大好き8
8、太兄の思い人
私は後期の学級委員になってしまっていたので今、私はというと…
「数学の荷物運びを手伝っています。」
私は一人つぶやいた。
*ちゃっかりカメラ目線バッチリです。
つまんない。
私はムスッとしながら歩いていた。
どうせあまり大切なのじゃないじゃない。
頬をふくらませた。
目つきが明らかに悪くなった。
荷物は重いし、数学室は遠いいし。
↑この学校には数学室という教室があります。
めんどくさい。
「大丈夫?ごめんね?重いよね。」
太兄が私の隣にきて心配してくれた。
優しいなー。
私は関心しながらそう思っていた。
「大丈夫だよ。」
私は太兄に笑顔で答えた。
本当はあまり大丈夫じゃないんだが…
「それにしても、本当に成長したんだな。」
太兄は何かを思い出すように言い放った。
太兄、本当に大人だ。
私は整った横顔を見つめながら思った。
「そりゃそうでしょ。」
私は太兄のほうをから目を逸らしながらつぶやいた。
私はちょっと残念に思いながらそう応えた。
「あんなに小さかったのにな。」
太兄はちょっと寂しそうにつぶやいた。
あの頃のことを思い出しているから?
それとももっと違うこと?
「太兄?」
私は太兄のほうを見つめた。
何か寂しそうだったから。
苦しそうだったから。
「あ、ついた。」
太兄は数学室の前で止まりそうつぶやいた。
さっきの顔は何処へ言ったの?
私は尋ねたかった。
「あ、本当だ。じゃあ、荷物置こうよ。」
私と太兄は数学室に入った。
ちょっと残念。
ガコッ
私はいろんなものが入っているダンボール箱を机の上に置いた。
黒板用の三角定規やら分度器やらが入っていてすごく重いこのダンボール箱を。
「あ、そうだ。色々手伝ってほしいときがあるかもしれないから、番号とアドレス教えてくれる?」
太兄は携帯をズボンのポケットから取り出した。
教師がそんなものここに持っていていいのか?
私は疑問に思いながらも…
「あ、うん。いいよ。」
私もスカートのポケットから携帯を取り出してしまった。
ちょっと太兄をカッコイイと思ってる女子のみんなには悪いけど。
「ありがとう。助かるよ。」
太兄は笑顔でそう言ってくれた。
心にしみるような気がする。
「いえいえ。」
私も笑顔でそう言った。
太兄の心にしみてくれるかな?
交換も終わったので…
「じゃあ、またね。」
私は数学室から出て行った。
このときにもう仕掛けが入ってたんだね。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
家…
私が勉強をしていたときだった。
ブー・ブー・ブー…
いきなり携帯のバイブが鳴った。
「メール?」
私は携帯を見ながらつぶやいた。
いつもは普通に思えたのだが。
「太兄だ。」
私はメールを見た。
ちょっと意識してしまうこの名前。
−−−太兄ーーー
−−−今から学校これる?手伝って欲しいことがあるんだけど…−−−
私はすぐに返信してしまった。
ちょっと嬉しくなった。
ーーー杏ーーー
−−−行けるよ。今から、行くね。−−−
私はもう一回制服に着替え直して、学校に歩いて向かった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
剣
『ありがとうございました!!!』
サッカー部のミーティングも終わり、後は帰るだけだった。
ポツ・ポツ・ポツポツポツ…
「うわ。やべ。」
みんながあわてて部室に入った。
いきなり雨が降ってきた。
「あ、ロッカーに折りたたみの傘があるんだ。取りに行こう。」
俺は思い出したので教室に向かった。
その時だった。
あれ?杏?
こんな時間に何で杏がいるんだ?
とっくに帰ったはずじゃ。
何か、胸騒ぎがしてきた。
着いていこう。
そうすればきっとわかるはずだ。
スタ・スタ・スタ…
ん?
杏が立ち止まったところは、数学室だった。
胸騒ぎが倍にしてきた。
数学室って、まさか!!!!
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ガラッ
「太兄?何?手伝いって。」
私は数学室の古い引き戸を開けながら尋ねた。
ちょっと心が弾んでいる。
「ああ、ちょっと、こっちへ。」
太兄は私を手招きしながら呼んだ。
太兄あの時と変わらない笑顔で私を引き寄せる。
「?」
私は一回首を傾げ、ゆっくり歩いていった。
その時だった。
バッ
いきなり押し倒されて。
「キャッ!!!」
ドン
いきなり太兄は私の腕をひっぱり机の上におさえつけた。
太兄の目は鋭く光り。
獣のような目だった。
「た、太兄???!!!」
私は泣きそうになりながら叫んだ。
目は大きく開き、腕は締め付けられ痛くなった。
「俺はずっと思ってた。杏ちゃん、君のことを。」
太兄は悲しそうな顔をしながら言い放った。
でも、目の奥が怖くなっていた。
「え?」
私は驚いた顔をしながらつぶやいた。
だって、太兄が私のことを思ってたなんて。
「杏ちゃんに会うためにどんなに苦労したか。俺のものになってくれ。」
太兄はそうつぶやいた後、私に顔を近づけてきた。
私は必死に腕を振りほどこうとしたのだが、太兄はびくともしなかった。
「ちょっ…んん!!!」
太兄は強く私に唇を重ねてきた。
いや!!!!!!!
バンッ
開くはずのない引き戸がいきなり開いた。
「ふざけんなー!!杏に触るんじゃねぇーー!!!!」
ガンッ
いきなり剣が太兄に殴りかかった。
いるはずのない剣が何で?
私は口を拭きながら驚いていた。
「やめて!!!剣!!!!」
私は学校中に響きそうなくらいな大声で怒鳴った。
自体は深刻なはず。
ピタッ
剣の今にも殴りかけそうな右手は微かに震えていた。
剣は口をかみ締めてすごく悔しそうに太兄のほうから少しさがった。
「どうして、どうして、君は遠くに行ってしまう?俺が君の恋人にはなれないのか?ずっと、思っていた。君の事を忘れるときなんて一度も無かった。」
太兄は顔を腕で隠しながらつぶやいた。
きっと泣いてる顔が見てほしくないのだろう。
私はその震えている太兄の手を握りながら。
「私にとって、太兄は優しいお兄さんだよ。それは変わらないよ?私には太兄はお兄さんとしか、見れない。だから、恋人としては見れない。ごめんね。太兄。でも、これからも私が困ってたら、助けてね。支えてね?」
私は泣きながら微笑み、太兄にささやいた。
太兄の心に響いてほしくて。
「ありがとう。杏ちゃん。」
太兄はうつむき泣きながら応えてくれた。
私にはあなたは何もならないのがわかった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
辺りはすっかり暗くなり、雨が降っている道を剣と歩いていた。
相々傘状態になりながら。
胸が早く大きく脈を打っていた。
「剣?何で、襲われたときに剣がいたの?」
私は剣に尋ねた。
ずっと、疑問に思っていた。
「傘を取りに行こうとしたら、お前がいたのを見つけておかしいと思ってつけていったら、その状態に遭遇した。」
剣はスラスラと話した。
無表情なのがなんとも言えぬ面白さを放っていた。
「そう…なんだ。」
私はうつむきながらつぶやいた。
笑いをこらえるのにちょっと大変になった。
「どうした?」
剣が私の顔を覗き込んできた。
その仕草がすごくかっこよくて。
「剣はズルイよ。」
私は気がついたら泣いていた。
何でだろう?
私は自分で困っていたとき…
ギュッ
いきなり剣は抱きしめてきた。
ガシャンッ!
……ッカサ
剣の持っていた自転車が倒れた音が辺りに響いた。
私は驚いて、力が抜けてしまい剣の黒い折りたたみ傘を落としてしまった。
「…剣?」
私は泣きながら剣を呼んだ。
剣に聞こえるように。
「黙れ。ずるいのはお前のほうだろ?」
剣は私のことを抱きしめている力を込めた。
強く力が入っているのであたたかかった。
「え?」
私は混乱しながら尋ねた。
大きくてあたたかいこの腕の中で迷い道に遭遇してしまった。
「黙って顔上げろ。」
剣は優しくささやいた。
その声は低くいのに、あたたかくてつい従ってしまった。
その時だった。
初めての感覚。
何か温かくて、ちょっと冷たくて、でも心地よい感覚。
あー…好きってこういうことなんだ。
剣の唇と私の唇が重なったとき。
剣。
私…
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9、小さい女の子
翌日…
私は学校に行こうと玄関を出て数歩歩いたとき。
ポンッ
いきなり私は誰かに肩を軽く叩かれそのほうに向いた。
すると、白くて私よりちょっと小さくて、お人形さんみたいな子がいた。
か、可愛い!!!
私はこの世にこんな子がいるなんて!!
と驚いていた。
「あのー。千里 剣君のお家って何処だかご存知ですか?」
女の子はまるで小鳥のさえずりような可愛い声で尋ねてきた。
手を口にそえながら困っていた。
「あ、はい。知ってますよ。この家です。」
私は私の家の隣の家を指さした。
相変わらず近い家。
「ありがとうございます。」
女の子は可愛い笑顔を見せながらお辞儀をしてくれた。
なんて可愛いんでしょう!!!!
私は一瞬にして心を奪われてしまった。
「いえいえ。」
私が満開の笑顔で言い放ったとき…
剣の家から剣が出てきた。
その時、突然女の子が剣のほうに走っていき…
ムギュッ
女の子は剣にいきなり抱きついた。
ガビーン
私は軽いショックをうけた。
「ウワッ!!!って、お前、いつ日本に!!って離れろ!!!」
剣はたじたじになりながら怒鳴っていた。
何か、知り合いって感じ。
「?」
私はただ首を傾げただけだった。
よくわからない。
「もう。剣ったら照れちゃってー!!」
女の子は嬉しそうに言い放っていた。
ムカッ
私は心の中でちょっとムカついた。
「あのなー!!いい加減にしろよ。」
剣は怒りながら、冷静に言い放った。
何か兄弟みたい。
「ブー。」
女の子は白い頬をふくらませながらいじけ、剣のことを離した。
「剣。この子って誰?」
私は疑問に思ったので剣に尋ねた。
ちょっと心の中でムカついたから。
「…剣?」
女の子は私のほうに向いたかと思うと、すごく怖い顔をしながら睨んできた。
う、小さいのに迫力がある。
「な、何?」
私は顔を引きつりながら尋ねた。
何か怖いー。
私はちょっとビクッとしながら思っていた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
これから起こることはとてもびっくりした。
このせいで私はむしゃくしゃした。
これってまさか…
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
次に続く…