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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  十四、軍事転用の心配



「戦争ですか……そういえば、先程はそのお話の途中でしたね。心配していたと」

「はい」

 強く頷くと、完璧な紳士は私たちにソファを勧め、そしてお茶の用意を始めながら語り出した。


「我々転生者は、違う世界に来てまで戦争などしたくありません」

 彼は悲しそうな顔をして、けれどすぐに、笑顔に戻した。


「ただ楽しく生きたい。それだけなのです。そこで、エンジニアの転生者を中心に、商工会ギルドを創設致しました。我々の技術を戦争には使わない。使う時は、攻め込まれた時だけだと」

 いわゆる、専守防衛ですね。と付け加えた。

 そしてそれは、王国に対しても同じであると。


 つまり、兵器は持っても、王国にさえ自由にはさせないということらしい。

 とはいえ、騎士団長の使っていたものは何だったのだろうかと、顛末を軽く説明をしてから聞いた。



「それは数世代前の兵器で、王国に買い取ってもらった物ですね。ご迷惑をおかけしてすみません」

 彼は申し訳なさそうに、まさかそんなことになるとは、と深く詫びた。

 それにしても、型落ちで弱いから、ということはこの商工会、今はもっと強い兵器を持っているということだ。


「そうなんですね。あ、でも……私、同じ転生者の、勇者と黒い人にも襲われましたけど……」

「あぁ、そうでしたか……」

 更に眉間にしわを寄せた彼は、渋い表情のまま続ける。



「実は、我々転生者には二通りある。という結論を出しています」

「二通り?」


「ええ。聖女様はおそらく、女神様のお姿をご覧にはなっていないのでは?」

 見ていないと何かよくないのかと、息を呑んでしまった。


「は、はい。女性の声だけでした」

「そうだろうと思っておりました。聖女様はお優しいですからね」

 また破顔して笑む紳士は、満足そうに頷いて、そしてポットからティーカップにお茶を注いでいく。

 いつかテレビで見たような、随分と高い所へとポットを掲げながら。



「や、やさしいかどうかはわかんないですけど……それ、凄いですね」

 あれを零さずに淹れるには、どんな訓練をしたのか気になってしまった。


「味は変わりませんが、見栄えがしますので」

 そう言ってウインクをして、お茶を運んでくれた。

 意外とお茶目な人なのかもしれない。



「女神様は少なくとも、二柱あられて……そのどちらに転生を受けたかで、おおよその人となりが分かるのです」

 女神が二人というのは、考えたこともなかった。転生者同士でコミュニケーションが取れるというのは、大きい。


「姿を見せ、少し自己中心的な振舞いの女神様に転生を受けた者は、粗野な面が目立ちます。勇者と賢者の二人は、こちらで間違いございません」

 やっぱりあの二人は、粗野なんだ。割と酷いことされたものね。


「が、御姿をお見せにならず、声だけの女神様に転生を受けた者は、人が良く温和な人物が多いのです」

「それは、本当に?」

「はい。間違いございません」


 きっぱりと断言されて、少しホッとした。

 少なくとも私は、死ぬ前は良い人間だったらしい。今もそうだといいけど。


「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

 と思ったら

  

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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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