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消えた弟  作者: しおやき
第二章 承

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30/73

くそ田舎



「・・・・」


(通知・・・なしか)



スマホの画面を明るくすると待受しか映っていない。

お母さんからの連絡はなくて、けいすけは帰ってきてはないのかと思った。それでも、もしかして俺が言っていたことを忘れてないだろうなと少しばかり不安が心を覆っていく。


「・・・電話してみようかな」



電話帳を開いて母親の電話番号をタップ。

受話器のマークに親指で触れて耳に当てた。


(・・・・・)


当てたスマホの画面からは無機質な着信音が聞こえてくる。数十秒経っても鳴り続けていて、途中で諦めた俺はそのまま電話を切った。



「どーなってんだよ・・・・・」



小学校にけいすけは居ない。

家にも多分まだ帰ってきてない。


様子がおかしい母親に、けいすけが会った知らないおじさんと、吉木さんの家で起こった物取り。そして黒木さんが話していた事。



「・・・変な人」



謎ばかりが積み重なって、なんの答えも見つからない。


(情報が少なすぎる。スマホで検索かけたいけど・・・見つかったら厄介だし)



そもそも背丈が同じだから同一人物じゃないかと思っている黒木さんたちが言っていることも半信半疑。誰も確認をしていないし・・・・、というかできない。


共通点がそんな不確かな情報だと、その人を実際に見たことのない俺からすれば、仮に似たような背丈の人が2人以上たまたまこの田舎に同時期に居たら、俺にはけいすけが会った知らないおじさんがいったい誰なのか判断のしようがない。




「一気に色々起こりすぎだろ・・・・」




(・・・なんで・・こんなくそ田舎で)



考えているうちに、さっき聞こえてきた滅多に聞かないサイレンの音が頭の中に流れてくる。何も分からない状態で聞くサイレンの音があんなに不安を煽って不快にさせることは知らなかった。



黒木さんから教えてもらったことが次第に気になり始めて、次に行く場所も定まってない俺は被害にあった吉木さんの家に行くことにした。



スマホはポケットに入れて、もと来た道を引き返すようにまた走り出す。吉木さんの家はどこら辺だったかと自分が今居る位置から、最短で行ける道を頭に描きながら流れる汗を手で振り払った。



「はぁはぁ・・・・・」





気持ち悪い空の色は相変わらずで、いつ晴れるのかも分からない。 天気予報をもっとちゃんと確認すべきだったと、そんなくだらないことを考えてみてもどうにもならない。



(くそっ)



家族以外の誰かに聞いて、家族以外の誰かに相談して・・・何かしら助けを求める事ができれば、情報共有できるようにしていれば。




「・・・・けいすけっ」





頼む。無事でいてくれと、見たくもない未来を振り払って、どこに居るのかも分からない弟の安否を、足を使って探しだすことしか出来ない自分に不甲斐なさを感じた。




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