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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  三十二、兵士の手記


 空飛ぶ車の中は、ずっと沈黙が続いている。

 シェナは睨み飽きたのか目を閉じているけれど、レモンドは依然恐縮したまま、大きな体を小さくして運転している。

 速度が出ないのか、安全運転を心掛けているからなのか、王都にはまだまだ着きそうにない。


「ねぇ、レモンド」

「はっ、はいっ」

 魔王さまが、滅ぼされた村の生き残りだという話を聞きたくて、声をかけた。


「今の魔王さまが、三百年前の戦争の生き残り。というのは本当なの?」

「ほ、本当なようです」

 あまり緊張されていては、こちらも話しにくいものがある。


「レモンドにはそんなに怒ってないから、普通に話して」


「あ、ありがとうございます……」

 と、彼は言ったのに、沈黙が続く。



「……じゃなくて、続きを聞きたいの。なぜそう結論付けているのかとか」

「ああ! そういうこってしたか。それには……地理の話もせんとならんですが、かまいませんか」

 やっぱり、バカな女だと思われてる?


「分かるように話して」


「ええ。そんじゃとりあえず、魔族の国の隣が、この国だってのは何でか、ご存知ですかぃ?」

 それ、ファル爺に教わったかしら……ううん、ないような。



「……大昔に、自分たちで滅亡させた時の、生き残りが逃げて集まったから?」

「ご明察です! そんで、いわば国を半分にしてしまった。ちゅうことだと、皆思っとるわけです。そんなの、自業自得だとあっしらは思うんですがね」

 レモンドは一人首を振り振り、やるせない感じで話を進めた。


「それから長い年月が過ぎ、死んだ土地のはずが魔族の国に緑が戻り、土地も生き返っている事を知っちまったようです。そん時、王国はそれなりに力を取り戻していて、王は好戦的なお人だったという、悪い条件が重なったようです」


「まさか、元は自分たちの土地だったとか言って、攻め込んだの?」


「その通りでさぁ。さらに悪いことに、魔族達は土地を再生するために、領土全域、国境付近まで広く薄く、小さな村を点在させていたようで」

 ……それでも、魔族の力があれば、魔王さまの半分以下の強さとしても数人居れば、人間の軍隊程度に負けはしないはず。


「聖女様や、お付きのシェナ様ほどに強い魔族は、当時ほとんど居なかったらしいですな……」

「――えっ?」


「確かに魔族は、人間よりかは遥かに強い。でも、数十人で数万の軍を相手には、さすがに出来るもんじゃねぇです」


「……シェナならきっと出来るわ」

 魔族は、もっと、圧倒的な強さなのだと思っていた。



「そりゃあ、百年二百年を訓練に費やしたような、特別な魔族ならそうかもしれませんが。普通の魔族は、記録によれば、人よりも少し強い程度だったようです」

 そう言われると、私は魔王城の皆しか知らない。

 彼らは皆、強かったけど……たしかに兵士だから、特別だったのかもしれない。


「そん時の記録……最初の村を襲った時の一人の手記に、こうあったらしいです。『一人、少年が逃げた。俺しか気付いていない。全員残らず殺せとの命令だが、俺には出来なかった。こんな虐殺に、正義なんてない。願わくば、どうか彼だけでも生き延びますように』と」


 レモンドが沈んだ声で言うものだから、私もつられて目頭が熱くなった。

 戦争の話は、辛くて嫌な話ばかりだ。



「そんでも、その後に中央の方まで攻めてったら、結局は強い魔族が出てきて敗走したようですがね」

「そうじゃないと、魔王さまも居ないことになっちゃうもの」


 ――いや、そういう話じゃない。

「待って。その手記にある魔族の少年が、今の魔王さまだというの? どうしてそうだと言い切れるの?」


「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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