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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  四十一、一体どうして……


 気持ちを落ち着けようと、魔王城に戻ってしばらく。


 ――ああ、そういうことか。

 ふと急に、誠実そうだったウレインが手の平を返した理由が、分かった気がした。


「あの会長が、私が魔族だってこと、ウレインに言ったんだ」

 それで私のことを、信じられなくなったのね。


 ……だとしても、魔族だの人間だのって、そんなに信用を揺るがすようなことなのかな。

 それとも、どっちも信用してしまう私が、お人好しなだけなのかな。





「やっぱり、ホテルを出て隠れ家に移ろう」

 そうすれば、やたらと人間に関わることもなくなるはず。

 ホテルはリズに会うために行っただけで、目的も達成したのだし、留まる必要はないのだから。


 そういう意気込みで、ウレインに話をする時間を作ってもらった。

 元は彼の希望だけど、こちらが先制するために、向こうが呼び出された形にしたのだ。


「ウレイン。リズに送った豪華なお食事とかって、どういうつもりでくれたのかしら」

 ホテルの会議室を用意してもらい、お互いがソファに腰かけたところで開口一番に聞いてやった。

 少し強い口調で、問い詰めているのだという雰囲気を出して。


「はい。こちらは全て、聖女様に不躾なことをした会長からのお詫びとして、私から送らせて頂きました」

「お詫び、ということなら、会長からの面会申請はどういうつもり? ご馳走したから会えというのは、さらに不躾ではありませんか」

 私は誤魔化されないし、そういう不誠実なところを責めて、面会なんてしないと突っぱねてやる。


「それとこれは、別のお話でして……。改めて、聖女様とお話を。という事でございます」

 面会のことではないのなら、私が魔族であると聞いて、それを確かめたいということか。

 でも、素直にこちらから教えてあげる義理はない。



「何か聞いた? 会長から」

「何か……と、申されますと。彼はただ、私の信用でも何でも使って、とにかくもう一度面会を取り付けてくれ。という指示しか聞いておりませんが……」


「その他に、私の事で何か言っていなかった?」

「聖女様の事、でございますか? いいえ、とにかく何とか機嫌を取ってくれ――おっと、口が滑りました。まぁその、怒らせてしまったからと」

 だから? と問うように、私はじっとウレインを見た。


「私は、ホテルマンとしてのサービスしかご提供できかねますので、誠心誠意のおもてなしをさせて頂いている次第です」

 会長を疎んじるような素振りを見せたけれど、私に対しては今までと同じ感じだ……。

 だとしたら、魔族だということを、会長やレモンドから何も聞いていない?



「ふぅん……じゃあ普通に、リズの御機嫌を取って、私の気持ちをなだめようとしたってワケね」

「左様でございます。お怒りを静めて頂くには、正攻法しかありませんので。もちろん、聖女様に可能な限りのサービスを――」


「いりません」


「――させて頂き……そ、そうですか……。その、お怒りになった理由……と言いますか。会長がどんな失礼を働いたのかを、教えて頂けないでしょうか。せめてその事について、商工会長老組の一人として、お詫びさせてください」


「結構です。ただ、私も少し、あなたを誤解していました。何か心変わりがあって、リズを利用して私を嵌めようとしたのかと思っていたわ」

「そんな! 滅相も無い!」


 ウレインは慌てて首を振った。

 そして、元々背すじをピンと伸ばして座っていたのに、姿勢を整え直した。


「でも、会長とは建設的な話は出来ないと思うの。だから面会なんてしない」

「りょ、了解いたしました……。では、そのように伝えさせていただきます」


「ホテルも出ますね。たくさんお世話になったので、もうこれ以上はお邪魔出来ないですから」

「なっ! なぜです! 何かお気に召しませんでしたか? 改善出来る事は何でも致しますので!」

 ――この取り乱し様も、嘘をついているようには見えない。



「だって。最初に言ったじゃない。一週間くらいにしましょうって。それでも過分だったもの」

「いえいえ! 申し上げましたように、あのお部屋はもう、聖女様のものです。お渡しした書類も全て本物でございます。ですからこれまで通り、聖女様の家としてお使いください」


「本気だったんですか? はぁ……。でも、頂けません」

 この人は……やっぱり、本心でそうしているらしい。


「聖女様……。私も一代でのし上がった男です。二言はございません。聖女様が今はお住まいになられなくても、あのお部屋は聖女様のものという事実は変わりありませんので」

「むぅ……。頑なな人ね」


「ふふ、聖女様もなかなかに意志の強いお方ですね」

「はぁ、もう、わかった、分かりました。理由を言います」


 本音は、人の悪口を言うみたいで言いたくなかったけど。

 でもこれを聞けば、ウレインも折れてくれるはず。


「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

 と思ったら

  

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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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