〜それぞれの師匠的なモノ〜
特訓1日目
特訓といってもアネルが直々に手を下すのは、アリスだけで、あとはペアを組んで互いに鍛え合うというところだった。ガインはバガス(聖魔混合破創刀)とリリナとディオスのルウンに憑いている二人はベルとディータ博士はグガルディンと、ルウンはというと…
「ここどこだよ…」
ルウンの呟きは、振り続ける雪に溶けて消えてしまった。そこはハーチラス王国よりもはるかに北にいったところにある、豪雪地帯であり、普通の人間ならばたった数分で低体温で死んでしまうくらい過酷な環境で、当然そこにいる生き物はもれなく魔物、しかも災害指定クラスの化け物ぞろいであった。そして周囲は雪だらけであり、木すらも生えていなかった。
「アネルじょ…いやアネルさんにはここでまずはレベル上げてろって言われたけど…」
どうみても、化け物ぞろいなんですけど。と思っていたルウンだったが、これには理由があり、実はルウンの魂は『脳筋』の影響で、少しの魂はエネルギーの方に変換されてしまうそうで、よほど強力な魂でなければ、レベルが上がらないらしい…
「とりあえず、弱そうで食料になりそうなやつを…」
といいながらキョロキョロしていると、ちょっと大きめでもこもこした真っ白い毛を生やしたウサギがいた
「お!なんか毛の色が違うけど、初めてアリスにあった時に食った魔物で名前はたしかライビットだったな、ランクもそこまで高くなかったはず」
しかし、前のような力を持たないルウンにとっての初戦であり、慎重になるのは必然であった。ゆっくりとライビットに近づいていく、雪以外に何もないこの空間だが、むしろ雪が司会を遮る障害物になる。しかしあまりに近づいてしまうと相手は野生の獣だ、気づかれて逃げられるか反撃されてしまう。5メートルほど離れたあたりで、ぐっと息をひそめる。
ライビット…いや、正確に言えばライビット種の最上級であるホワイトキングライビットは最初っからルウンの存在に気が付いていた、しかし逃げ出さなかったのはひとえに、自分の方が強いからである。ライビットと同様にここら一帯で最強の存在である。キングの名は伊達ではなく、ライビット種特有の防御力は当然のこと、移動速度の速さから、突進攻撃は上位悪魔でさえも一撃で葬れるほどの強さを持つ。ルウンのステータスであっても突進されれば命が無い可能性の方が高い、つまり油断している今がチャンスであるのだが、問題は
ホワイトキングライビットも2匹1組で行動しているということだった。
「いまだ!!」
ルウンがライビットに向かって殴りかかる、その風圧で周囲の雪が空中に舞い、その先にでライビットに当たる感触が拳に伝わった。しかし、伝えられる衝撃波全て毛皮に吸収され、軽く吹き飛ばされたものの、ライビットは体勢を崩すことはなく、その動作が予測通りだったと言わんばかりに、ルウンの脇腹にもう一帯のライビットが死角からタックルしてきた。
「がはっ!!!」
アリスは、アネルがルウンを豪雪地帯に空間をつなげて放り込んだところを見ており、少し経った後も閉じられた空間の歪みがあった場所を見つめている。
「ルウンのことは一旦忘れろ。あのレベルではどうあっても足手まといだ、この一週間あのエリアのモンスターを狩り尽くせば相当あげられるだろう、死んだらそれまでってことだ」
「お母様!!ルウンが死んだらって…そんなこと軽々と言わないでください!!ルウンは誰よりもつよいんです!」
「それなら信じてやれ、それにアリス、あんたは他人の心配なぞしている場合では無い。あんたはその制限されている状態で、あたしと戦わなければなら無いのだからな」
アネルが力を解放し、地面が割れる。軽い地鳴りが起こりそのエネルギーの衝撃波がアリスにあたり、後ろに倒れ尻餅をついてしまう。
「そ、そんな!!お母様に勝てるはずありません!!」
「ルウンはそんなこといったことがあったのか?」
アネルの一言で、アリスは黙ってしまう。アリスの心には、いままでのルウンの姿が映し出されていた。いつでも敵に真っ正面からぶつかっていく姿だけが映る。そして決断する。
「お母様!!これからあなたのことを、敵と認識します!」
その言葉とともによわよわしいながらもエネルギーを手と足の4点に収束させる。色は純度の高い緑色で総量は少ないが、決して悪く無いものだ。
「それでよい!!かかってこい」
ガインとバガスはただ禅を組み静かにそこにいた、互いに1ミクロも動かない。
そこではただ時が動いているだけであった。
リリナとディオスの力は竜には遠く及ばない。なにせルウンの魂を経由してほんのわずかに力を借りていたといっても、現在のルウンとの接続は1%もなく、それゆえに得られる力もわずかになっていた。もともとのスペックはとても高いがリリナに至っては経験値が足りなすぎる上、ディオスもリリナもレベルは1なのだ。しかしだからと言って、魔物を倒してもルウンの方に譲渡されてしまうため、ルウンがレベルを上がらなければ二人ともレベルは上がらないのだ。
「ルウン様のために、私だって強くなるんだ!!」
リリナは腰の帯に差し込んでいた1メートル超の金属棒を取り出し、ベルに向かって突進した。そして軽く振り被り距離があるにもかかわらず叩きつけるようにした瞬間、金属棒はニュッと伸びて、ベルを襲った。そしてそれを躱すことを予測したディオスは背後に回り、作り出した巨大ハンマーを振りかぶる。
「ルウンのせいで、あんまり目立たないけど、一応竜ですからね!」
音速を超える先端を掴んで見せた、ベルは空いた右手でハンマーも止める。さらに両手をぐっと押し返すようにすれば、二人とも倒れた。
「このままでは、あなたたちは完全に足手まといです。」
「わかってるよ、だけどな俺はルウンと一緒に戦いたいんだよ。俺にとって初めてできた…友だからな」
「私もこのままでいるつもりなんてないんですよ!!強くなるためなら手段を選ばない!」
「ふふ、そこまでいうならばいいでしょう!想像の竜であるこの私、ディベルバンが全力で特訓してあげましょう!」
ベルが発光し辺りは光に包まれる
バン!
地面に叩き落されたディータ博士は特訓開始早々肉塊になりかけていた。
「いや、いくら再生できるとは言っても、即死したら復活できないから!」
慌てて血に染まった白衣から小瓶を取り出し、振りまいたことで、いま受けたダメージはなかったことのように回復し、赤くなった白衣は一瞬にしてもとの白に戻った。
「そうなったらそれまでだろ、お前に俺の血をあげれば実力の底上げは可能だが、それはお前自身の戦闘能力上昇にならないからな、だから俺の力が欲しいのであれば、この1週間のうちにうばいとれ」
そして再びディータ博士は地面に埋まった。
最近パソコンの調子が本当に悪いです!!それでもなんとか毎日更新頑張ります




