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恐竜の遺伝子を持ち帰れ!タイムマシンによる狩猟命令  作者: 霞 芯
1章 タイムカプセル
43/88

43話 ジョーカー

 現代 最下層の病院


 ジョーカーは、妹 優実の手を握っていた。

優実は、かぼそい声で兄 ジョーカーに伝える

「お兄ちゃん?アタシはもういいの、後はこの病院で、いずれ植物状態になり死ぬだけなの、もう充分

これ以上アタシの為に犠牲にならないで‥」

ジョーカーは、何も言えず、只、手を握り返す。

こんな事を口走る「当てがあるんだよ、手術の金の、詳しくは言えないけど、早ければ一週間でカタがつく、逆に一週間でもどらなければ、優実の想像通りになる。俺も側にいてやれない‥寂しい最後になるが‥賭けてくれないか?俺に?覚えているか?

子供の頃のお祭り、射的に二人の有り金全部突っ込んだ時の最後の千円、お前は、黙って俺に賭けてくれて、取ったろ!あの〝ぬいぐるみ〟‥あん時と一緒だよ、兄ちゃんは、最後はやるんだよ‥一週間‥俺に賭けて、待っていてくれ」そう言って、涙ぐんだ目で、精一杯のウィンクをして、

「後でな」と言って病室を出た。


闇医者の診療所


ジョーカーは、手の甲の〝埋込端末〟の除去施術を受けた。

〝埋込端末〟を外すのは、犯罪者が殆どであった。

ジョーカーは、自信があった。

唯一の生還者、〝渋谷ショーン〟が体外人であることを、知っていた。

また、一度目の帰還の後もかたくなに、〝埋込端末〟を断ったことも。

〝埋込端末〟をなくす事は、戸籍をなくすも、同然であった。

でも、ジョーカーには、自信があった。

裏社会で、〝落伍者〟からの持ち込みデータを、〝はした金〟で買い取っていた。

ある日、エクストラエナジーのデータを売りにきた者がいて、〝タイムカプセル〟の製作図を手に入れたのだった。

ジョーカーは、全ての機器が、ソーラー充電に頼っていた事を知る。

 〝太陽がなかったら、破綻する〟

そんな漠然とした空想がやがて、〝蓄電池〟を積み

只往復するという契約をエクストラエナジーに持ち込んだ。

 ジョーカーは、帰ったら〝3億〟と言う金額を手にする事になっていた。


2050年


〝優実、待っていろ〟と心で呟き過去へ旅だった。

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