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自殺転生〜死そして生へ〜  作者: 月山
勇者そして魔王へ
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〜それぞれの成長というモノ〜

特訓2日目


「戦闘特化モード!!」

叫ぶ必要はないのだが、雰囲気的に叫んで腕に取り付けた装置を起動させるディータは、次の瞬間、2メートルを超える巨体となり筋骨隆々のオーガのようになった、その姿はいつぞや討伐依頼が出されたユニークモンスターであったオーガとにた容姿をしており、違う点を挙げるならば、白衣を着てて目の色が真っ青だということぐらいだろうか

「ルウンがぶっ飛ばした時に死体は回収させてもらってたからね、俺が持ってるなかでは一番最強の遺伝子だよっ!!」

言葉の最後に力を込めるのと同時に、地面を蹴り出しグガルディンへと迫る、しかし強いとは言っても魔物で言えばAランク相当でしかなく当然SSランクオーバーと言われるような竜である、グガルディンには直撃したとしてもかすり傷程度しか与えられない。そしてグガルディンの攻撃を躱すことなどできないディータ博士は、わずかに間に合った防御ごしでも吹き飛び、数度バウンドしてから地面に倒れた。

「ディータよ、その程度では魔王とやらに挑もうというのか。貴様には机の上で研究している方が向いているのではないのか!」

「だよな…でもやっぱり俺は好奇心の塊だからな。魔王とやらに興味があるんだよ、それにな俺の知らないところで世界が終わるってのがどうにも許せねぇ。こっちにきてから長く居過ぎたんだよ。今更見捨てられるか」

ぐぐぐっと力を込めて立ち上がる。目の青が一層濃くなる。

「いい返事じゃないか、評価を改めさせてもらおう!てっきり枯れきった中年オヤジだと思ってたよ」

ディータ博士はグガルディンの左腕を狙う。当然左側への攻撃なのだから、左手で防御をしようとするが、それが目的であったディータ博士は腕を掴んで全体重をかけてグガルディンを倒しにかかる。踏ん張り耐えられることは計算済みであったディータ博士は、完全に持ちなおされる前に足を蹴りで払い、ついに地面に叩きつけた。そして、膝でグガルディンの胸部を抑えつけ目を合わせる。この段階でディータ博士の準備は完了しておりそれを、合図するハイライトのない真っ黒な瞳は、人知を超える速度でディータ博士の脳にグガルディンの情報全てをコピーする。これが、ディータ博士持つ唯一の称号『科学者』により生まれたユニークスキルのうちの一つ、『分析者』による相手の情報を読み取り、許容範囲分を自分の力に継ぎ足す能力であり、これを発動させるためにディータはずっとエネルギーを分散させていた。そしてわずか2秒足らずで読み込みが完了し、体がすでに変化していく


「まさか摂取以外にも力を得る方法があるとはな」

「これは最終手段だよ、それに一度使えば二度と別の遺伝子を取り入れられなくなるといってもいい、摂取はいわば裏技のよなもので、自分の体の80%近くを機械に任せることで可能にしてたことで、この変化、どうやら俺の体の構造そのものを変えてるみたいで機械の部分まで変形させてるからな。」

「おしゃべりだな、俺が敵ならそんなことする必要はないんし、そんな暇もないんだがな」

「くく、だがお前もしゃべるのすきなんだろ?俺の変化が終わるまで、ちょっと喋ろうや」

すでに影響は出ているようで、ディータ博士…いやもう博士ではないのか。ディータの姿は若干、グガルディンに似ており口調も変化していた。




「休んでる暇はないですよ!!」

リリナの如意棒がすでに数千回繰り返した動作をさらにもう一度繰り返す、しかし今までと同様にベルは軽くいなすだけ、ディオスの攻撃も同様で二人とも合わせて1万回は攻撃を仕掛けているが一撃だって直撃していなかった。 それでも息が切れていたのはディオスとリリナだけで、ベルは平然としていた。むしろ始めの頃よりも動きにキレが増していた。それには原因があった。ベルはルウンに力を渡していたこともあって、ベルのエネルギーは枯渇している状態だった、ゆえにガインほどではないが、エネルギーを吸収していた。よって数十時間経った今では、ほぼ完全に回復しており体を纏っていたエネルギーも純粋な赤色となっていた。

「んなことわっ、かっ、てますよ!!」

棒を振る反動で言葉が途切れ途切れになるが、その力強さは消耗しているのにもかかわらず増すばかりであった。そして色で言えば、ディオスの体も赤いエネルギーで包まれ始めていた。ディオスのエネルギーの色はもともとデスラの影響で赤ではあったが、薄くぼやけたどちらかといえばピンクのようなものであったが、今はベルと比べても遜色のない赤色をしている。そしてその色が濃くなり始めてから、少しずつではあったが、ディオスの動きに変化が出てきた。

「俺は!休んでなどいない!そんなことを!するつもりも!ない!!!」

叫びながら、拳を繰り出し、時たまエネルギーの残像を生み出しフェイントをかける、そのラッシュの間に生まれる僅かな隙間をリリナの如意棒が貫く。

その攻防が1時間絶え間なく続いた末に、ベルのほおをリリナの如意棒がかすめた。




そしてこちらは、バガスとガインが特訓している場所だ。

草原だった場所はすでに草木も生えない死地となりかけていた。なぜならガインは一度も動いていないのだが、聖魔混合破創刀(カオスソード)を所持したバガスの攻撃を受け続けているからだ。攻撃といっても物理的ダメージを一切なくし、エネルギーの放出による中距離系攻撃だったため、ひたすらガインのスキルによるチャージを行い続けていた。

「ガイン!お前はもともと国内最強なんて呼ばれる存在にはなり得ないはずだった。しかしお前に与えられたスキル『青天井』は全てにスキルに与えられている上限を無効化している。それは当然『収集家』にも適応されているのはお前自身も分かっているだろう。だからお前はあとの期間全てエネルギーを溜め込むことに専念するんだ。そして俺も練度をあげさせてもらう。」

「しかし、それでは俺は魔王と戦う時以外なにもできないのではないか?」

「そんなことはない、たしかに全力で戦うのは魔王とでしかできないが、もしかしたら魔王の取り巻きがいる可能性があるからな。一応お前は国内最強の戦士と呼ばれていたのだろう?ならスキルに『胃袋』や『効率化』なんていうの持ってるだろ?」

「『効率化』なら持っているがなんでだ?」

「へぇ、むしろ戦闘中は回復薬とか大量に飲むから『胃袋』を持っていると思ってたんだが…まぁいいや、その『効率化』に意識的に『青天井』を使ってみてくれ。『青天井』は常時発動スキルじゃないからな」

「…」

ガインはバガスもとい、聖魔混合破創刀(カオスソード)から言われたことを実行に移す。意外とスキルを何かのスキルと組み合わせで発動するのは難しく、それを行うだけで時間は過ぎていた。


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