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自殺転生〜死そして生へ〜  作者: 月山
勇者そして魔王へ
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〜魂を消費するモノ〜

ディータの方からは見ることはできなかったが、グガルディンの視界には、すでに息絶えたサティシアとラティシアの唇の間に白い塊のような物が見え、初めてみた代物だが、グガルディンに蓄積された知識はそれが魂だと答えた。魂とは、この世界における知識でありスキルである。すなわち力の全てであると言える。つまるところ、サティシアの魂を食らったラティシアの戦闘能力はただ単純に考えただけで倍になることはまちがいなく、下手すれば数倍になることはまちがいないだろう、そんなグガルディンの考えを肯定するように、ラティシアの背中からその背丈と同じサイズの翼が4対生えたのだ。そして竜人化した二人と同様にエネルギーが感じ取れなくなった。


「冗談きついだろ…」


ディータがぼやくようにいう。


「ふふふふふ!サティシア、私の中でゆっくりおやすみ。この二人の蜥蜴(とかげ)をすぐあなたの元に届けてあげるわ」


ばさっと翼をはためかせると、後方に暴風を起こし凄まじい速度でグガルディンを攻撃しにきた。サティシアに口づけする際に武器を消したラティシアは素手でもって殴りかかる。はっきりと見ることができるのはバイラの能力の影響のためか、命の危険を感じて避けたにもかかわらず、グガルディンの腕は綺麗にもがれた、出血は体力の消耗につながるため、わずかも出る前に竜人化の再発動をすることで腕の再生を図る。しかし、腕の再生に消費された力は回復するわけではない。


「まじで理不尽だな。さっきまででもだいぶぎりぎり優位に立ててたのに、その差が倍以上って…こうなったら俺らも合体するか?」

「いや、したことねぇし、無理だろ?それとも何か?俺に死ねってか?」

グガルディンの提案にディータが叫びながら返答する。ラティシアは今の一撃がまるで本調子ではなかったように、最善の手を尽くせるように思考していた。そしてつむっていた目をかっと見開き手に出現させたのは先端にトゲつき鉄球のついたよくしなる杖だった。色は全て銀でくすみも無ければ当然サビもない。陽の光を反射させ美しく輝くそれは、見た目はごついがとてもその持ち主に似合っていた。

「まさか、宝具まで影響されるとは、ね。でもまるで長年使い続けていた物のようだわ」

そのラティシアの言葉に答える言葉はない。ディータとグガルディンは油断なくラティシアの動きを見つめているのだ。しかし先ほどの一撃からわかる通り、見えても避けれない。それも間合いがほとんどない素手の状態でだ、しかし今度は武器を持つ。しなる分当たるまでの間があるが、その速度は音速を優に超える上に、先ほどまで使っていた鎖付き鉄球のように軌道が読めるわけもなく、途中で方向転換する可能性だってある。

「ここは、俺が囮になる。」

ディータが小声でグガルディンに伝える、ほとんど声なき声だったが『究極超五感(アルティムセンス)』の影響ではっきりと聞き取れる。今は作戦会議をしている暇もないので、グガルディンには頷く以外の選択肢は取れず、立場が逆であろうが、作戦自体には同感であったからだ。

ラティシアが次の攻撃に移る前に、ディータは接近し蹴りを含んだ殴打を放つ。相当な衝撃と風圧が発生するが、攻撃は全て的確に右手のひらだけで受け止められてしまう。そして連打の隙間を狙っていたラティシアはディータの視界から消えるほどの速度を瞬間的に発生させ、完全に死角からの一撃がディータの頭部を吹き飛ばした。そしてついでと言わんばかりに隙をうかがっていたグガルディンの下半身を吹き飛ばした。

圧倒的に一撃の威力は竜人化した二人を掛けても届かない。頭を吹き飛ばされようが半身を失おうが、この竜人化した姿では再度復活することができる。


「やはり、その状態は今の私と同じ…ということですか。エネルギーという概念ではなく魂の力を用いるという、今まで私ですら知らなかった技法。しかし魂とはエネルギーと違って減ればすぐ回復するものでも感情の起伏で変動するものでも無い。つまり、削り続ければ、いずれ磨耗して消滅させられるということでしょう?」


それは、まさに図星だった。もう既に数度の再生をした二人の魂は、竜人化を保つだけの力をわずかに残すだけで互いにあと一撃でも食らえば再度竜人化することはおろか、消滅までしてしまう可能性もあった。


「さて、そろそろ終わらせましょう」


空中で静止して鉄球付き杖を構える。ディータもグガルディンも並んで構える。空間把握と目に力を注ぐ。ラティシアの攻撃はどれも音速なんて生易しい速度では無い勢いで飛んでくる。それを避けては間に合わ無いと察して受け流すことに力を注ぐ。途中から素手では余計なダメージを負ってしまうと考え、適当なデザインの剣というには非常にお粗末なものを作り出し、それを用いて攻撃をさばいた。

剣術は素人であり、当然このような武器を使うのは初めてなのだが、命の危険の最中であり、受け流さねば待つのは確実な死というこの場面では、否が応でも集中せねばならず、それが二人の命をこの世界につなぎとめていた。


剣というよりは先端がとがった鉄板に木の柄がつけられたものであったが、鉄板は当然竜の鱗と同じ素材であるため、まともに受けなければ壊れることもないだろう。


「小賢しい…」


ぼそりと呟いたラティシアの言葉には焦りが含まれていた。

すいません間に合いませんでした…今度1日2話投稿で穴埋めします。

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