68話 アナログ無線
魚太郎が西田に見せたのは、アナログの無線機であった。
魚太郎曰く、一般業務用で10キロから20キロは、通信が可能であった。
西田は、「ほう!珍しい骨董品だな!どうしたんだ?まだ使えるのか?」と1995年生まれの西田にとっては、子供の頃〝タクシー〟でみた記憶しかなかった。
魚太郎は、「使用できるかは、保証できないっちゃ!施設長なら、直せるんじゃないですか?なんせ、珍古品なんで!1000万で、いいですよ!」
と自信満々である。
西田は、「1000万!ずいぶんじゃないか!普段からの馴染みとは、思えない!500万だ魚太郎!」と凄む。
魚太郎は、「ひ〜、こわ!じゃあせめて、700万で!勘弁してくださいよ、仕入れ値割っちゃう!」
と大層な仕入れをしたようである。
西田は、「仕方ないな550万で、手を打とう!うち以外に売るあてあるのか?」と上手である。
魚太郎は、渋々、550万で納得した。
子供達は、お菓子に夢中である。
そこで、キーシャが「1人、500ゼニーまで!破ったらお母さんに言うから、わかった?皆んな!」と
早くもリーダーの気質を見せている。
ジョーカーとガガの息子〝ソイ〟と〝トイ〟は山ほど抱えたお菓子を戻さなくてはならなくなった。
魚太郎は、西田は、そんな光景を満足そうに見ていた。
ショーン、ジョーカー、大輝、理沙、紗理奈は、ラッパとスジを連れ帰途についた。
ラッパは、「ありがとうございます!もしかしたら、監禁されてるのかな?とは思ってたんですよ!
一向にゼニーはくれないし、もしかして、俺たち〝売られて〟ました?」と紗理奈に聞く。
紗理奈は、「言ってたよ、若い男の子が好きな社長がいるって!」と顰めっ面で答える。
スジは、「ひー、神様、仏様、ショーン様」と拝んだ。
ショーンとジョーカーは、頭を掻いた。
そんな一向を建物の陰から、10頭以上のヴェロキラプトルの群れが見ていた。




