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52話 月
紗理奈は、独り河原で大輝の事を想っていた。
〝生きているんだろか?〟
〝現代に帰れたんだろうか?
〝私は忘れられたんだろうか?〟
そんな答えの無い自問自答を繰り返す。
片目を狩り、ショーン達6人は帰ってきた。
それは、喜び満ち溢れた凱旋とは違い、只〝大輝が怪我をして、現代に送った〟それだけの報告であった。
紗理奈は、
〝大輝〟〝大輝〟〝大輝〟と繰り返す。
河原の水は、当たり前の様に変わらず流れ、
月は、仄かな光を写すだけで、決して紗理奈を慰めてはくれなかった。
紗理奈は、心で、
〝お月様、大輝とまた逢えるなら‥〟
〝また、抱きしめられるなら‥〟
〝お顔を見せて‥〟
そんな願いを込めた。
すると一陣の突風が吹く!
火山灰で、覆い隠された月が顔をだす!
紗理奈は、瞬間〝大輝をお助けください!また、逢わせてください!〟
と願った。
10数秒お月様は顔を出し、〝紗理奈‥わかりました〟
と言ったようであった。
紗理奈は、2年ぶり見た月が、これ程綺麗なのかと、
自然と涙がながれた。
その涙は、川に落ち、時の流れの無情さを象徴した。




