表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

謎の正体

「こんな夜に俺達の話を盗み聞きするとは何者だ?」


ローブシンが一歩前に出て俺たちに質問を投げかけて来た。


「私達はしがない一般市民です。それよりもあなた達にいくつか質問をさせてください、今日の戦闘の話についてです。」


ローブシンんからの質問を簡単に済ませ今度はアミからの質問が出てきた。


「何を言っているのかよくわからないな、憐れな魔族達はこの町を襲撃し俺がそれを護った市民達は喜び平和な生活を送ることができたんだぞ、それをした俺に対してなんて言い草だおいそこの女軽率な発言は良くないぞ。」


と今日起こった出来事を話し始め俺達に先ほどの会話の内容を逸らしたが、アミは再び質問を始めた。


「では少し内容を変えましょう、あなたが何故そこまで一方的に魔族達を撃退することができたんですか?」


「おいおい。俺の力を見ただろ?俺の力を持ってすれば魔族なんか敵ではない。逆に魔族達が弱過ぎて俺が困っちまうよ。」


「そうそこです、何故魔族があれ程弱くあなたがあれ程強く見えたんでしょうか?」

 

と、ここで驚くべき発言を言ったアミに流石にローブシンんも動揺しアミに向かって大きな声で叫び始めた。


「おい、いい加減なことをこれ以上言うんならただじゃおかねえぞ。」


ローブシンが背中に背負っていた大剣に手を添えいつでも攻撃をする対背になったがそれでもアミは臆する事なくローブシン達に話を続けた。


「まずおかしな部分としましては、魔族達の戦闘です。ゴブリンに大型犬が軍隊として攻めてきましたが、あれでは指揮官がいない軍隊が独断で攻撃することがまずないからです。あれではわざわざ敵に向かい死にに行っているようなものです。」


「じゃあなんだ?誰かがあの状況を意図して作ったとでも言うのか?」


「はい、それがあなた達だと言うことです。そして次に不思議なのはあなたの力の秘密です。その背中に背負っている大剣あなたのような黒色の騎士で到底扱える代物ではありませ。つまり、あなたは自分でも扱えない剣を使うことで実力以上の力を鼓舞していたのです。」


「つまり魔族の力を弱め自分たちは強く見せ如何にも自分たちは強いと言うことをアピールをしたわけか。」


俺がアミが言ったことを簡単に要約したがどうやら正解だったようだ。


ローブシンが演技をやめたのか今度は高らかに笑い始めた。


「ははははは、バレてしまったか。そうだ、あの間抜けな魔族をカッコよく俺が撃退することで俺の地位を上げ支配者としてこの町を俺の町として作るつもりだったのにまさかこんなにも早く異変に気付くものが現れるとは流石に驚いた。だがその事実を知ってしまった以上お前達を見逃すわけにはいかない。大人しく死んでもらおうか。」


先程とは打って変わって俺達に向けて殺気を強めアミに向かって大剣を抜き斬り込んできた。


容赦なく振り下ろした攻撃をアミは難なく躱したがそのまま地面に当たりドガアアーーン大気の音が響き渡った。


小道とは言え町の中でこんな音を出せば他の人も気付き数分もしないうちに誰かが来るだろう、その前に終わらせなければ。


「これ以上この街に被害を出すならばあなたの信用は無くなるんじゃないんですか?」


「心配要らねえよ。お前達のことは魔族が夜中に奇襲をかけてきた第一被害者になってもらうからな。そしてそんな魔族をまた難なく撃退したと再び市民は俺のことを歓喜するんだからよ。お前達はその礎になったもらうがな。」


もしもの場合を考え最悪事故処理として俺達を排除しようと遠慮することも立て続けに体験を振り上げてきた。


時間を稼いで市民達がこの騒動を発見して証人となってもらおうかとも思ったが逆に俺達が岐路に立たされ状況になってきてしまった。


「おい、アミ大丈夫か?」


すぐ俺の横まで退避したアミに俺はそう投げかけた。


「大丈夫です。あなたはそこで私の活躍を見てください。」


何だかまたいつものアミのように戻ったのか少し元気のある声で返事をしてきた。


なら大丈夫そうだな、と俺はそのまま動くことなくアミの戦闘を観察することにしたのだった。


「おいおい、女の方が俺に向かって男の方はただ突っ立っているだけか?腰巾着すぎるだろ。」


フードを被っていたアミが戦闘になった途端外し女性と知っての発言だったのか俺の方に罵声をする始末。


かなり余裕の勝利を考えているような感じだったがそうはいかないだろうと思っていたが案の定だった。


「お前如きあの人の手助けなど不要です。私の力だけで充分です。」


と言いローブシンが振り下ろした大剣を達人のように真っ向から受け止めた、しかもその力に対抗するばかりか力を押し返しているようにも見える。


「何だこの女どんな腕力をしていやがる、この俺の大剣を受け止まるだなんて。」


ローブシンも今度は本気で驚き動揺を隠しきれていなくなっていた。


「あなたはこの剣を振るうにも値しないちっぽけな人間です。あなたに振るう剣は灰にさせます。フロミネンス。」


彼女の両手から真っ赤な光が発生し数秒も経たないうちに剣が溶解になって溶け始めそして柄しか残らなくなった。


「ぐわああああ、熱いいいいいい、痛ええええええええ、なんだこの痛みは。」


ローブシンの手にも影響があったのかすでに手は焼かれ皮膚が剥がれるようにも見えた。


「あなたに無残にも殺されて魔族達の痛みはこれ以上の痛みだったはずです。あなたにはそれ相応の痛みを与えます。」


「ヒイイイイイ、こっちに来るなああ、俺に近寄るなあああ」


もはやローブシンは戦意を失い泣き喚く子供のように泣き腰が抜けその場に倒れた。


あれだけ強さを誇示していた人物がそれ以上の強さを持つ人物に出会うと戦意を失うなんとも醜い人物になってしまうものだな。


そして俺もそろそろこの場を退散するようアミにも言おうと思っていたが、もう一人の人物黒いフードを被っていた人物がいなくなっていることに気付いた。


そしてアミもそれに気づいていたのかローブシンに質問を投げかけた。


「ところで先程あなたと話していた人物は何者だったのですか?」


「おおお俺も詳しいことは知らないがこの町から最も近い都市の権力者に仕える人物でその権力者の橋渡しを仕事にしているらしいんだ。俺はそのお偉い人物には会ったことはないが何でもこの町を支配したならばたんまりと金を渡し色々ないい仕事を任せたいと持ちかけてきたんだ。」


もう勝負しても悟ったのか質問に律儀にも嘘偽りなく話しかけてきた。


「貴重な情報ありがとうございます。それでは▪️▪️▪️さん早くこの場を立ち去りましょう。」


といつものように俺の手を引っ張り足音がだんだん近づいてくるとは反対の方の道へ走り出した。


長く滞在することもなくなんやかんだでヤカタ町を出た俺達は次の場所に向かって歩き始めた。


「さっき言っていた次の都市の権力者ってのは一体誰のことなんだろうな?」


俺は隣に歩くアミに向かって気軽な感じで質問してみた。


「権力者と言っても複数名いるでしょうその中の一人なのかあるいは数人なのか、恐らく先程の撃退という名の虐殺は誰かが裏で画を描いているように感じました。」


少し吟味するように今日あった出来事について語り始めた。

 

「まず問題は魔族の方です。あんなに死にに向かうような魔族は私は見たことがありません。裏で手を引いたのが魔族なのか人間なのかもまだわかりませんが恐らくあれは仕組まれていたでしょう。続いてローブシンの力。あの時何者かが彼に肉体強化の魔法をかけていました。それがあの黒ローブかはわかりませんが人間側はまず間違いなくこれから向かう都市に居る人部が関与していて間違いないでしょう。」


なるほど、だからあの時やけに静かにローブシンのところを観察していたのか。


「だとすると、今回の事件は人間が仕組んだ計画であり、もしくは魔族も関与しているということか?」


「はい、魔族のあの行動を操作したのはどちら側の人物なのかはまだわかりませんが、仕掛けたのは複数人いることには間違いないかと。」


あのような演出を見せれば人間側の雰囲気を良いものに作ることができ魔族達の圧力にもなる。


そして自分たちが活動できる範囲を広め支配者になろうと画策した感じに思えてきたな。


「つまり今度はこの先に居る黒幕を探すことが次の目的なるのか?」


「そうですね。これ以上あの様なことができるだけ起こさぬ様急いで向かいましょう。」


とまた笑顔を取り戻したアミは体を回転しながら前に歩き続けた。


果たしてこの先の都市ヒーゼンでその人物を探すことができるのか、そして黒幕達の暗躍もこれ以上なるのかもしれないと俺は近い将来危険な状況に立たされるかもしれないと今からでも心に留めておいた。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ