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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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第二章  四、広がる興味とささやかな心配ごと


 さすよめ。なんて言葉を聞いたからか、王都に居る転生者たちに興味が湧いた。

 割とたくさん転生して来ていると、前に聞いていたのも思い出した。

 どんな人が転生して、どんな生活をしているのか。


 ――会ってみたい。


 私みたいに、命を狙われたりしたのかとか。

 それとも、そんなことは一度も無くて平和な人生なのか。



 私は今かなり、気持ちが落ち着いているらしい。

 こんな風に他人に興味を持つなんて。

 それも魔族の皆ではなくて、人間に。


 きっと日本から来たのだろうとか、でも、もしかすると外国人の転生者もいるのかもしれないとか、妄想が膨らむ。

 簡単な英語さえ話せないけど、ここの言語に統一されているだろうから……大丈夫だろうし。


 ――この日の残りは、そんなことを考えながら過ごした。

 いつも通り平和で、何をするでもなく過ごす日々の、その一日。

 少し物足りなくもあり、だけど、安心で満たされた時間。



  **



 真夜中を過ぎて、もう明け方だろうか。

 薄く、申し訳程度に窓の角を照らすのは、星々や月明かりでは持ち得ない力強さがあった。



 ――今なら、魔王さまよりも早起きなのでは?

 初めて、魔王さまの寝顔を見られるかもしれない。


 私にとっては完璧で、非の打ちどころのない魔王さまでも、寝顔くらいは間の抜けた顔でも構わないし、むしろそれを見てみたい。

 そう思って、背を向けていた姿勢から、振り返ろうとした時だった。


 ――うめき声を聞いた。


「う…………うぅ……」

 低く、重く、鈍い苦痛を思わせる、唸り声のようなうめき。



「魔王さま?」

 早く起こして差し上げなければ。


「魔王さま、魔王さま」

 驚かないように、だけどなるべく強く、体を揺する。

 優しくしても、起きてくれなければ意味がないから。



「う……。サラ」

「魔王さま。うなされてましたよ? 怖い夢でも見たのですか?」


「サラ……。来い」

 薄目を開けた魔王さまは、夢を引きずった怖い顔のまま私を抱き寄せた。

 腰に回された腕は、いつもより少し強くて、少し震えている。



「……ちゃんと、お側に居りますよ?」

 私を襲う時の獣の目ではなく、私をやっと探し出したかのような、そんな目をしているように思って、そう伝えた。

 いなくなんて、ならないですよと言った方が良かっただろうか。


「……それならいい」

 気持ちが伝わったのか、魔王さまはいくぶん安堵したような、穏やかな呼吸に戻られた。

 そして私の胸に顔を埋めると、おもむろに、ネグリジェごと舌を這わせて私を鳴かせようとする。


「あっ……もぅ、魔王さまったら。うなされてらしたのに」

「ああ、そうか……起こしてくれたんだな。ありがとう」



 このまま抱かれるには、私の気分が乗りきらない。

 魔王さまがうなされるようなこととは、一体どんな内容の夢なのか、さっきからずっと気になっているから。


 そういえば――。

 私は、魔王さまが眠っているところを、今さっきを除いて見たことがない。


「魔王さま、ちゃんとお休みになっていますか? 求められるのは嬉しいのですが、ちょっと気になって……」

 その問いには、答えるつもりが無いのかと思うほどに、私の胸の先端を弄んでいる。



「あぁ、休んでいるさ」

 ちらりとだけこちらを見て、息継ぎのついでに、という感じのそっけない返事。

 でも、いつもの獣の目に戻っていた。


「もぅ……」

 その非難は、魔王さまには届いていない。

 スイッチが完全に入ったのか、それともまだ、悪夢を引きずっていて、それを払拭したくてそうなのかは分からないけれど。


 こうなると、私が逃げるそぶりを見せようとも、容赦なく取り押さえられる。

 むしろ、嫌がるような仕草はスパイスになってしまうらしく、より一層、いつもより執拗に求められてしまう。


 その頃には私も、その気になってしまっているのだけれど――。




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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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