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MERMAID  作者: 憐華
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出会い

浜辺に少女が一人立っていた。真っ白いワンピースと真っ黒な髪が風に揺れている。

「……行かなくちゃ」

少女はそう一言呟くとゆっくりとぎこちなく歩き出し、そして、消えた。

あとには波の音しか残らなかった。



俺だって最初はそんなつもりじゃなかった。でもアイツが喧嘩売るような事したから俺だって後にひけなくなっただけだ…。

柏木陸はハァと溜め息をついた。

陸はバスケ部エースで4番だった。昨日までは。

今日あった大会の選手発表で、陸は5番になってしまったのだ。代わりに4番になったのが西山亮太。陸と亮太は小学校からの付き合いで何かと競いあいをしていたのだが、いつも陸の方が勝っていた。だから陸は調子に乗っていた。俺がアイツに負けるわけがない、だから部活サボっても平気だ…と。

そして陸は4番の座を奪われた。当然だ。陸が部活をサボっている間に亮太は居残りまでして頑張っていたのだから。亮太は努力して4番になったのだ。

陸もそんなことは分かっていた。だけど納得がいかなかった。自分より亮太の方が勝っているなんて…亮太より自分が劣っているなんて…

だから陸はついさっきバスケ部を辞めた。自分よりうまい選手が同じチームにいるなんてプライドが許さなかったのだ。

もちろん亮太は止めた。しかしそれが嫌味のように聞こえて亮太を殴ってしまった。それで喧嘩したまま陸は帰ってきてしまった。自分が悪いのは分かってる。しかしもう後にはひけない。

陸は一瞬にして大事なモノをたくさん失ってしまったのだ。陸はまた溜め息をついて家までの道を歩き出した。 

「どうしたですか?」

不意に鈴の音のように透き通った声がした。

「え…」

顔をあげるとそこには真っ白いワンピースと真っ黒い髪が対称的な少女が立っていた。

「どうしたですか?」

少女はもう一度繰り返した。

綺麗に整った顔立ちがなぜか陸の記憶を刺激する。いつか会ったような気がするのだ。

誰だ…?近所にこんなやついたっけ…?

陸が困惑していると少女は

「…やっぱり私の事なんて覚えてないですよね」

と呟き少し寂しそうに笑った。

陸はすごく申訳無い気持ちになって

「あ…ごめん…」

と謝った。すると少女は

「ううん…いいのです。そのかわり、私を泊めて下さいです」

と言った。

「………………は?」

今この少女が言った言葉の意味をゆっくりかみ砕く。えーっと……泊めて下さいって事は、家に泊まる?俺の家に?………

「いやっ!それはだめだろ!!だって俺あんたの事よく知らないし!俺独り暮らしだし!」

「別に大丈夫です。」

「いやよくないって!大体あんた誰なの!?」

混乱しすぎて声が裏返る。そして少女は言った。  「私は人魚の王座第一継承者です」

「に…人魚……??」

陸はわけのわからない少女の発言に頭痛を覚えた。

頑張って書いたので感想よろしくお願いします。

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