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大好き  作者: 春月桜
1/12

大好き1

                  大好き


 1、カレカノやってます!!


 私は道妃娑みちひさ あん


 高ニのごく普通の女子学生。


 私にはすごい大好きな彼氏がいます。


 その彼氏の名前は由梨本ゆりもと 啓太けいた君。


 この彼氏は男女問わず人気者。


 そして、私の大好きな彼氏。


 今は、超青春真っ最中。


 この楽しさがいつまでも、続いてほしいと願ってた…。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


「送れちゃうー!!!何で携帯のアラームこんなに遅いのよー!!」


 私は走りながら独り言を怒鳴っていた。


「遅れるぞー!!!」


 私の隣を自転車で抜かしながら、一人の男が言い放った。


 この男は私の隣に住んでいる幼馴染の千里せんり けん


 私は小さい頃はこいつのことが好きだった。


 でも、今は彼氏がいるから諦めたけどね。


「うるさいなー!!あんたは自転車だからでしょー!!」


 私は剣に怒りながら怒鳴った。


「じゃあ、何でお前自転車で来なかったんだよ!!」


 剣はだるそうに私に言い放ってきた。


「しょうがないでしょ!!!」


「何がだよ。」


(だって、自転車で行ったら啓太君に持たせちゃって帰り道、手を繋いで帰れないんだもの。)


 私は心の中でむくれた。


「早くしないと遅れるよ?」


 剣は白い目で見ながら言い放ってきた。


「じゃあ、乗せてけー!!!!」


 私は大声で怒鳴った。


「もうついた。」


 剣は自転車を止めながら言い放った。


「えー!!!また走らされた。」


 私はむくれながら言い放った。


「歩きでくるからいけないんだろう?」


 剣はちょっと怒りながら言い放った。


「うるさい。」


 私は剣にそう言い残して教室に向かった。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 剣


 俺はあいつのことが好きだ。


 でも、言えるわけない。


 だって、あいつは彼氏がいるし、いなくてもふられることは決まってることだから。


 俺は今、無性に苦しい。


 大好きな人が他の男のものだから。


 あいつの彼氏とは俺は正反対だから、きっと俺はただの幼馴染にしかならない。


 男とは見ていないんだろうな?


 なあ、気づいてくれよ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 ガラッ


 私は教室に入った。


「あ、杏だー!!おはよう。」


 この子は私の仲がいい友達の天風あまかぜ 逸美いつみ


「おはよう。逸美。相変わらず元気だね。」


 私は逸美に呆れながら言い放った。


 いつもと同じ風景。


 いつも楽しいよ。


 だって、彼氏がいるんだもの。


 なのに…何か足りないんだ。


「おはよう。杏。」


 啓太君が私にさわやかにあいさつをしてきてくれた。


「おはよう。啓太君。」


 私は笑顔で言い放った。


 何にも変わらない愛しい、啓太君。


 なのに、私は胸が苦しくなる。


「近寄るなこのさわやかボーイめー、私の杏だぞー!!」


 逸美は私を抱きしめながらむくれた。


「俺の彼女だー!!お前のじゃないー。」


 啓太君は逸美に舌を出しながら意地悪そうに言い放った。


「二人とも朝から元気だね?」


 私は苦笑いしながらつぶやいた。


「まあね。杏に逢えたから。」


 啓太君はこういう言葉がすごく上手でいつも甘い言葉をかけてくれる。


 すごく好きなのに、大好きなのに。


 私は何か違うんだ。


 ねえ、誰か教えてよ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 2、帰り道


「今日はこれで終わりー。みんな気をつけて帰れよー。」


 先生がみんなに呼びかけ、教室は部活と帰る人で賑わう。


「帰ろう。杏。」


 啓太君が私に笑顔で誘ってきた。


「うん。」


 私はいつものように答える。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 スタ…スタ…スタ…


 ゆっくり歩く帰り道。


 啓太君は私の歩幅に合わせて、歩いてくれている。


 きっと、私のこと好きでいてくれるからこそしてくれることなんだよね?


 ねえ、何が私をこうさせてるの?


 ねえ、私は何でこの人のことを拒んでいるの?


 わかんないよ。


 ギュッ


 啓太君が私の手を握ってきた。


 ちょっと照れながら。


(可愛い。)


 私は心の中でそう考えた。


 ねぇ、私、何がつっかかってるのかな?


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 剣


 俺は今、帰ってる途中。


 何で、俺一人なんだろう?


 小学校、中学校、高一。


 全部行きも帰りも一緒だった、あいつがいねぇのかな?


 いつも隣にいたのって俺なのに。


 なあ、何でお前はあんなやつ選んだんだよ。


 なあ、応えろよ杏。


 俺はいつもむしゃくしゃする。


 あんな弱そうな男と楽しそうに話している杏を見ると。


 イライラする。


 俺はお前の隣にいちゃいけないのか?


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 ガチャッ・バタン…


「ただいま。」


 私は小声で言い放った。


「だから、なんでいつもこんななのよ!!!」


 リビングからお母さんの怒鳴り声が聞こえてくる。


「お前だっていつもそうだろう!!!」


 お父さんも言い返してるみたい。


 いつもそう。


 学校だけが楽しくいられる居場所なんだ。


 ガチャッ


「あ、おかえり。杏。」


 お母さんは苦笑いしながら、私につぶやいた。


「ただいま。」


 タッ・タッ・タッ…


 ガチャッ・バタン


 私は自分の部屋にすぐに入った。


 私は静かに携帯を見た。


 メールの受信ボックスにメールが一件あった。


 −−−剣ーーー


 −−−俺の部屋見てーーー


 どういう意味?


 私はカーテンを開き、そっと覗いた。


 剣が窓越しに私を見つめていた。


 ガラッ


 私は窓を開けた。


 剣も開けてくれた。


「何?」


 私は剣に呆れながら言い放った。


「こっち来て。」


 剣はそう言いながら私に手を差し伸べた。


「また?」


 私はいつもそうやって剣の部屋に行く。


「うん。早く。」


 剣は優しく言い放った。


 剣、かっこよくなったなー。


 私はそう思いながら剣の手を握りながら剣の部屋に飛び移った。


 ポンッ


 私はいつものように剣のベットに腰を落とした。


「また、おばさん達喧嘩してんだろう?」


 剣は呆れながら、尋ねてきた。


「うん。まあね。」


 私はちょっと落ち込みながらつぶやいた。


「そっか。寂しくなったら俺を呼べよ。ま、俺より彼氏を呼ぶだろうけど。」


 剣はちょっと寂しそうにつぶやいた。


「剣?」


 私は剣を呼んだ。


「何?」


 剣は笑顔で私に尋ねてきた。


「熱あるの?それとも具合悪いの?」


 私は剣の額に手をあて尋ねた。


「何で?」


 剣はちょと怒りながら言い放った。


「だって…いつもよりすごい優しいんだもん。」


 私は剣の目をそらしながらつぶやいた。


 なんだろう。


 すごい剣が愛しい。


 きっと今私は顔赤いんだろうな。


 顔が熱い。


「お前が困っときは助けてやるよ。」


 剣は私を頬をつねりながら言い放った。


 その顔、反則だよ。


 私は剣に見とれてしまった。


「何、見とれてんだよ。」


 剣が私に意地悪そうに言い放った。


「み、見とれてないよ!!」


 私は図星をさされながら言葉を繋げた。


「バーカ。」


 剣は舌を出しながら笑った。


「あんたのほうがバカでしょ!!!」


 私はいつものように剣に怒鳴った。


 ねぇ、私、気持ちがわからないよ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 翌日…


「いってきまーす。」


 私はいつもより早めに家を出た。


 何で?って?


 早く起きちゃったから。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 学校につく。


 多数しか来ていない学校というのはなんか物足りないような気がする。


 私は啓太君が好き…なはずなのに…なのに。


 何でかな?啓太君に対する気持ちが足りない。


 私が啓太君と付き合ったのは、ちょうど進級したとき。


 私が始業式が終わって、帰る途中に啓太君に告白されたから。


 啓太君は私のことを好きでいてくれてるんだろうけど。


 私はわからない。


 何で、啓太君と付き合ったんだろう?


 何で?


 ガラッ


 いきなり、教室の扉が開いた。


「誰がいるのかと思ったら、お前だったのか。」


 入って来たのは、剣だった。


「まあね。何で今日はそんなに早いの?」


 私は意地悪な顔をして尋ねた。


「お前もだろう?」


「私は早く起きちゃったから。」


「俺も。」


 会話終了?


 つまんない。


 私はちょっと落ち込んだ。


 私達はその後、沈黙が流れていた。


「お前ってさー彼氏のこと、本当に好き?」


 いきなり剣は窓を眺めながら尋ねてきた。


「な、何でそんなことあんたなんかに言わなきゃならないのよ!!」


 私は無意識に声を張り上げていた。


「何でそんなに怒るの?」


 剣は冷静に私にまた尋ねてきた。


「別に…。」


 私は目をそらしながらつぶやいた。


「図星だな。俺って本当にかんがさえてるよ。」


 剣は私の心を知っているかのようにいばった。


 でも、本当にあたってるのがむかつく。


「私…考えてたの。」


 私は落ち込みながらつぶやいた。


「何を?」


「本当に好きなのかって。」


「だろ?」


「剣はずるいよ。」


「は?」


「剣はずるいよ!!!!!」


 ガラッ


 私は勢いよく教室を飛び出した。


「おい!!!」


 剣が呼んだことなんかどうだっていい。


 私こんなに自分のことがわかんないんだ。


 私は一人涙の雫を拭った。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 剣


「何であんなこと言ったんだろう?」


 俺は一人落ち込んでいた。


 ダサいなー俺。


 自分で言って後悔するなんて。


 本当にバカだ。


 何であいつのことを好きなんだろう。


 ガンッ


 俺はコンクリートの壁を思いっきり殴った。


 手がじんじんと痛む。


 なあ、どうしてお前は俺のことを好きにならないんだよ!!


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 3、本当の気持ち


 教室…


 剣


 今日はあいつとは一回も話せないでいる。


 何でか?って?


 決まってるだろう。


 あいつが完全に無視するからだよ。


 俺が話そうとしようとしたらさけるんだよ!!!


「何で、君のことさけてるのかわる?」


 いきなり杏の彼氏が満足そうな顔をして俺に尋ねてきた。


「は?何でお前に言われなきゃなんねぇんだよ。」


 俺は怒りながら言い放った。


「何でか教えてあげるよ。お前のことが嫌いだからだよ。」


 杏の彼氏は笑いながら言い放ってきた。


 そのときだった。


 俺は後に後悔した。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 



 次に続く…



 

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