〜決着というモノ〜
複合型、これはルウンにのみ許された、『| O F A A F O 《ワンフォアオールオールフォアワン》』による対象者の持つスキルを合わせ、ルウンが得た経験値によるイメージを合わせ、もともとルウンが持っている力を合わせた姿のことだ。最低限の装備だけ施したルウンであったが、金属光沢に輝いていた胸当てやコテが黒く染まっていた、中に来ていた洋服は、いつも着慣れていた、深紅のジャージに変わっていた。髪の毛は後ろに流されジェルも使ってないのに完全にクセがついていた。しかしこのモードを今まで使わなかったのには理由があった。負担が大きいのだそれはいくら先ほどまで生きていたバガスがいて、『超回復』があったとしても3分と持たなかっただろう、しかし、それがない今1分持てばいいところだと思う。それを理解していたからこそ、ギリギリまで温存していた。いやしてしまったのだ。
「温存?俺は何様だって話だよな、仲間だって一度決めた奴が死んでんのに何気取ってるんだよ、ここには戦いに来てんだ、全力を…貴様に!!!」
近距離にいたハーブの顔面を殴る、距離的に当たらないはずの顔面を思いっきり剣を引っ張ることでカウンター気味の一撃を与えた。おそらく10トン近くの衝撃がハーブに与えられる。それに耐えられなかったハーブは剣を手放し吹っ飛んで行った。ハーブの体はゴムボールのように弾んで行った。
「これが天使の扱う武器か…」
ルウンは手に持ってルウンの皮膚にダメージを与えているその剣の柄を持ち、自身の体に突き刺した。直後ルウンの頭は即座に分析を開始する。そして、ルウンに適したルウンのための武器を生成する。ベルの『創造』の力を借りてイメージを完全に形にした。漆黒に輝く柄と鍔、そして赤く鈍く光る刀身はまるで赤く輝く昇りたての三日月のようだった。不気味で怪しい
「これ返すよ、こいつの試運転つきあっってくれ、まぁ試運転っていっても全力だ!!」
ルウンが直剣をハーブに放り投げた。そして確実に受け取り構えたことを確認する
すうぅっと消えるように動くルウンの後を続く刀身の残像、その赤い刀身は気づけばハーブの眼前に迫っていた。ギリギリでそれを感じたハーブは直剣で受け止めようとするが、それをあざ笑うように通りぬけ、ハーブの体を切り裂いた。しかしそれでも油断することなく、ルウンは見えない後ろを振り返らずに切った。
「どうして…でしょうか?」
今度は通り抜けることなく、ハーブの直剣により止められる。そのハーブもハーブの持っている剣も先ほどとは比べものにならない存在感を持っていた。
「いや、最初っから変だと思っていたんだよ。あんたの行動はあまりにも適当すぎた、それに分身の方もなんとなく実在感はなかった。だからなんとなく後ろを切ってみた」
「なんとなく…ですか…くくく、実に面白いですね」
真っ白な襟の高いワンピースのように長いコートを纏い、中にはボディラインを強調するような白いタートルネックのようなセーター、白い短いスカートを着用していた、足も顔も白いことにより全身が真っ白に見える。もはや白そのものだ。そしてその手に握られた直剣も白い薔薇の装飾が施され、刀身さえも白く輝いていた。あれを体に刺して分析してたら、完了する前に絶命していた気がする。
「本体…って呼ぶべきだな。時間がない、俺が相手をしてやる!」
ぐっと刀を握り体の芯を揺らしながら、接近する。戦い方の基本としては体の芯をしっかり保たなければ、力は発揮できないが、相手が熟練の強者の場合、基本に忠実であればあるほど回避や反撃の機会を与えてしまう。
体をブラすことで、あたかも残像により分身を生み出す。ハーブのものと違い実体を持たないのだが、相手を撹乱するという目的に関して言えばほとんど同じ効力をしめす。しかし、その全てをハーブは止めて見せた。
「残り20秒くらいか…踏ん張れ!!!おれえええええ!!!!!」
全力で動き続け、すでに体の方は、限界に達しつつあるルウンの体は、ところどころ外傷ではなく内側からダメージを受けて出血していた。それでもルウンは刀を振るうのを止めない。それはハーブも同じ、常に分身に任せていたのは、100%の状態でしか戦えないから、そしてあまりに天使の枠を超えつつあるハーブはステータス的にも体を持たせられないから。
つまり、ハーブも制限時間つきだったのだ。
そして先に限界がきたのはハーブの方だった。




