63話 月地
大輝達、帰ってきた15人は、西田の案内で辛うじて守っている〝基地〟へ入った。
1番はしゃいでいるのは、〝博士〟であった。
風呂は二つしかなかったが、女性と子供を優先に、
〝お湯〟の恩恵を受けた。
ジョーカーは、ショーン、理沙、ガガ、大輝、ナッパにここ5年で起きた事をはなした。
自分が〝義手〟になった出来事もである。
西田が、夕食の調理を終え、話に加わる。
〝お刺身〟の魚をおろしたのは、西田であった。
西田も、〝タイムラグ〟を過ごし60の声をきいた。
「何が持ち帰ったものはあるか?」とショーンに聞く。
ショーンは、「恐竜の臓器は、3種5体といったところです」と答える。
西田は、「本当か!新種の臓器が、1番〝ゼニー〟になる!」と声を上げた。
ジョーカーが説明する。「もはや、世界全体、政府が機能してない、いや、機能してる国もあるかもしれないが、ネット、デジタル回線に、繋げる事は
自殺行為だ、すぐに恐竜の餌食になる。通貨、ドル、円、フラン、全てただの紙だ、世界全体で物々交換になっている。が、この辺りの独自の通貨が
〝ゼニー〟だ!ここの施設にもほとんど〝ゼニー〟はもうないんだよ‥」と財政難を申し訳なさそうに話す。
大輝が「ヴェロキラプトルの臓器もありますよ!」
と言うと西田は、「本当か、〝原始〟ヴェロキラプトルのだな!一億ゼニーになる、でかした!食料も武器も、色々補給できる!こうしてはおられん〝銭バア〟に連絡だ!」と部屋の隅にある〝黒電話〟に向かい胸から、手帳をだす。
その様子をあんぐり見る、〝帰還者達〟にジョーカーが「1960年代ってところかな?あれは、アナログ電話だ、独自のアナログ回線のネットワークだ、
〝ブルー〟達もアナログ回線には、手出しが出来ないんだ、施設長の右手、埋込端末の除去手術をしてある。除去手術を躊躇った者は大抵犠牲になった‥」と説明する。
西田は、「ふむふむ‥」とやや暫く話し、電話を切った。
「ジョーカー、人選して、明日月地へ向かってくれ、疲れてるところ悪いが‥」
と申し訳なさそうに言うが、ジョーカーは「いきますよ!5年ぶりに会った息子達に腹一杯食べさせたいですからね」と答える。
ガガが「当然アタシもいくよ、1時間でも放っといたら、刺してやる」とジョーカーにせがんだ。
ローザ、サトピン、紗理奈が、風呂から上がり、
「男性陣、入りなさい!臭いわよ!」と笑い上機嫌である。
西田も、「早く入って来なさい!魚の鮮度が落ちる」と誘った。
夕食は、束の間の安息であった。




