75話 投与
ブルーの〝居城〟
キーシャは、高層階のスィートルームで囚われていた。
朝日が注ぐその部屋のダブルベッドでキーシャは眠っている。
「おはよう、キーシャちゃん!お薬の時間ですよ」と一人の若者が入って来る。
その若者は、〝ササキ〟の取り巻きの一人で、白衣を着た青年である。
「うーん?おはよ〝ヨシダ〟」キーシャは、ぬいぐるみに囲まれたベッドで身体を起こす。
「気分はどう?」とカートにクロワッサンやフルーツ、ハムエッグなどの朝食と一緒に一本の注射器を携えキーシャの側に寄る。
キーシャは、「〝ヨシダ〟キーシャお注射しなきゃダメ?」と聞く。
〝ヨシダ〟は、「このお注射はね、キーシャちゃんの身体にあるウィルスを消す為なんだ!〝ササキ〟さんと恐竜のブルーさんは、悪い人じゃないよ!ジョーカーさんが持ち込んでしまった〝ウィルス〟を退治しようとしてるんだから!パパやママもお注射しなきゃいけないんだけど、怖いのかな?皆んなお注射?キーシャちゃんは偉いね!お注射我慢するから!お注射したら、朝ご飯食べようか?」とキーシャの腕に薬品を投与する。
キーシャは、「うん!キーシャ我慢する!お父さんもお母さんもお注射すればいいのに‥」と虚ろになる。
〝ヨシダ〟はキーシャの目の前で指を左右に振る。
「キーシャちゃんは〝偉い〟」と低い声で、語りかける。
キーシャは、「キーシャは偉い‥」と催眠状態になる。
〝ヨシダ〟は「キーシャちゃんは、パパとママにお注射をする為に皆んなと一緒にいく‥大きい怖い恐竜は、過去に帰ってもらおうね‥」と薬品の効果を使い、操るため〝洗脳〟行為を行う。
「キーシャ‥お父さんとお母さんに注射する‥病気になるといけないから‥大きい恐竜は嫌い‥〝ヨシダ〟?ご褒美のアイスクリーム頂戴?‥」
「アイスクリームね?何味にする?」と〝ヨシダ〟は洗脳が進んでいる事を確認し、冷凍ケースを開ける。
「キーシャ!ストロベリー‥」そう言って焦点のあっていない目でアイスクリームを見つめた。




