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春の瞳に、星のダイヤモンドを

作者: 逢乃 雫

窓辺に置いた


読みかけの


小説のページに



春の淡いそよ風が


ひらり 


またひらりと



光の(しおり)


差し込んでいくように




おだやかな光に


照らされながら



瞳に映るのは


やさしくゆれる


ルピナスの花



昇り藤の花々が


パステルカラーに


淡く色づいて



花の昇りゆく空は


その色と溶け合い



紅紫に色づきながら


夕星を浮かべて




春の夜空に


ダイヤモンドは輝いて



青く澄んだスピカと


黄金の獅子の尾


デネボラの煌めき


 

麦色に空を焦がす


アークトゥルスと


空に咲く藤の花


コル・カロリの光



ルピナスのような


色とりどりの星たちが



夜空に描く


春のダイヤモンド



花越しに眺めた


桜星夜の空は



いつしか豊かな


葉のシルエットとともに




明日への瞳に


ダイヤモンドは輝いて



深い地中から


二十億年の時を越え


生み出される


光の石があるように



漆黒の宇宙から


二百五十光年を越え


届けられる


光と色があるように



この惑星(ほし)は今日も


光とともに


明日への軌道を



時に立ち止まることも


あるけれど



それも大切な時


明日へはこの惑星が


運んでくれるから




四月の心は


ダイヤモンドに憧れて



(きず)さえも輝きに変える


その宝石に憧れて



ダイヤモンドは


ダイヤモンドでしか


磨くことが


できないように



人も、言の葉も


人で、言の葉で


磨かれていくのかも


しれない




四月は得鳥羽月(えとりはのつき)


鳥が翼を得るように



人にも


きっと言の葉の


翼があるから



光り輝く、


未来(そら)を目指して
















ダイヤモンドは、4月の誕生石で、約20億年前の地中深くで生成されたものとされます。石言葉は「永遠の絆」です。


ルピナスは、赤や黄、紫など様々な色の花を咲かせ、下に垂れる藤と逆の形で「昇り藤」と呼ばれます。花言葉は「いつも幸せ」です。


夜空を彩る「春の大三角」(おとめ座のスピカ、しし座のデネボラ、うしかい座のアークトゥルス)に、りょうけん座のコル・カロリを加えた四辺形は「春のダイヤモンド」と呼ばれます。地球から最も遠いのは、約250光年先のスピカです。


春の花や星、宝石をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] また、新しい花の名前と星の名前を知ることが出来ました。創さえも輝きに変えて……光の栞……言の葉がダンスしているようです。素敵な作品をありがとうございます。
[良い点] >光の栞を >差し込んでいくように が良かったです。 本のある窓辺から視線をルピナス、藤の花に、やさしくおだやかに、ページをめくるように導かれました。 ダイアモンドの原石が春のダイアモンド…
[良い点] 窓辺に置いた読みかけの小説のページが 春のおだやかな風にページがゆっくりと めくられていく様を光の栞を差し込んでいく と表現されているところから始まるところが 好きです。 ダイヤモンドの…
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