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こんな月の夜に

作者: 山口淑江

明日が訪れる前に、見上げた星空に近しい亡き魂ばかりが懐かしさを誘うのだ。こんな月の夜に。キラキラと輝く星は。

空を見上げるのは幾年ぶりのことだろう。君は空を見上げたまんま…と流行歌を熱唱していると、お空の星になったのだよと聞かされていた死して生き絶えた人々やその世界がまだ、空にあるように思えた。空の星になったという亡き人を懐かしむような、自分ばかりあるいは自分の子供に話して聞かせるような束の間の時間というものを、騒ぎばかりのなんの戦かわからないもので台無しにすることはないだろう。戦から戦争が起きてからというもの、戦闘機のように空の星になったスターを撃ち落とし、空を落とすことは空を眺め遣る人を殺すことだというタネを明かしていた。案の定、眺め遣る空は地に落ちた。だが、命を潰して殺すことでしかナイ世界が、続くとは思えなかった。

天体望遠鏡から眺め遣る空や宇宙は、撃ち落とされる心配がないという。流星群などを望遠鏡で眺め遣ることで、安心な夜や夜の空を堪能できるというのだ。でも、束の間、レンズの監視のない星空を見上げることがある。亡くした近しい魂が、こんな夜の空で未だ生きているという言い伝えのような話を、迷信よりは確かな話として思い出すことがあるのだ。そうやって生きているかのような世界がなければ、誰も思い出すことがなくなり人でなくなるというホラーな話が、まことしやかに立証されていた。忘れられて困るほどのヒットを出せるわけでもないし!と思ってはいたが、幽霊ばかりが体裁や格を気にしていた。彷徨い出てくる異国人がある日、日本人になっていた!という珍事は、古い時代の幽霊というものが本物の芸術家や作曲家であることによるらしい。夢のような話だと思うのは、一人夢をみてはワクワクする時ばかりで、幽霊に遭遇するほど不幸に見舞われてしまってはとてもじゃないが、生きてはいけないだろうと囁かれていた。死したものと死を垣間見た者とは、クッキリと線が引かれてなどいないというのが一つの真実であり、命のあるもの獣や植物や魚などにより人が信じる線!というものがあった。こんな月の夜に。懐かしい気持ちばかりが湧き上がってきた。こんな月の夜に、永遠を誓う口づけを交わしたのだ。嘘ばかりの世界の嘘を全部ばらして。永遠を誓う口づけが永遠に続くわけもなく、約束というものはそうやって破られていくのだと知る。それは、心変わりや時の流ればかりの移ろいではない。











児童書や絵本ばかりを集めた本屋

とても寂しい

とても寂しい僕は

今すぐ君に会いたい


連載できるか?忘れる可能性が高いので、取り敢えず短編として投稿。

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