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出発の前。

吸血鬼の住まう場所が、同行した学生の視点なら。

吸血鬼に願うことは、メインで進んで行った咲宮の主の視点になります。

いつの時代も、許したくないことと。

許せないことがないまぜになっていて。

ただタイミングがとか、ただ場所がとかいろいろと、納得のできないことが沢山あふれている。


平和に守られた檻の中で、犠牲を出し続けてることに気づかないふりをしながら生きていることが本当に、それは幸せなのだろうか。

知らないことが幸せなら、知ることは不幸なんだろうか。


事の起こりは、数日前。

関係のあることで言えば、もう数十年前から起きている。

此処、西大陸には、大きく分けて3つの学校がある。

学院・学園・学館とよばれている。やる気とか、実践の度合いとか学校別に結構変わってくるけれど、

今所属している学院という場所は一番優しい。


ゆえに見なければならないことに蓋をしたりする。


事の起こりは、数日前。

各地に配属されている協力者からの報告が上がった。

とある地方にある洞窟が、もうかなりの老朽化がしているから、

そこで生きている者たちを引っ越させる必要がある。


ただ、簡単な引っ越しではなく、そこで生きている者たちの子孫が今後そこに生まれることなく。

新たな地で生きることを祈らなければならない。

そのような対処法を行うべき人員は複数割けない。


そこで白羽の刃が立ったのが、数代前から付き合いのある、この私、

咲宮綾乃だった。





依頼は実に単純に簡単になされた。

上司は、ただ、私に告げるだけだ。「できるか?」と。

そこに私に用意された答えなど、「はい。」の2文字しかない。


上司は、私に2巻の書簡を渡し、実はもう一つあると言う。

それを受け取ることができたのは、西大陸の魔術協会から、依頼として投げ込まれたもの。


本来なら、上司や私が所属する、種の保全を最優先に考える「修道院」が術師の管理を取り締まる「協会」に

適当な術師を見つくろうように依頼したのだけれど。


向かうのは吸血鬼が住んでいると噂される洞窟。

けれど、実際はそうではない。それは単なるうわさだけで、実際は、魔力因子を持った子が生まれた場合に隔離して育てるためだったりする。


険しい森を開いた所にひろがる村や集落では、魔力因子を持った子供は災いを呼ぶ巫子とされ、まともに教育を施してもらえないばかりか、

人としても扱われない。

そのため、人よりも寿命の長い種族に魔力因子を持った子を保護すべく、生贄という名目を取って各地方に住んでもらっている。


学院には「協会」から話を通し、現地で術師と合流しその術師の指示に従って行動する事と説明をしてもらう。

学院の一部にはちゃんと話の分かる人もいるけれど、基本は、上位の「協会」を通さなければ学院は動こうとはしない。



「じゃ、行ってきます」

同じ場所に向かうのに、出発地点は一緒なのに。

学院の生徒たちよりも早く、私は学院を出発する。

手のうちには託された書簡3つと、これからの作業に大切な術の媒体を持って向かった。

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