表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/108

第二章  四十三、淑女たちの会議


「サラはさぁ。マジメ過ぎるのよぉ」

 引き続きベッドで横になったまま、リズに色々と悩みを聞いてもらっていた。

 するとこんな風に、可愛そうな子を見るような顔で言われてしまった。


「そうかなぁ? 普通だと思うけど」

「もっとねぇ、てきとーに聞いておけばいいのにぃ」


「適当って、大事な話とかはどうするのよ」

「たとえばぁ?」

 と言いながら既に、リズは自分の爪を眺めはじめた。

 次は何色にしようか、なんて考えていそうだ。



「た、たとえばさ。人間から『お前は魔族だろう!』って言われたら?」

「えー。そうなんだぁ? って言うかな~」


「しょ、証拠はあるぞ! しらばっくれるな!」

「んふふ、それでぇ?」

 ……えっと。

 このまま、寸劇を続けるのかしら?


「ま、魔族は敵だ! 今すぐ斬り殺してやる!」

「え~? こわぁい。私のこと、ころしちゃうんだぁ」

 ――う~ん。騎士団長なら、こんな感じよね。


「け、剣のサビにしてくれる!」

「じゃあ……お別れよねぇ。とか言いながら、転移しちゃえばいいじゃない? 私よりサラの方が、上手いんだしぃ」


「え。あぁ……なるほど?」

 話になってないけど、確かにリズはいつもと変わらない。



「でしょぉ? サラはどーせ、魔族だったら何なんですか! とか言ってそぉよねぇ」

「そ、そこまでケンカ腰じゃなかった……わよ」

 リズはケタケタとひとしきり笑ってから、私を見た。


 寝返りして、こちらを向いた拍子に金色の髪がひとすじ頬に掛かったのと、上目遣いとが相まってなまめかしく感じる。

 リズは本当に美人だから、女の私でもドキっとしてしまう。


「今度はいやらしいコト考えたぁ」

「か、考えてないわよっ」


「分かりやす過ぎてぇ……ちょっと、心配なレベルねぇ」

 本気で心配そうな顔をされると、心に刺さるものがある……。



「ど……どうしたら……いいかな」

「フフッ、カンタンなのに。アナタ自身の可愛さを、もっと自覚すればいいのよ」

 リズは甘い笑みを浮かべていて、けれど言葉は、少し真剣だった。


「か、かわいいって……」

「鏡を見てる時は、自分で見惚れてるクセにぃ」

 そう言ってまた、ケタケタと笑う。


「わらいすぎ!」

 ――いつそれを見られたんだろう。

 恥ずかし過ぎて、とっさに枕で顔を隠してしまった。



「アハハハ、でもほらぁ、恥ずかしがってないで聞きなさい」

 枕で半分顔を隠しつつ、聞くつもりはあると目で訴える。


「あなたが相手にしているのは、人間でしょぉ?」

「うん」

「それも、男よねぇ」

「そう言われたら……そうね」


「あのねぇ、何のために夢魔の魔法、教えたと思ってるのよ」

 実は、このところ人間との接触が増えているからと、教えてくれていた。



「あっ……、えっ、でも……」

「使っていいのかじゃなくてぇ。使うの」


 精神に作用する魔法を、おいそれと使っていいものかという倫理観は……リズにとって不要なものらしかった。

 それでも、気が咎めることだから確認はしておこうと思った。


「リズは、普通に使ってるの?」

「場合によるけどぉ……あなたはいつでも使うつもりで、ちょうどいいんじゃない?」

 私がバカ正直に、誰彼構わず使うようになったら、責任取ってもらおう。



「サラ……言っておくけど、場合による。って私は言ったからね?」

「うっ」


「何考えてるかくらい、目を見たら分かるわよ……サラもちょっとくらい、わかるでしょぉ?」

「……たぶん?」

 そう言うと、リズは大袈裟なため息をついて、「慣れなさい」と言ったままお昼寝を決め込んだ。


「な、なによ……私だってうまく出来るし……」


 ――次に商工会会長と話す時は、私もやってやるわ。

 ……とは言ったものの、黒髪センター分けは解任になって、次に話すとしたらウレインだろうから……使わなくて済みそうだけど。





 そんな「悪巧み?」をした次の日には、ウレインからまた、面会の申し込みがあった。

 ホテルも存分に使えばいいのよというリズの言葉に流されて、ベッドでごろごろしている時にドアフォンの呼び鈴が鳴ったのだ。


 髪に寝グセがついているから、後ろでシェナが隠れながら、髪をギュッとしてくれている状態で通話に出たけど。

 それにはたぶん、ウレインは気付いていなかったと思う。


 ドアフォンのモニター越しの感触だけど、わりと深刻そうな顔をしているままだから。

 私なら、気付いたらふき出している。



「ただ、面会と申しましても先に、個人的にお話したい事がございまして……」

 ウレインにしては、歯切れの悪い。


「分かりました。では、下に降りますね」

「ありがとうございます。それでは、聖女様の良いタイミングでお越しくださいませ」

 そう言って、通話は終わった。


 ――うん?

「私の良いタイミングで?」


「お姉様。ウレインは見抜いています」

「そっか…………。これからは、起きたらちゃんとする」

 本当でしょうか。という、シェナの小さなひとり言は、聞こえなかったことにした。



「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

  と思ったら

  

  下にある☆☆☆☆☆から、作品を応援していただけると嬉しいです。

  面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ、正直な感想で大丈夫です!


  ブックマークも頂けるとさらに喜びます。


  何卒よろしくお願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ