から奪うのです。領邦軍も徴兵によって構成される兵が大部分であるならば、その戦意を打ち砕く事が肝要かと」


 従う必要があるのか、という疑問を抱かせる。貴族が絶対的存在ではないという事実を叩き付けるのだ。命令を下す貴族の身柄を押さえたならば領邦軍が組織として動く事が困難になるという点もある。


「身柄の確保に成功するとは限るまい。逃亡を許せば不正規戦になりかねんぞ?」


 フルンベルクとしては、その点を懸念する。


 ヴェルテンベルク領邦軍では、マリアベル戦死後の指揮系統まで明確に決められており、徹底抗戦の為の備蓄や施設も領内の各所に用意されていた。通常であれば、殺せるだけ殺す、というマリアベルの狂気に付き合う者など限られる筈であったが、数百年に渡る偏った教育体制を経てそれが為せる状況を作り上げた。先例があるのだ。無論、ヴェルテンベルク領の如き抗戦は考え難いが、辺境の森林に紛れて不正規戦を実施されると鎮圧は長引く事になる。


「それも宜しいかと。ただ、降伏せねば、以降に一族の降伏を一切受け入れないと宣言し、一族内で分断を誘うと宜しいかと。権威を砕かれ、確実に死を齎そうとする相手に一致団結など有り得ない事は北エスタンジアを見ても明白です」


 恐ろしい事を言う、とフルンツベルクは考えるが、北エスタンジアを引き合いに出された事で戦訓を反映しているのかと納得もできた。


 北エスタンジアもまた封建主義的な国家であり、南エスタンジアの叛乱に付け入る形でトウカの命令の下、航空艦隊が貴族邸宅や領邦軍司令部を集中的に空襲した。事前に主要攻撃目標となる施設を調べていた事を窺わせる出来事であったが、事前調査が為されているならば、航空攻撃によって要人の住居を爆撃可能であるとの傍証でもある。


 兎にも角にも、この空襲により各貴族の領軍は機能不全に陥った。


 軍事的には指揮官を優先して撃破するのは典型とも言えるが、貴族が死を免れても邸宅や領邦軍司令部という統治上で象徴となる施設を破壊する事で領邦軍将兵や領民の動揺を誘うという副次目標があった。


 未だ戦闘詳報が正式に受理されてはいない段階であるが、それでも戦域から情報は漏れ聞こえるものである。従軍している同期から嘗ての上官から配置転換された部隊から。何より、航空艦隊は皇国本土の航空基地から出撃しており、その運営維持には本土の関係者が数多く関わっている。


「相手は古式床しい貴族です。領都の貴族の権威を示す建造物を徹底的に破壊したならば、領内への統制力は大幅に弱体化するでしょう。徴兵への難易度は増し、領邦軍からも逃亡者が発生も発生するかと。誰も負け戦には加わりたくはないのですから」


 酷く直截的な物言いである。


 リシアの様な発想であるが、そのリシアもトウカの姿勢に感化された節がある。


「天帝陛下の為さり様だな。陸軍にも感化される者が出てきたか。陰惨な事になる」


 フルンツベクとしては困った部下を持ったという心情であり、監視を担う鈴としては有効に動作するか疑わしいのではないかとすら考える。監視される側が、そう考える事が滑稽であるのは百も承知であるが、実際にそう見えるのだから致し方ない。


「北部では、その手は有効でなかった気がするのだが、その辺りはどうかな?」バルトシュタインの指摘。


 フルンツベクとしては、他地方の者ならそう考えるだろうと理解を示すが、同時に北部では状況が異なると見ていた。バルトシュタインは内戦中も北部に居たが、領民や政治情勢とは距離を置いていた為、実感を得られなかったのだ。


 さて、ミランはどうか?とフルンツベルクは視線を向ける。


「北部の場合は状況が異なります。領民までもが戦意と漲らせ、憎悪を募らせた中で貴族相手に斬首作戦をしても親類縁者が爵位を継承してより強硬な姿勢となるだけです。領民も揃って報復を叫ぶでしょう」


 そう、北部は全方位に敵意を向けて数百年。貴軍官民合同で領地護持に邁進して久しい中で、政治的指導者の戦死や領地への攻撃など、更なる敵意を醸成する結果としかならない。貴族家がそれを煽動するのだから確実にそうなる。


「来るべく戦争に向け臣民の激情を燃え上がらせておく。正直なところ、先代ヴェルテンベルク伯を始めとした北部貴族の方々の為さり様は徹底抗戦という意味では正しかったのです」


 戦争への熱意や他国への憎悪という戦争準備。


 本来、戦争は突然に降って沸いてくるものではない。


 そして、トウカはそれを覆した事で敵対国の対処能力を時間的にも物質的にも優越した。


 現に部族連邦も北エスタンジアも連合王国も突然の航空攻撃で甚大な被害を受けた。地上部隊の準備は御座なりであったが、奇襲効果と航空優勢を優先し、敵国に初戦で大被害を与える事で継戦の意志と能力を奪う。


 心掛けるべきは短期決戦であり、厭戦や戦戦死者数に臣民の意識が向かう前に市井に目に見える戦果を叩き付ける事で、それまでに生じた諸問題から目を逸らす。トウカはそうした手腕に長けていた。無論、そうした方針は部族連邦や北エスタンジア、連合王国の政治情勢や戦備を勘案してのものであり、クローベル伯爵領周辺の戦域に適用できるかという点では未知数である。そもそも、短期決戦を意図して短期決戦で済ませられると考えるのは怠惰であり、トウカは諸々の次善の策を考えていたであろうが、現在のフルンツベルクにそうした展望はない。


「さて、それでも実際にどう動くかは未知数だけどね……それなら実際に連合王国の貴族……だった人物に聞けば良い。参考にはなるだろう」


 バルトシュタインは確実性を補強すべきだろうと提案する。


 その相手がクローベル辺境伯とその家臣団である事は、この場の誰しもが察した。


 フルンンツベルクは、俺が顔を出すべきか、と鷹揚に頷く。


「着任の挨拶も必要だろう。こちらで問う事にするが良いか? いや、そもそも印象としてはどうなのだ? 怯えているのでは話にならんが……」


 考えてみれば、クローベル辺境伯の為人に関し、フルンツベルクは寡聞にして聞かない。盛大な身売りをした事から尋常ならざる人物であるとも見えるが、統治の中心が当主とは限らないのが貴族社会である。ましてやクローベル辺境伯は輿入れした寡婦であった。領内での影響力が限定的であっても不思議ではない。


 バルトシュタインは、一拍の間を置いて答える。


「怯える程には肝が小さい訳ではないね。ただ、周りに知恵の回る者が居るのだろう。 当人は奇策を弄する人物には見えない」


 成程、そうした人物か、とフルンツベルクは納得する。


 元より先代より受け継いだ有力な家臣団が領地運営で主体となる場合や、親類が当主の陰で辣腕を振るう事もある。必ずしも当主が政戦の力量を有して領地を指導している訳でもなければ必然性がある訳でもない。


「幾度か会見の場を持ったが、どの会見でも傍に控えている騎士が居た。恐らくはその者だろうが、そこは内地から引き連れてきたちんどん屋にでも聞けばいいさ」面倒臭いという表情でバルトシュタインが勧める。


「ちんどん屋だと?なんだ、慰撫にでも使う為に連れてきたのか?」


 クローベル辺境伯領の領民を慰撫する必要は確かにあり、その為に医師や医薬品を空輸するという話は既に進んでいた。足元すら不安があるならば軍事行動は覚束ない。そうした輩を空輸するというのは考えられる話であった。


「……特設調査班なる連中だよ。まぁ、好き勝手してくれる。昨日も領邦軍の騎士達と共に違法薬物の生産現場に踏み込んだと聞く」


 クローベル辺境伯との関係悪化を防ぐ為、その権利や特権に関わる部分に手出しせず、要請のない限りは航空基地周辺での活動に留めていたバルトシュタインだが、特設調査班は御構い無しである。挙句に何処に権限があるのか勝手に摘発行動を取るのだから堪らない。慎重を要する政治案件を土足で踏み荒らして関係悪化を招けば航空艦隊は飛び地で孤立する。


 フルンツベルクも眉を顰める。


 心当たりがある。


 皇国の各新聞社の関心事であり、巷でも大きな話題となっている。正義の味方として大立ち回りをするかと思えば、他方では恫喝と器物破損の始末書が乱舞するという傍若無人の三人組。


「面白可笑しい珍道中を国費で許された連中……ヴェルテンベルク領の教育はどうなっているのか聞きたいね」


 一人は中央地域の文屋だが、とはフルンツベルクも言わない。蒸し返す不毛を厭わしく感じたという訳ではなく、そもそもクレアの命令で組織された集団であるという時点でトウカの影を見た為である。深謀遠慮があるのではないか、という可能性を捨て切れなかった。


「何だ? 関係悪化を招いたのか? それならば、それを咎めて内地に送還すればいいだろうに」


 フルンベルクとしては、問題を起こしたという正当な理由があるなら、それを咎められる事はないと踏んでいた。


 クローベル辺境伯領で未だ軍政を敷いている訳ではないが、形式上は戦闘地域であり、航空艦隊を預かる者が兵力展開を危うくすると言えば陸軍府や参謀本部も無下にはできない。無論、特設調査班に独立調査の権限がある事は広く知られているが、戦域に於ける戦力保全に関する権限が航空艦隊司令官にはある。未だクローベル辺境伯領……連合王国戦線の統一した指揮官はおらず、将官はフルンンツベルク隷下の〈傭兵師団〉の展開によって二人目となったに過ぎず、権限を失った訳ではない。越権行為とは成り得なかった。


 フルンツベルクとしては、バルトシュタインが邪魔だと言うならば連名で強制送還させても良いと判断していた。


 バルトシュタインは大仰な溜息を吐く。


「それが困った事にクローベル辺境伯や家臣団に大層と気に入られている。何でも戦局の悪化で流入した犯罪組織の摘発に抜群の功あり、だそうだ」


「内地との司法の擦り合わせも定かならぬ状況で勝手に摘発行為をして……いや、現時点ではクローベル辺境伯領の法規に照らし合わせた処分としているという事か」


 処分は任せ、摘発だけは特設調査班も加わって行うという形とする事で、争点化する事を避ける事ができる。そうなると争点は調査方法に絞られ、問題としては軽減された。無論、問題となる点に変わりはないが。


「ヴェルテンベルク領でも似た様な事があったと聞く。現地の治安機関が広範への介入権限を利用すべく特設調査班を担ぐそうだ。クローベル辺境伯や家臣団も似た様な事を考えたのかも知れん」


 天帝陛下の大意であると嘯いて摘発するならば、関係各所……意見調整の必要な関係機関や民間企業に沈黙を強要できる。今現在、皇国の統治下にあり、クローベル辺境伯は継続して統治を任されているという状況である。大国である皇国の国家指導者たるトウカの後ろ盾。そして、領都近傍に展開する航空艦隊という実力組織。抗弁すら危ういと見る事すらできないならば時勢を読めないと言わざるを得ないが、貴族としての孤立を飲み込み、新たな国家指導者の名を利用して摘発を迅速に進めようと試みた可能性もある。


 フルンツベルクがそう指摘すると、バルトシュタインは益々と嫌な顔をする。


「軍の統制上の問題に関わる話じゃないか、それ? 幾ら陛下の……」


 これ以上は不敬に当たると見たのか後を続ける事はなかったが、バルトシュタインの表情は厳しいものとなる。統制を欠けば軍隊は匪賊と変わらず、ましてや航空艦隊は高度な技能職集団という側面が色濃い。一度、損なうと是正と補充には特段の歳月を要する。


 要は錦の御旗を掲げて好き勝手する同業を見て統制に好ましからざる影響が出るという話である。


「御待ちください。或いは、ではあるのですが、特設調査班に関しては意図して見逃されている可能性があるのです」


 ミランの言葉に、バルトシュタインがフルンツベルクを胡乱な目で見つめる。自身も与り知らぬ話であるのでフルンツベルクも胡乱な視線を返すしかない。共謀していると、 実情を理解しているなどと誤解されるのは不愉快であった。


「実は、出征前に参謀本部勤務の同期と久闊を叙す機会があったのですが、どうも特設調査班の専横に関しては、苦言を呈する……じゃくて上奏する機会があった様なのですが……その際に天帝陛下は、”あれでよい、為すが儘にさせてやれ”と仰られたという噂がある様です」


 航空艦隊司令部要員達が俄かに騒がしくなる。


 それがトウカによる謀略を含む動きであった場合、〈第一二航空艦隊〉が巻き込まれる可能性に思い至った為の同様である。無頼を暗に認めているなどと単純な考え方をしての事ではない。


 対するフルンツベルクは別の点に気を取られていた。


 ――御目付け役らしく報告に出向いた時期やも知れんな。


 参謀本部勤務の同期と会うと言えばそれらしいが、多忙な参謀本部に属する者達と突然決まった出征前に顔を合わせる機会を作るというのは中々どうして難困な話であるはずである。都合が良い話であった。


 当然、真実だとしても参謀本部と直接、結び付く経路があると言ったに等しい。迂闊ではないか、とフルンツベルクは渋い顔をする。御目付けは結構であるが、それを事実と錯覚させる動きは場合によっては生命に関わる。何者かが参謀本部の意向を排して〈傭兵師団〉を運用しようと試みる際、ミランは明らかに不確定要素となる。


 〈傭兵師団〉は陸軍隷下になったとは言え、その経緯から何かと後ろ暗い任務に投入し易いのだ。


 或いは、御目付け役が存在すると示す事で軽挙妄動を抑制しようとの意図が在るのかも知れないが、危険性が高くフルンツベルクとしては無理をするという印象を受けた。


「まさか、何処かで開戦事由に使う心算ではないか……いや、同情を誘う様な人選でもなければ、工作が為せる面子でもないか……」


 何処かの国家を相手にした謀略の一環ではないのかと疑うバルトシュタインだが、人選が余りにも酷いので測りかねている様子であった。戦死しても広く同情を招くかと言えば怪しく、各種工作を行うには粗忽が過ぎる挙句に騒々しい。


 実際、同情に関しては、宣伝工作により詰まらない死に方をした者を祭り上げて党歌にする程度の事例はある為、可能であるのだが、当事者が余りにも悪目立ちしている為、その様な可能性には至らない。 フルンツベルクとしては、精々が陽動だろう、と騒々しい食み出し者達の意図をそう断じる。


「まぁ、捨て置くが良いだろう。 態々、他国まで乱入するというのは解せぬが、意外と国内各地で反発が強いと見て国外に逃れさせたという事も有り得るだろう」


 現場の治安機関が所轄主義(セクショナリズム)や利権の都合で摘発に及べなかった相手を、錦の御旗? を掲げて摘発するのだから、関係組織の軋轢は当然ながら酷い事になる。 只でさえ、貴族領を跨ぐ広捜査には手続きや衝突が付き物である。トウカの治世の下、改善に向けた動きはあるが、慣習染みた断絶と認識の差は早々に覆せるものではない。


――余りにも傍若無人が過ぎて暗殺されるやも知れんからな。


 或いは、暗殺を期待したのやも知れないと、フルンンツベルクは渋面となる。


 ヴァレンシュタイン上級大将暗殺未遂事件の捜査状況が思わしくない事を見て、次の暗殺が容易に見える目標を各地に転々とさせているのではないかという疑念。ラムケも平素の振る舞いは兎も角として要職者である事に変わりはなく、拡声器に等しい文屋を同行させ、取り纏める情報部員も控えている。傍目に見ても囮であった。


「軍神の外套を踏んで不興を買う必要もない……目障りでなければ、そう言えるが、まぁ貴方も近い内に理解するでしょう」


 バルトシュタインは苦労を分かち合えとばかりに手を引く構えを見せる。


 どちらにせよ、飛び地に派遣された唯一の陸上戦力と言えるく傭兵師団〉の受け持ちとなる事は間違いない。 事があれば師団司令部直轄の憲兵中隊本来は各歩兵大隊に分散配置されている憲兵を集中運用するしかない。〈傭兵師団〉の性質上、規律の問題甚だしいと見た陸軍府総司令部が編制に口を挟んだ形であるが、 実際のところ部隊内での衝突は殴り合い程度のものである。無論、その殴り合い程度、という感覚が問題なのだが、フルンツベルクとしては上官が纏めて締め上げれば丸く収まると見て文句を付けなかった。 分隊以上の指揮官にはそれが可能な面々を排していた。兵を指揮する以上、戦術的視野は必要であるのは確かだが、傭兵である以上、部下を腕っ節で従わせなければならない状況も少なくない。身内同士の諍いは、 指揮官からすると己の力量を見せる好機でもある。故にそこまでの配慮は不要というのがフルンツベルクの判断であったが、陸軍府は傭兵達に御行儀良く戦争をさせたい様子であった。


 そうした経緯もあり、通常編制の師団よりも多くの憲兵が編制に組み込まれている。


 ――まさか、 ヴェルテンベルク領出身者がラムケの七転八倒を知らぬと思っているのか。


 フルンツベルクとしては、ラムケが存在する時点で、騒々しくなる事は避け得ないと覚悟していた。





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