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自殺転生〜死そして生へ〜  作者: 月山
勇者そして魔王へ
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〜死ぬモノ〜

バガスの意識はすでに聖魔混合破創刀(カオスソード)に譲っており、ハーブを睨みつけるその瞳は、両目が真っ黒になっており、まるで目がないように見えた。ディオスとリリナは

体に縛り付けていた魂をルウンに戻し、回復に専念することにした。超回復の影響は魂だけの状態でも適用されるようで。魂にまで及んだダメージも30分ほどで回復するだろう。


「どうやら、ここは俺の出番って訳だな」

「たかだか人間が何を言っているのでしょうか?」


そう言って下に見る発言をしたハーブだが、その目と体は油断なくバガスに向かっていた。しかしそのバガスも聖魔混合破創刀(カオスソード)を一度鞘にしまって、いつでも抜けるように柄に右手を添えて、左手は刀の鍔に親指を当てる形で構えていた。いわゆる抜刀の構えだ。その構えが何をするのかわからない様子だったが、ハーブは体の中心で両手で剣を構えてどんな攻撃にも対応できるようにしていた。


しかし、ハーブは何かを感じとって後ろに大きく飛び退いた。しかしその段階、まだバガスが動いていないように見えたその段階ですでに手遅れだった。飛び退いたのはハーブの下半身だけであり、上半身、正確にはへそから上の部分だけが置き去りになっていた。

あまりにも速い剣撃はハーブに反応どころか血を流させることさえさせなかった。


「な、何をしたんでしょうか?私は…切られたんですか?」


回復させながらハーブは動揺しながら問いかけてくる、しかしそれに答えることも待っていることもせず、バガスは剣を振り続けた。ハーブの動きが止まったとしても、まだ死んでいない可能性を考えて何度も切り続ける。


「はっはっは!!この俺に勝とうなんて甘々なんだよ!!死ね!!死ね!!」

狂ったように何度も切り続ける、バガスの意思ではなく、聖魔混合破創刀(カオスソード)の意思なのだろう。狂気に満ちてはいるが、目的であるハーブ討伐を成し遂げているため、責めたり止めたりはしない。この程度の一方的な虐殺じみたことはルウンだって幾度となくやってきたからだ。しかし、刀を死体にさしていたバガスの腕が切り落とされ、同時に首もすっぱり切られていた。


「なっ!!」

意識が戻ったバガスが驚きの声と表情を出すが、回復が間に合わないほどに即死だった。その死と同時にステータスの減少と共有していた『超回復』のスキルの消失を確認した。騙しや偽りなくバガスは死んだのだ、それもあっさりと何の抵抗もなく、落としかけた聖魔混合破創刀(カオスソード)をガインが拾いに行く。敵の手に渡ったとしても寝返る可能性は低いと考えたが、通常の武器と見ても高性能であることに変わりないものだったからだ。しかしどう見ても死んでいたように見えたハーブは、ピンピンとしてバガスの死体のそばで剣を振り下ろした状態で止まっていた。いままでに与えたと思え割れる跡なんかも綺麗さっぱり無くなっていた。


「まじで…不死身かよ…」

聖魔混合破創刀(カオスソード)を拾ったガインが見上げるような形でハーブを見て、そう呟いた。

「それは勘違いです、先ほどまであなたがたと戦った天使、ハーブはこの者に斬り殺されました。現にぐずぐずになった死体は消えていないでしょう?」

冷静に答えるハーブであったが、その表情にはもう油断は一切なく、確実に全員を殺す意思を持って構えていた。これで何度目になるだろうか。ハーブの威圧にルウンが拳を構える。この中での最高戦力はおそらくアリスだろう、そしてその次に力をためにためているガインだ。その二人はいわゆる最終兵器。本命である魔王の前で使わなければ意味がない。別行動をしているゲイルを呼ぶ術は一応用意しているが、いまは呼ぶタイミングではないだろうし、少なからず師匠と仰いでいたバガスの死体を前にして動揺してしまうだろう。


「モードチェンジ。複合型、全てを俺の力に」

言葉をスイッチに、思考の海に一つのイメージを落とす。

生まれて初めてみた蜘蛛、初めて感じた敗北、悪魔の血を持ったデスライン、その本体であるデスラ、どこぞの王子様、創造の竜、破壊の竜、そして天使。

そして、そして…ルウン=ローレン。

ルウンの持つ経験の中で戦った相手を思い出し、長所を体に適用していく。ゆっくりと瞼を落とし、口を開く

「発動」

頭の中に完全なイメーシが浮かび上がる。それと同時に口から発した言葉は、イメージを具現化するために決めていたトリガーのようなもの。ルウンの持つエネルギーが完全に体を包み黒くなり、全身を隠した。


「姿を隠しても無駄ですよ、いまのあなたは非常に無防備です。この時を逃すほど私は甘くありません」

とんでもない速度で繰り出される剣は黒いエネルギーのカーテンに深々と突き刺さった。


「ちょっとくらい待てよ…まぁ早めに仕留めればよかったって思うかもな」

エネルギーが放射状に弾け、突風を起こす。ルウンの髪の毛はオールバックのようになっており、剣は手で掴まれていた。黒装魔壊(ブラックグローブ)はビクともしない。

「そうね、もっと早めにあなただけでも殺しておくべきだったと思っています。」

ルウンの体やエネルギーにこれといった変化はなかったが、明らかに強くなっていた。

「安心しろ、そんな後悔すぐに消してやる」

その言葉に対抗するようにハーブは笑みを見せる

「それはこちらのセリフですよ、せいぜい生き残ってください。あなたみたいな自信家は長い期間使って服従させてあげますから」


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