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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  七


 私は先ず、魔王さまについて何か変わった感じはないか、と尋ねた。

 はて……。と、首を傾げながら、ファル爺は国防に関する事なのでと言いながら、過剰気味に、さらに防備を固める準備はしていると答えた。


「そういうことじゃなくて……たとえば、睡眠時間が短いとか」


 伝わっていそうで伝わっていない言葉に、私は机をトンと叩いて聞いた。

 すると途端に照れた様子で目を逸らして、歯切れ悪く、それはまぁ……と。

 確かに、聞き方としては夫婦の営みを想像させただろうけども。


「そ、そうじゃなくて! 私、魔王さまが眠っているところを一回しか見ていないんです。それもうなされてて――」



 そこまで言うと、ファル爺は真剣な顔でこちらに向き直った。

「うなされておられた。ですと?」

 うんうんと強く頷いて、その続きを期待する。


「……魔王様も、お若い時は色々とご苦労をされておりますゆえ。何か嫌な夢でもご覧になったのでしょう」

「たとえば?」


 ファル爺は少し、話を濁したような気がした。

 核心から遠ざける様な、曖昧な答え。

 最初はもっと、重要なことを察したような素振りだったのに。



「そうですなぁ。人族に対してご容赦をなさる手法に、若い衆からの反発があった事、などなど……いやいや、今はその深いお考えに皆が賛同して、反発する者もおりませぬが」

「……ファル爺。何か隠してるわよね」


 そんな、今は解決したような話で、あの人がうなされるわけがない。

 魔王さまの力をもってしても、及ばなかったような事件なりがあったはずだ。



「王妃様……。爺めは、魔王様と出会ってから長い方ではありますが……それでも魔王様が、今と違わぬお力を持ってからでございます」


 ファル爺の神妙な顔つきを、初めて見た。

 いつも飄々としているようで、けれどそれは、周りをしっかりと見て道化を演じているからだ。

 それほどの人物が、ここまで真剣な表情をするなんて。


「ですから、それ以前に何をご経験なさったのか、爺には分かりませぬ。語る事もなさらぬお人。それを聞き出せるとしたら、王妃様以外には……」

 そこまで言うと、ファル爺はゆっくりと腰を上げた。



「頼りになれず、申し訳ありませぬ」

 本当に申し訳なさそうに、頭を下げて部屋を出て行ってしまった。


「あ……」

 何か、言葉を返そうとしたけれど、咄嗟には何も出て来なかった。



 謝らせてしまったことに、ごめんなさいと言いかけて。

 だけど、何かは隠している。

 それを聞いてくれるなと、あの優しいファル爺が話を切り上げてしまった事に、ショックだったのとが合わさって。


 何も言えなかった。


「……余計に気になるのに、もう、誰にも聞けなくなっちゃったじゃない」



「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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