彼氏の頭がおかしい話
「今なんて?」
「え? ……ぼ、僕は不老不死なのにねって──」
「……そ、そんな私の話に合わせなくてもいいのに」
「合わせてないよ。ホントだよ」
「……じゃあ証拠見せてよ」
「わ、わかった」
そう言うと彼氏はバックから取り出したペンをもって自分の喉に突き刺した──ってえぇ!?つき、つきっ、突き刺した!?
「ちょちょちょちょ!? なにやってんの!?」
ベットから飛び降り、点滴を持ってゆらゆら揺らしながら彼氏に駆け寄る。
「だ、だって証拠見せてって……」
「いやいやいやいや、早く医者を──」
彼氏がボールペンを引き抜く。……あれ?なんか傷が……塞がってる?血も止まってた……。
「ほら。治った」
「え……あ……ほ、ほんとに不老不死?」
「うん」
「……」
ポケーっと彼氏を見てた私に「体に悪いからベットに入りな」っと言ってくる。……誰かさんのせいで飛び起きたんだけどね。久々にこんな激しく動いたわ。
「ね? 言ったでしょ?」
「まさかほんとに不老不死とは……」
じーっと体を見てみる。……どこも普通。普通の人間と変わらない。
「……あんたの血を飲めば、私も不老不死になるとかないの?」
「それは無理だよ。何回か試したし」
「試したの!?」
「うん。まぁ無駄だったけどね」
「なーんだ。つまんないのっ」
せっかく寿命が伸びると思ったのになぁ。
「……不老不死なのはわかったけどさ、それじゃあ実際のところは何歳なの?」
「えー。……三百……いや四百いってたかな? あんまり気にしてなかったんだよねー」
「なにそれぇ……」