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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  四十四、壁



 ウレインは深刻そうな雰囲気を出さないように、細心の注意を払っているように見えた。

 ホテルの二階にある豪華な応接室に通されて、大理石のテーブルを挟んで向かい合ったその印象は、間違いなさそうだ。


「このホテルは、どのソファも座り心地がいいですね」

 彼が主導してくれると思っていたけど、私をじっと見たまま喋ってくれない。


「ウレイン……?」

 会長に戻ると言っていたのが、上手くいかなかったのだろうか?


「あ、いやこれは、失礼致しました。私がお呼びしたというのに」

 どんな時でも、スマイルのポーカーフェイスを崩さないと思っていたのに。



「私の顔に、何かついてますか?」

 急いで顔を洗ってきたから、そんなハズはない……ハズ。


「コホン。……聖女様、それでは単刀直入にお伺いします」

「ええ」

 ――あ、そうか。

 ここに来て彼は、私が魔族であるというのを、黒髪センター分けから聞いたんだ。



「聖女様が魔族であられると、前会長から引継ぎを受けました。それで、その、それは事実なのか……というのを、今一度ご確認させて頂きたく思っております」

「……そうでしたか」


 やっぱり、そういう反応になってしまうんだというのが、ちょっと寂しい。

 ――人間と魔族は、仲良くなれないんだ。


「ええ。魔族です。でも……」

 でも私は、元は人間だったし、同じ転生者じゃないですか。

 喉元まで――いやもう、あとほんの少し息を吐けば、その言葉が出たはずなのに。


「でも?」

「……いえ。何でもありません」


 口から先に出られたのは、ため息だけだった。

 ホテルも出て行かないと。

 自分から出るつもりだったのに、ここに来て追い出される形になるのは、釈然としない。



「そうですか……やはり、魔族というのは本当なのですね」

「黙っていたのは謝ります。でも、そうと知られたら人間は皆、攻撃してくるから。私は別に、争う気なんてないんですけどね……」


 私が魔族だったから、ここまで強力な治癒魔法を使えるのに。

 聖女様と勝手に崇めて、勝手に持ち上げておいて、魔族だと分かったらこれだ。

 人間というのは、本当に身勝手な――

「――聖女様。それでは報告にあった、魔王の奥様というのも、本当なのですね」



「そうですよ。あの人の妻です」

「なんと……」

 その彼の態度に、私は魔王さまに危害を加えるつもりがあるのかと、反射的に思った。


「ウレイン! もしもあの人に何かを企んでいるなら、私であっても人間を許さないから!」

 身を乗り出して、声を荒げてしまった。

 でも、私を嫌うだけならともかく、あの人によからぬことをするなら――。


「ち、違います! 聖女様に、魔王……殿への、お取り次ぎをお願いしたいのです!」

 その言葉と、咄嗟にかぶりを振る彼の仕草に、私は乗り出した身を引いた。


「……取り次ぎ?」

 仮に暗殺を企てているとしても、人間の力でどうこう出来るはずがないし……。


「一体、何をするつもりで――」

「せ、聖女様。我々は和平のためのお話がしたいのです! 国としての意向とは別ではありますが、商工会は魔族と和平協定を結びたいのです!」


「わへぃ……?」

 ――わへいって、何だっけ。


「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

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