タイムマシンによる、恐竜の遺伝子の狩猟命令
2050年
エクストラエナジーという会社は、〝タイムマシン〟を開発した。
そのタイムマシンは、細かい年代まで指定は出来なかった。
実際にいけたのは、2億年前から1億年前の大体の時代に人と特別なケース〝タイムカプセル〟のみ転移が可能であった。
もともと、エクストラエナジーは、代替エネルギーの開発会社であった。
だが、太陽、風、水素、ガス全て石油ほどの効力はなく、世界は、石油が枯渇する寸前であった。
そんな時、ある科学者が作ったのが、〝タイムマシン〟であった。
タイムマシンの実験は、悲劇であった。
数千人という貧しいものを中心に、高額な治験費用目当てに、集まりはしたが、帰って来るのは、バラバラになった〝人体〟臓器が殆どであった。
そんな中、ある一人の帰還者が生まれた。
名前は、〝渋谷ショーン〟という30代の男であった。
彼は、1度目と2度目の帰還の際に、〝恐竜の臓器〟を持ち帰った。
その恐竜の臓器の遺伝子は、爆発的な科学の進歩をもたらし、クローンが作成され、〝新石油〟という
新たなエネルギーをもたらした。
だが〝新石油〟は、精製の過程に問題があり、
エクストラエナジーは、新たな恐竜の遺伝子を求めていた。
〝渋谷ショーン〟は2年前、3度目の転移のあと、
帰還しなかった。何かのトラブルか原因はわからなかった。
だが、彼の家族は、莫大な報酬を手にして、貧困層から、脱出した。
その様子は、メディアで報じられ、渋谷ショーンは、貧困層の〝伝説の男〟となった。
エクストラエナジーは、第二の〝渋谷ショーン〟を求め、募り転移させたが、全て失敗に終わっていた。
失敗した家族には、僅かばかりのはした金が渡されるだけで、貧困層からの志願者も減る一方であった。
2435回 タイムマシン転移者 選別会
この会場にいたのは、3人だけであった。
「本気か内臓バラバラになるだけだぞ!大輝!」
と身体のデカい男が、細身の男性に大声で話している。
話かけられている男は、横島大輝22歳の若者であった。
身なりから、貧困層であるのはあきらかだった。
大輝が身体のデカい男に話しかける。
「いくしかないだろ、未来は無いに等いんだから、なあ〝ナッパ〟」
「そんな、昔の漫画のサブキャラのあだ名はやめろ!俺には〝夏木八郎〟って名前がある!」
「夏八 ナッパじゃないか?」と笑う。
大輝は、自分がバラバラになるかも知れないなど
全く頭にない様子であった。
「それより、あの女の子も志願者か?」とナッパが言う。
部屋の隅に白のジャージに身を包んだ〝赤髪〟の女の子がいた。
大輝は、大して気にはならないが、場違いだな?と思った。
暫くして、エクストラエナジーの社員が入ってきた。