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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  五十二、和平は素直に進まない



 協定会議から一カ月。

 調印式を大々的に行い、それをもって国民への発布とするのだという彼らの意向を汲んで、仰々しい催しに参加することとなった。


「聖女のお力をお借りして! 王国軍と魔王軍での模擬戦を行いたい!」

 その調印を終え、式典も滞りなく済んだ後の晩餐会で、バカがのたまった。


 代表で参加していたのは国王と王子二人、魔王さまと私、参謀であるファル爺、そして商工会からはウレインとレモンド、黒髪センター分けの九人。

 その内の八人が一斉に、立ち上がった発言者を振り仰いだ。


(この期に及んで、模擬戦だなんて。何のための和平だと……)


 皆、今日のために豪華な衣装を纏い、堅苦しくても我慢して長丁場を終えようとしている最中のことだから、苛立つ視線を送っていた。

 その先には、見間違いでも聞き違いでもなく、王国軍の責任者である、第一バカ王子が拳を掲げて立っている。


(豪華なお食事が終わった後で良かった。お料理が美味しくなくなるところだった)



「控えよ! そのような発言を許した覚えはないぞ!」

 全員が憤りと呆気にとられていた中、国王が怒声を飛ばした。

 その声は、少し震えている。


「この……愚か者が!」

 国王はよほど焦っているのか、肩で息をしている。

 今の言葉も、やっとのことで奮い立って発したのかもしれない。


「第一王子……私の治癒を当てにした模擬戦など、許すはずがないでしょう?」

 彼の名前は忘れてしまったけれど、私だって黙ってはいない。

 勝手に頭数に入れられて、しかも、怪我人が出ることを前提にするなんて。



「聖女よ、あなたが居るからこそ、本気の模擬戦が出来るのだ。お互いの力量を知れば、本気で争うなんて真似をしなくなると思うのだが?」

「力量……ですって? そんなの、比べるまでもないでしょう」

 前に、あれだけ痛めつけてやったのにまだ分からないらしい。


「それはどういう意味かな、聖女よ。魔王軍は自信がないから、やりたくないということか?」

「あなたという人は……」

 記憶力が悪いのか、あの痛みを忘れるなんて信じられない。


「ちなみに。聖女は治癒のために、魔王軍とは別に控えてもらう事になる。聖女の治癒力を頼りに戦われては、こちらも力量が分かりかねるからなぁ」

 ――あぁ、そういうことか。


 怪我をするそばから、私が回復してしまうと思い込んでいるのか。

 魔族は、そもそもからして再生能力を持つというのに。



「何にしても、模擬戦なんてしませんよ。そうですよね、魔王さま」

「そ、その通りだ、魔王よ。王国はそんな事、望んではいない!」

 国王も慌てて、私の言葉に並んだ。


 ――というかこの人、協定会議で魔王さまを見た時からやたらと畏れている風だけど、もしかして、相手の力量が分かる能力でも持っているのかしら。


「俺はどちらでも構わん。だが、手加減しても殺してしまうかもしれないが、それはどうするつもりだ? 死んでしまっては、サラでも治せない」

「まっ、魔王さま!」

「魔王殿! どうかご容赦を!」

 私と国王の言葉は、ほとんど同時だった。


「構わないさ! そのくらいの必死さは必要だろう!」

「あなたね! 兵の命を何だと思ってるのよ!」

 ――このバカ王子、頭がどうかしているの?


「……どうせ、やらねば収まらんのだろう。こういう輩は、必ずどこにでも居るものだ」

「決まりだな! その無礼な発言と余裕を、後悔させてやる」

 このままだと、小規模といはいえ戦争するのと同じだ。



「お待ちを! その模擬戦とやら、この商工会がお預かりする!」

 ウレイン……ではなくて、レモンドが立ち上がってそう宣言した。

 ウレインは、その隣で静かに頷いている。



「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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