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【完結】聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~  作者: 稲山 裕


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    ホームシックと、熱病と(二)

 イザリスさんは、引き込まれるくらいに優しく微笑んでいた。

 大きな瞳には慈悲と慈愛が込められているような、その目を細めて……まるで女神様みたいに綺麗な人の、やわらかな――。

 ――く、くちびる?


********



「んんっ! ちょ、ちょっと。何するんですか」

 随分と顔を近付けてくるなと思っていたけど……。


「んふふ。いいじゃない。あなたを見てると、な~んか、いじ……コホコホ、可愛がりたくなるんだものぉ」

「今いじめたいって言いかけましたよね?」

「そんな話し方やめてよぉ。キスした仲じゃん?」

「か、かかか勝手にしたんじゃないですか!」


「もぅ。ウブねぇ……ほんとに魔王様と、毎晩してるのぉ?」

「し、しりません!」

「隠さなくてもいーじゃ~ん。それに全部知ってるわよぉ。あの御方、性欲つよつよだもん。抱かないワケないじゃない? ホントは私が隣に居たかったのになぁ……」

 急にションボリとした顔をされて、イザリスさんも好きだったのかと胸が痛む。

「え、そ、それって……」


「まぁまぁ、いいじゃないそんなこと。今はあなたが側にいるんだからぁ。嫉妬はしちゃうけど、本気でいじわるしたりはしないのよ? だって、二番でも三番でも私は構わないし~」

「え、ええええ? そ、そういうのなんですか? ま……魔族って、やっぱり割と自由なのかな。独り占めとか、魔王さまに嫌われちゃうかな」


「かーわいぃ! 大丈夫よ、二人で決めることだから。サラ。あなたが嫌なら断ればいいし、お相手をするのが大変だと思ったら、あなたから提案してもいいのだし」

「そ、そうなんだ……」

「うんうん。その時は、絶対に私を候補にしてね? 私も大好きなんだもの」

 ――えっちが、とかじゃないわよね?


「いま、ちょっとだけ失礼なこと考えたでしょ」

「えっ。い、いや、その。……うん、ちょっとだけ」

「まぁね、こんな格好だし? でも、私も魔王様ひとすじよ? 人間で遊ぶときはね、美味しいものをご馳走になったあと、ベッドで夢を見させておしまい。魔力操作でそういう夢を見せてあげれば、現実との区別なんてつかないから。チョロいわよぉ」


「おぉぉ。そ、それで生気を吸い取る的な?」

「えぇ? まさかぁ? 人間なんてほとんど魔力持ってないのに、取るものなんてないわよぉ。王都で遊ぶお金とか、美味しいものを食べたいとか、そんなご利用目的よね。サラにも夢魔の魔法、教えたげよっか」

「ええ~…………ぅうーん。やめとく」

「そっかそっかぁ。――あ、解析おわったっぽーい」


「ん? かいせきって?」

「あなたの魔力、ぶっちゃけ暴走しかけててさぁ。大変だったわよぉ? も~のすごい魔力量なんだもの。魔王さまに付き合えるワケよねぇ、私だったら……毎日なんてぜぇっっったいに無理。イキ狂って死んじゃうかも? すごい幸せなんだけど、ねぇ……一日でも大変だもの」


「な、何の話なのよ。聞いてる方が恥ずかしいじゃない」

「アハハ。とにかく、もう大丈夫だから。辛かったわね。まだ幼いのに、優し過ぎるとたくさん傷ついてしまうもの。でも、もう平気。それにあなたの願いは、どっちも叶えてもらえてるはずよ。原初の神々は、お優しいから――」



  **



「起きて。サラ。起きないとこのままぁ……いっぱいキスしちゃうわよぉ?」

 ――耳がこそばゆい……。

「ほらぁ。みみたぶ噛んじゃう~」

「ひゃあっ!」

 耳に……舌を入れられた感触と、そしてほんの今、耳を甘噛みして舐められた。


「あーあ、起きちゃった」

 ほんとに残念そうね。顔近いままだし。

「もっと普通に起こしてよ。こんなの、へ、ヘンタイじゃない」

「え~? 女同士もいいものよぉ?」

 この人、隙あらばキスしようと……赤らめた頬で、ほんの少しだけ口を開けて……魅了されそうなえっちな顔で迫ってくる。


「ぃ、いい、いい。そんなのはいいってば!」

 なんとなく、少しくらいならいいかもしれないと思わせる……これも夢魔の魔法かもしれない。

「ちぇ。抵抗されちゃった」

「や、やっぱり魔法かけようとしてたの?」

「だってぇ。さっきは即落ちだったんだもん。ぐっすり眠れたでしょ?」


 ――あれ?

 そういえば確かに……寝てた。ベッドの縁に座ったままで。

「あ。キスされたとき?」

 でも、寝心地はとっても気持ちよかった。

 ……たとえば、目の前の。

 たわわな二つの温もりに、頭を挟まれていたような。


「せーかぁい。さすがにその魔力だと、才能もハンパないわねぇ。本気で嫉妬しちゃう」

「むぅぅ。油断ならないわね」

 違う……この人も――イザリスさんも私のために……心を砕いて、癒してくれてるんだ。


「まぁまぁ。ほら、魔王様が心配して私をお呼びなされたんだから。元気になった姿を見せてあげなさいな」

「なんか、急にお姉さん……」

「そうよぉ。私の方が、当然おねーさんよね?」

 ……私に合わせて、いたずらな言葉を選んで元気付けようとしてくれている。


「うん……。その、ありがとう……ございます」

 思い返すとなんだか照れてしまって、口調が戻ってしまった。

「も~、せっかく仲良しな感じだったのに、またその感じに戻っちゃうのぉ?」

「う、ううん。ごめん。えーっと、その。何て呼んだらいいかな」

 イザリスさんは、なぜかそこで照れながら言うものだから、そのはにかんだ笑顔で一気に、大好きになってしまった。


「リズって呼んでよ。でないと、聞こえないフリしてやるから」

 私も、泣き腫らした顔だけど、素直に微笑んで答えた。

「うん、わかった。……リズ、大好き」

「ちょ、それは反則でしょぉ?」

 顔を真っ赤にしたリズに、そのあと魔王さまが戻るまで……たわわなそれに顔をむぎゅむぎゅされ続けた。



「おもしろい!」「続きが気になる、読みたい!」「今後どうなるの!」

  

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 何卒よろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕



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